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過去のやり直し 高校生活は女難の日々です  作者: 加糖のぶ
夏休み編 伝えたい思いと届けたい気持ち
115/157

奇跡と軌跡①

編集中です。゜(゜´ω`゜)゜。




「俺らは後始末しましょうか、動ける人達だけで良いので開けた穴を埋めましょう」


 哲也の言葉に動ける人達が集まり元通りとは言わないが穴を埋める事が出来た、そんな事をやっていたらさっきまで休んでいた慎二が起きた。


「あれ?……僕は……タイムカプセルは!?」

「慎二君落ち着きな、タイムカプセルはしっかりと見つかって今君の近くに置いてあるでしょ?」


 慎二の近くに腰掛けていた哲也にそう言われた為見て見た。


 そしたら本当にタイムカプセルは自分の側に置いてあった、安心したと共に自分が気絶してしまっていた事を思い出したので、その後は何があったのか聞いてみたら。


「俺達大人で後始末は終わらせたよ、もう直ぐ暗くなってしまうから帰れる人は帰ってもらう事にしたさ、皆慎二君が起きるまで待とうとしていたけどな、またいつでも会えるから今回はお礼を言って帰ってもらったけどね、それと君の友達の木村君?達は先に帰らせたよ、その方が良かったでしょ?」


 哲也にそう言われてスマホを見たら、雄二達や鈴木から先に帰ってるという連絡が来ていた。


「そうですね……何から何までありがとうございます、哲兄、その今日最後のお願い何ですけど……良いですか?」

「おう、いいぞ?言ってみな」


 慎二にそう言われた哲也は初めから何か言われるのかが分かっていたのかそう返してきた。


「僕を哲也さんと初めて会った病院まで送って下さい」

「任せな!届けたい物があるんだろ?なら早くした方がいいな、届けても間に合いませんでした〜なんて後悔はしたくないもんな」

「はい……後悔はしたくないです」

「よく言った!じゃあ飛ばすからバイク置き場に向かうぞ」


 そう言い慎二と哲也は走り出しバイク置き場に行くと直ぐ様に乗れる準備をして渚が待つ病院まで向かった。


 1時間程ぶっ通しで走っていたら、ついに病院が見えて来た。


「慎二君、もう時期着くからな?」

「はい、降りれる準備しときます」

「わかった」


 少し話しをしたらバイクの速度を上げて病院まで突き進んだ。





「よし、着いたぞ、俺は此処で待ってるからそのタイムカプセルを渡してきな」

「はい、でもタイムカプセルの中に入っている手紙が古くて読めなかったらどうしましょう………」


 慎二がどうしようか考えていたら、いきなり頭を激しく撫でられた。


「ちょっ、哲兄?」

「バッカそんな事を考えるな、手紙ってもんはな人に思いを届ける為に描くもんなんだよ、だからきっと読めなくても、見えなくてもその手紙が手元に届くだけで人の気持ちは伝わる筈だ、だから早く届けてやれ」

「………ですかね、行ってきます」

「おう、行ってきな」


 慎二は哲也に背中を押され、タイムカプセルを大事に抱えると病院の中に入っていった。


「後は本人達次第だな、慎二君、悔いの無い様にやれよ」


 慎二を見送った後そう言うと一際強い風が吹き、哲也の言葉は風に乗って消えていった。


 慎二は前会った受付の松田に話を通すと渚と面会を取れるように頼んだ、かなり今の時間が遅い為厳しいかと思っていたが、松田は鈴村を連れてきてくれた。


「慎二君聞いたよ、渚君のお婆さんが探しているタイムカプセルを探してきてくれたんだってね…と……伝えたい事はたくさんあるけど、今は渚君と千鶴さんの元に向かおう、今は少しまずい状態だからね………」


 何か…嫌な予感がする………


「わかりました、案内して下さい!」


 慎二は鈴村の後について行った、少し歩くと前渚と再会した部屋より少し小さい部屋が見えて来た。


 あそこが渚さん達が居るところかな……早くいかなくちゃ!


 病院内の為走る事は出来ないが、出来るだけ早歩きをしてその部屋に向かった。


 ドアの前に着いたので鈴村がノックをしようとしたら、中から人の泣き声が聞こえたので直ぐ様にドアを開けたら……沢山の透明のチューブが体の至る所に繋がった80〜90歳程のお婆さんがベットに横たわっていた。


 その直ぐ側で渚が泣き崩れている状態でいた、部屋にある心電図は波を作る事なくただ「ピー……ピー」と鳴り続けるだけだった。


 その場面を見た鈴村は直ぐ様に何が起きたか察すると悔しそうにその場に崩れ落ちてしまった。


 慎二はただ、ただ、渚が泣いている所を見ている事しか出来なかったが………


(バカ!ここで諦めるな、まだ分からないじゃないか!今は少しでも早く渚さんにタイムカプセルを届けるんだ!)


 慎二は弱気になっていた自分自身に鼓舞をして渚の元に歩いて行った、渚も誰かが近づいて来たのが分かったのか顔を上げてその人物が慎二だと分かると今でも崩れ落ちそうな精一杯の笑顔を向けてきた。


「慎二君……昨日まで元気にしていたのにお婆ちゃん、死んじゃったよ………」

「ーーーっ!!」


 もう泣き過ぎて目元が赤くなっている状態で慎二にそう伝えてきた。


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