1-11:できる どうする
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伝達竜がどうやって人に手紙を届けているのかは未だ解明されていない。ただ、知らない人に対しては送れず、名前を知っている、顔を知っている、誰だか明確にわかっているなど、いくつかの条件があるらしい。会ったこともないシグレがツカサに伝達竜を送れたのは、その場にツカサのことを知るラングとアルがいたからだ。
ロナは伝達竜の存在を知った後、一度だけ、親の財産を奪った者に対してそれが送れるか試したという。その結果は不発、伝達竜は困ったようにキュウと鳴いてロナの手を甘噛みしたらしい。それを話してくれたロナの横顔が少しだけ悲しかった。
昔、ロナの家にいたお手伝い、顔を覚えていないだけなのか、それとも死んでいるのか、どちらの理由もありそうでツカサは友達の肩をそっと無言で撫でた。
フォクレットからは夕方に返信があった。ちょうど訓練時期に入ってしまっていて直接話が聞けないことを丁寧に詫びた後、フォクレットの家もお手伝いさんを雇っていたり、スカイでは男女共に人気のある職業なのだと知った。そういえば故郷でも家事代行サービスはあったなと思い、自分がいろいろ冷静でなかったことに気づいた。お手伝いさんについての言及が済んだ後、フォクレット宛に飛んできた伝達竜に家族の一大事かと大事になってしまい、隊長たちに悩みがバレたことを謝罪する文面で締め括られていた。そうか、直接届くので目立つのだ。なんとなく、それが嫌でフォクレットに送ったというのに。いや、フォクレットも庇おうとしてくれたのだろう。共に時間を過ごしてみれば思いやりのある男なのだ。個人的なことです、とか、問題ありません、とか、悩みを勝手に教えることはしないだろう。きっと、上官に詰め寄られ、上官自体、部下の家庭環境には気を配っているようなので、休みを取らせるために行動をしようとしたに違いない。下手したら医者の手配もするはずだ。それを留めるためにも言うしかなかったのだろう。
たぶん、伝達竜が送られてくる気はするが、その時はその時だ、とツカサは小さく息を吐いた。
さて、今日も今日とて授業、鍛錬だ。今日は魔導士科の鍛錬場を借りて魔法の練習だ。近接格闘組もここに居て、端の方のスペースで剣を振ったり模擬戦闘を行っている。どちらも見るのは忙しいけれど、この時間は結構好きだった。もうそろそろ魔法が使えることを明かしてもいいのだが、できれば気づいてほしいという期待が未だに秘密にさせていた。
魔法を使えないのにどうして指導ができるんですか? とかなり初期に問われた時は、【快晴の蒼】のシェイさんと知り合いだからね、と全力で誤魔化しておいた。シェイの名を出すだけで半分はちゃんと先生と呼ぶようになったので、そのネームバリューを思い知らされた。
元々魔法を使える生徒たちはあとは思い切りがあれば、という者が多い。日常的に身近で、生活に魔法を使っている者ほど、戦いへの転用は不慣れだ。相手を傷つけることに慣れていないのだから当然ではある。やらなければやられる魔獣との戦いでそうした気遣いは不要だと理解するには、やはりその状況に置くしかないだろう。ツカサは首を傾げる生徒に近寄り、背中を叩いた。
「ゆっくり深呼吸して。まずは魔力の流れを掴むこと、自分の周りを包み込むように想像してみるんだ。いい天気の日に自分を通り過ぎていく風を思い出して」
風、と言いながら自分の肌に触れるものをイメージしてくれたらしい。魔力がふわりと圧になってツカサにも感じられた。
「それを自分の胸から、左腕、戻って、左足、戻って、右足、そう、右腕、それから、頭へ。繰り返し繰り返し、循環させて」
そっと背中に置いた手で魔力を少しだけ流しながら動きを言葉で説明する。コツを掴ませるくらいは手伝ってもいいはずだ。溢れていた魔力が大きく広がらなくなった。ツカサは背中をトントン、と叩き、人型の的を指差した。
「炎魔法、撃ってみるんだ。日頃家の手伝いで使っているんだろ? ここではそれよりも大きく、思いきり撃っていい」
ツカサの指導を見ていた者たちもそっと見学の姿勢だ。深呼吸した後、手を前に出して唱えた。
「ファイア!」
ゴッ、と大きな球体の炎の塊が的に飛んでいき、ボカンッ、と音を立ててぶつかった。的はメラメラと燃えて真っ黒な炭に変わり、おぉ、と歓声が上がった。ツカサは手を叩いて視線を集めた。
「これが最後じゃないぞ、ここではそれでいい、でも、実際ダンジョンの中で魔法を使う場合、あの威力のものを、もっと、ぎゅっと、圧縮、小さくする必要があるんだ。ダンジョンの中に森がある時もある。そういう場合、炎魔法は延焼して、自分を殺しにくる」
何人かの視線がマイカに注がれ、その先で少女はぎゅっと自分の腕を握り締めた。ツカサは気づかないふりをした。
「得意属性はもちろんあるだろうけど、魔法を扱うには想像力か、原理を知っていることが力となる。だから他の学科の授業も受けろって言ってるわけだ。魔力の調整と制御ができるようになった人は、風や水なら身近だろうから、意識して触れるようにするといい。それを再現しようとすることが、習得に繋がる」
じゃあ、続けて、と促せば、先程ツカサの指導を受けた生徒にどんな感じ、教えて、と他の生徒が集う。ツカサの言い回しで理解ができなくとも、実際に体験した生徒の言葉で置き換えられることで、それはそれで理解の幅が広がる。後を任せてツカサはマイカとアレックス、メアリーの三人に近寄った。
マイカは必死に制御をしようとしているが、焦ってままならない。アレックスも制御は甘く赤い魔力を放出しているが、調整が上手いので狙うのは上手い。ただ、昔のツカサのように思いきり撃つことに特化しているので細かい作業は苦手だ。メアリーはなんだかんだ一番手が掛からず、まだ少し溢れているが、自分の周りで魔力を留められている。
「メアリー、コツをアレックスに教えてやってよ」
「……やだ」
「ぁあ!? どうしてそいつから習わないといけないんだよ!」
「そりゃ、アレックスより上手いからだよ」
テメェ、とアレックスはヤンキーのようにツカサにガンをくれた。ツカサの方が身長は高いので顔を覗き込まれただけだ。小さく溜息。ツカサはとんとアレックスの胸に指を突いた。振り払われ、もう一度突く。
「魔力の制御も調整も、いざという時に自分を守る。自分を守るということは、そばに居る他者を守るんだ。それに、パーティを組む時、魔法をまともに使えない魔導士なんて誰も選ばない」
「俺は使えてる!」
「アレックス、俺からしてみればその程度、スカイの子供なら誰でもできる」
胸に突いた指先でそのままストンと待ち針を刺す。サァッ、とアレックスの顔が青くなった。自分を満たしていた膨大な魔力が消えたからだ。灰色のマントを得た際、万能感に満たされた経験があるツカサは、アレックスのその尊大な態度と高いプライドが魔力酔いだとあたりをつけていた。どうやら正解だな、とその顔をじっと見ていれば、アレックスは胸に突かれている指を再び振り払って二歩下がった。自分の胸をまさぐって魔力を探す姿に、わざと指をパチンと鳴らして待ち針を抜いた。ツカサの視界がもう一度重なり合った赤で染まった。とんとん、とツカサは右耳の破魔の耳飾りを示した。さらりと嘘を吐くのも慣れてきてしまった。
「魔封じ、ってやつ。俺が魔導士に魔法以外の勉強もしろって言ってるのは、こういうのが実際にあるからだ。もうそろそろ素直にやってほしいもんだけどな」
反論を待たずに次は視線をマイカにやった。視線を受けるとさっと逸らし、マイカは自分の腕を撫でて宥めていた。魔力総量は冒険者クラスの【渡り人】の中でも一番だ。常に魔力圧が吹き荒れていて、魔導士の卵である生徒たちは、本能的な防衛で魔力を放ち、それを盾にしている。いい加減これもどうにかしなくては、他の生徒に迷惑が掛かる。ディエゴとの自主練では明かりを出す照明魔法、トーチを手のひらに暫く置いておけるようになったと聞いた。なのに、ツカサを前にするとそれができなくなる。怯えられているのかと思っていたが、それも違うらしいので理由がわからない。最近は声を掛けようとするだけで魔法を暴発しそうになるので頭が痛い。目も合わせないようにしつつ、尋ねた。
「マイカ、調子は?」
「まぁまぁです」
「ディエゴから聞いてるけど、トーチが扱えるようになったって?」
「はい、まだ、手の上でだけですけど」
「いい進捗じゃないかな」
はい、とマイカの声色が嬉しそうになる。久々に会った同級生のような、変なやり取りに首を摩る。ツカサにとってこの距離感とやり取りは本当に居心地が悪かった。マイカにも手を触れて魔力制御と調整をしようと試みたこともあった。だが、他の生徒と違い、マイカは逆に暴走しそうになるのだ。いっそディエゴに教えて、ディエゴから教えてもらった方がいいかもしれない。そのディエゴは端の方で座り込み、瞑想のようなことをしている。その隣で同じように座り込んでいるロドリックはじっと膝の上の剣を握り締めていた。未だにショックを引き摺っているらしい。そうなるくらいなら最初からあんな態度を取るなというのが本音だが、なるべく早くフォローをしなくてはならないかもしれない。面倒くさい。
あぁ、どうしようかな、と考えるツカサの灰色のマントをメアリーがつんと引っ張った。
「どうした、メアリー」
「……ツカサ先生、相談」
「うん? なんだろう」
こっち、と引っ張られ端に行く。金髪に碧眼、まるでビスクドールのような見た目のメアリーは少し小さく、声も大きくないのでツカサは少しだけ背を丸め耳を近づけた。メアリーは両手を口元に寄せてこしょこしょと言った。
「先生、魔法使える、なんで隠すの?」
お、とツカサは目を見開いた。
「メアリー、気づいてたのか」
「違和感。……でも、ほんとはマイカから、聞いた」
「え、マイカから? いつ?」
うん、初日に、とメアリーが頷く姿に腕を組む。魔法を使えることを知っているなら、マイカはもっとツカサに対し教えを乞うてもいいだろう。別にバラすなとも言っていないので言葉にしてもらって構わない。マイカが黙っている理由を尋ねればメアリーはむすりと拗ねた顔をした。どういう感情なのだ。
「先生、絶対モテない」
いや、妻がいるけど、と反論する前にばたばたと魔導士が駆け込んできた。
「アルブランドー先生! 至急手伝ってください!」
「みんな自主練はそこまで、魔法の使用も武器の鍛錬も禁止だ。今日は解散。寮に戻るなり、食堂行くなり好きにして。……何があった?」
「向かいながら説明します」
さっと指示をして、早く、と手招く魔導士にツカサはついて行った。解散を指示されたものの、魔導士科の教員の慌てように好奇心が芽生えた。誰かが、おい、行ってみようぜ、と言った声にその後を追う。
残されたのはロドリックとディエゴ、マイカ、アレックス、メアリー、それにコレットだ。
「まったく浅ましいですわね。ワタクシ、指示に従えないこどもも嫌いでしてよ」
細身の剣をするりと腰に戻し、コレットはウェーブのかかったつやつやの柔らかいピンクゴールドの髪をふわりと払った。アレックスは先程封じられた自分の魔力を確かめるように、延々と放出を続けている。メアリーは残るか、帰るか、これから追いかけるか決めかねて進んだり戻ったりして、最終的にふらりとマイカの横に行った。
ディエゴは喧騒が走り去っていった方からロドリックに視線をやって尋ねた。
「どうする、ロドリック。飯食いに行くか?」
「……そうだな、今なら食堂も空いているだろうしな」
ほんの数日前のロドリックならば、ツカサが何をするのか見に行ってやろうと言っただろう。指示に従わないこと、敬わないこと、疑ってかかることの積み重ねが、自分の好機を逃すということを知り、随分と素直になった。ディエゴはそれを少しつまらなく思いながら、それでも折れず、逃げずにここに居る親友を支え続けようとその背を叩いた。紹介される魔導士と剣士のパーティを見て、必ず自分たちの参考にしてやると誓った。ロドリックと二人立ち上がったところでマイカの声が響いた。
「アレックス、大丈夫? 顔色が悪いよ」
そちらへ視線をやり、ロドリックは叫んだ。
「マイカ、離れろ!」
え? と短い声の後、アレックスが悲鳴か雄叫びか、絶叫を上げて頭を抱え込み、そばに居たマイカとメアリーはパッと弾けた何かに吹き飛ばされた。咄嗟にディエゴの張った魔法障壁、たまたまそちら側に居たコレットはその恩恵を受けた。
炎のように熱く、氷のように冷たくもある、おかしな渦が鍛錬場に渦巻いていた。魔獣の魔石や魔導士の魔力石で張られた魔法障壁がビシビシと軋む。鍛錬場が大きく揺れたような気がした。
「なんですの!? マイカとメアリーは!? アレックスは!?」
「ディエゴ! そのまま魔法障壁を維持できるか!?」
「どうにか! くっそ、魔力暴走だ! マイカとは違って、ただの魔力圧だけど、潰される……!」
ロドリックは舌打ちをしてアレックスを中心に渦巻く圧の奥を眺めた。吹き飛ばされた女子二人、端の方に転がって意識を失っているらしい。このまま圧に晒され続ければディエゴの言うとおり、文字通り潰されるだろう。これを乗り切るには、助けるには、どうすればいい。……どうすればいい?
「どうする? どうすればいい? 何ができるかではなく?」
ロドリックは何か気付きを得た。
――全部、何ができるか、じゃなくて、どうするのか、って書いてあるのが、気になるんだよ。
ぞあっ、とロドリックから血の気が引いた。何ができるかと問われれば、今ここでできるのは誰か助けが来るまでディエゴの魔法障壁が持つことを祈ることか、無謀にも飛び出して女子二人をここへ運び入れるかだ。どうするのかと問われれば、覚悟を決めてこの圧の中に飛び出すことだ。それから、もう一つできること、選べることがある。
あぁ、畜生、とロドリックは腰のホルダーから剣を外し、鞘に収めたまま手に持った。もっと、安全に、早く、事態を収める方法がある。アレックスを傷つけることだ。柄頭で殴り飛ばせばいい、とにかく意識を奪いさえすれば、収まってくれるはずだ。それでだめならその時は、首を斬る。どうする? やれるか? と自問自答の時間は僅か数秒だった。圧の向こうでメアリーが小さな体をどうにか動かして、マイカに覆い被さったのを見てロドリックは魔法障壁を飛び出した。
「ロドリック!」
魔法障壁を飛び出した瞬間、上から押し潰そうとしてくる圧も、アレックス側から横に飛ばそうとして来る圧も、まるで荒れ狂う川のように、嵐の夜の風のように行く手を阻み、体が捩じれそうになる。意味があるかはわからないが剣を振り、圧を払うように一歩、また一歩進む。アレックスへは圧が強すぎて近寄れず、ロドリックは真っ直ぐにマイカとメアリーを目指した。辿り着けばマイカは頭から血を流していて壁にぶつかったのだとわかった。メアリーは咄嗟にマイカに庇われたのだろう、打撲はあっても意識はあり、ロドリックを見ると大粒の涙を零した。ロドリック、と震えた声に頷くその背後で喉が潰れるような絶叫が響く。
「いやだ、この力失いたくない! 俺は、もう、弱くないんだ!」
アレックスの叫びに呼応して圧が増す。ロドリックは剣を支えにマイカとメアリーの上に覆い被さってその圧から守った。どすんっ、と体を大岩で潰されるような気がした。びきりと自分の体が鳴るのを聞いて、ロドリックは笑ってしまった。くふっ、とそれに合わせて微かに血の味がした。鼻から垂れるもの、脇腹から内側へ入り込んでくる、自身が持つ鋭利なもの。そう簡単に潰れるような鍛え方はしていないだろう、と自分へ叱咤を送る。
「ロドリック……! ち、血……」
「メアリー、お前、制御と調整が上手いんだろう……! 少しでいい、圧を、押し返せないか!」
「ひぅっ……、やる……!」
ぐす、ぐす、と泣きながらロドリックの腕を掴んで、メアリーは左手、左足、右足、右腕、頭、と呪文のように唱えながら魔力を巡らせ、それから、えいっ、と気の抜ける声を上げてふわっと魔力を放出した。僅かばかり楽にはなったが、それに呼応してアレックスの魔力がさらに増した。ビシビシッ、と建物にヒビが入り、不味い、とロドリックの背が限界を迎えそうになった時、タタタ、と足音が聞こえた。
「よく耐えた!」
待ち針、とよくわからない叫び声が続き、プツンと背中を押し潰していたものが消えた。ロドリックは膝が震え、剣に縋りつくようにしてずるずると床に転がった。メアリーを巻き込んでしまい、重い、と文句を言われたが、頭が、体中が痛くて堪らなかった。
「悪い、まさかこっちでこうなるとは。よくやった、よく頑張った、偉かった」
ふわ、と駆け寄ってきたのはツカサだった。ロドリックを抱き起し、マイカとメアリーの状態も確認すると、ツカサは唱えた。
「ヒール」
綺麗な光が弾けた。先程まで全身が痛くてもうだめだと思っていたのに、息がしやすくなった。肺に刺さっていた肋骨がずるりと抜けていく感覚は怖かったが、痛みがなくなったことに深い息が零れた。横に下ろされ、ツカサはマイカを抱き上げた。
「怪我は治したけど頭を打ってたな、ロドリック、メアリー、動けるな?」
「は、い」
「よし、悪いけど自力で医務室まで行ってくれ。ディエゴ! よくやった! このままここで待機、今起きたことをこの後駆けつけてくる教員に説明を頼む。コレットはメアリーに手を貸してやって!」
「わ、わかりましたわ! さぁ、メアリー、まいりますわよ」
俺はマイカを先に医務室に連れて行く、とツカサはまた走って鍛錬場を出ていった。ロドリックは駆け寄ってくるディエゴをぼんやり眺め、それから床に転がっているアレックスを見た。
「殺されたのか?」
「いや、生きてる。あの魔力圧の中、真っ直ぐに駆けていって、アレックスの魔力暴走を止めた」
「どういうことなんだ」
マジックアイテムだけではなく、本人がそもそもそういった力を持っているというのは、先程治療されたことからもわかる。本物の化け物だったのかもしれない。
「ロドリック、ロドリック……!」
コレットに支えられたメアリーはぐすぐすと泣きながら倒れ込むようにしてロドリックの背中に抱き着いた。後ろに手を回して撫でてやればわんわんと泣きだしたので、余程怖かったのだろう。
なぁ、ディエゴ、と声を掛けようとしたところに、ツカサを呼びに来た魔導士が駆け込んできて悲鳴を上げた。
「ぎゃあぁ! 鍛錬場が! 壊れてる! なんで!? アルブランドー先生!? やったの!? あの人ついにやらかしたの!?」
その後にさらに続いて駆け込んできたクラスメイトが何事かと駆け寄って来るのも面倒で、邪魔だ、どけ、と立ち上がったところでロドリックは気を失った。
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