4-84:思い出のお裾分け
いつもご覧いただきありがとうございます。
ラングの帰りを待たずに鑑定を始めた。ある程度家の中が片付いたので、階段下の書斎にも家具を置くために家具屋を呼び、依頼し、その完成を待つ傍ら、という感じだ。
夫婦の寝室にアイテムや素材を広げるわけにもいかず、アルの見学もあったのでリビングの広さを利用させてもらった。
まずは先日の【赤壁のダンジョン】シリーズ。貨幣についてはダンジョンに行かないアーシェティアも人数に入れ、四等分で割っている。魔石については家で利用するため、風呂や家事の際に利用できるよう、家の中にある魔石ラックに入れた。これで家じゅうの電気がついたり、湯が出たりするわけだ。ラングはクズ魔石があれば欲しいと言っていたので、何かに使うのだろう。
さて、それ以外の鑑定に入ろう。【鑑定眼】を使い、手帳を片手に結果を記載していく。
――赤の剣。赤色の長剣、炎属性。燃えろの言葉で炎を纏う。
――赤石の鍋。保温性に優れた鍋。よく煮える。
――蛇の剣。振れば蛇のようにしなる。
――メネールスの毛皮。金獅子の毛皮。ふわふわしている。
――黄金の布。金糸で編まれた布。さらさらしている。
――血の短剣。血に飢えている。血抜きに最適。
ジャマダハルはラングの目に触れさせたくなくて、そっと空間収納に戻した。目録を書き出して片付ける。迷宮崩壊を止めるために入った【黄壁のダンジョン】でも、その後草原まで旅に出たり、武器や道具に困っていなかったこともあってそのままになっているものがそれなりにあった。ただ、あまり武器は出ていない。偶発的産物が多かったせいか、大麦、小麦、大豆、小豆、トウモロコシ、米などの食材が大半を占めていて、花の種がちらほらといったところだ。あとはボス部屋を埋め尽くしていた影トカゲの黒い皮など、売る素材が多い。
楽しみなのはラングの持っている【紫壁のダンジョン】の素材だ。軽く聞いた話だと、雷を纏うドラゴンと戦ったらしいので、その鱗などが見られるだろう。ツカサは一通り記載を終えるとぐぅっと腕を伸ばした。
「ちょっと休憩」
「お疲れ、何かよくわかんないの多いな。振れば蛇のようにしなるってなんだ?」
「ちょっと待って、家の中ではやめて! 外出て試そうよ」
おっと、とアルは鞘に戻して苦笑し、諸々を手に外に出た。洗濯物の方、南側をぐるっと回って裏庭へ向かえば、途中土いじりをするエレナとモニカの横を通った。そうだ、と【黄壁のダンジョン】でドロップした花の種を二人に預けた。特に変な説明文はないので大丈夫だろう。モニカは楽しみにしててね、と笑い、エレナと作業に戻った。そこにアーシェティアがいないことは不思議だったが、アルに急かされてそのままにした。
さて、蛇の剣だ。黒革のシックなデザイン、すらりと引き抜けば刀身は細身、ギザギザした形をし、先端へすぅっと細く薄くなっている形だった。あまりの薄さに折れてしまいそうな不安さえ覚えた。
「折れそうだな」
「振れば蛇のようにしなる、ってどういう感じだろう」
「振ってみろよ」
うん、じゃあ、と一応アルには下がってもらい、右手に持って横に振った。ピシンッ、と地面を叩いた何かに驚き、思わず後ずさった。するる、カシンッ、という音と同時、手元に振動があり、次は少し軽く振った。金属がサララ、と伸びる音がして剣が鞭のようにしなり、地面を叩いた。アルがへぇ、と面白そうに笑った。
「蛇腹、なるほど、蛇の剣なぁ」
また手元に、するる、カシンッ、と戻るそれにツカサは少しワクワクした。こういう種類の武器は初めてだ。鞭も使ったことはないが、新しい武器は冒険心もくすぐられる。腕を振って地面をピシパシ叩いていれば、いつの間にかアルからの歓声が止んで静かになっていた。一人ではしゃぎ過ぎたかと振り返ればラングが居てドキリと体が跳ねてしまった。心臓に悪い男だ。
「お、おかえり。声掛けてよっ」
「ただいま。随分楽しそうだったのでな」
「子供みたいだなって話してた」
「なんだよ、初めてなんだから少しくらい、いいでしょ」
あはは、とアルが笑う横からラングが歩み寄ってきて、手を差し出された。寄越せ、ということか。鞘に収めてからその手に渡せば、ラングは距離を取ってから剣を抜いた。
すぅ、と構えはやや右下から。左へ振り抜き、剣先が一瞬直線になる瞬間を見計らって右に引き戻される。次は剣先が少し右に振れた瞬間、腕をやや下、左へ滑らせる。そうすると剣は地面すれすれを流れていき、ラングはそのまま一回転、上から剣を叩きつけた。シャアァ、と蛇腹になった剣が地面を連続で叩き、それから手元に戻る。カチン、鞘に収められ、ラングがそれを眺めてからツカサを見た。
「剣先の位置を見極めて、感覚を掴むことだ。扱えれば死角を突ける武器になる」
「…頑張る」
取りに来い、とシールドが揺れ、ツカサは差し出されたものを受け取って空間収納に入れた。
「待たせた、【黄壁のダンジョン】と【赤壁のダンジョン】分は終わったらしいな。【紫壁のダンジョン】分の鑑定を頼みたいのだが、ここでいいか?」
「うん、ここでやっちゃおう。楽しみだな」
「まぁ、走ってたし、報酬は討伐者が権利で【快晴の蒼】が持ってった分も多いからなぁ、そんなにないんじゃないか? そう珍しいものでもなさそうなのは売っちゃったしな」
三人で地面に座り込み軽く円を描く。ラングが出すものを一つずつ鑑定、こちらも目録に書き出した。魔石は同様に家の燃料に回すとして、その他なかなか豪華な品揃えだった。
――黒獅子の毛皮。黒獅子の黒い毛皮。炎や氷に耐性がある。
――黒獅子の角。炎を内に留めておける。
――アルゴ・ミノタウロスの角。ミノタウロスの角、硬い。
――アルゴ・ミノタウロスの舌。ミノタウロスの舌、美味い。
――バンシーの切れ端。バンシーの衣服の切れ端。涼しく、少し冷たい。
――レイシャーの涙。レイシャーの断末魔が残る涙。砕くと一定範囲が凍る。
――アルゴ・ダイルの皮。加工するまえの皮。鱗の切れ味がよいので注意。
――アルゴ・ダイルの肉。淡白な肉。美味い。
――サンダードラゴンの爪。いかずちの属性を持った爪。
――サンダードラゴンの鱗。いかずちの属性を持った鱗。
――サンダードラゴンの牙。大きく鋭い牙。
――サンダードラゴンの雷石。帯電している、竜の息吹き宿る石。少しびりびりする。
――いかずちの弓矢。弦を引けば矢が射れる。
おぉ、とツカサとアルは羅列した品物を覗き込んだ。加工すればそれは見事な黒いマントになりそうな黒獅子の毛皮は触り心地もいい。炎を内に留めておけるの角も便利だ。幽霊型も出ていたらしく、なんだか聞いたことのあるような名前の素材もある。幽霊というだけあってひんやりしているのもそれっぽい。鰐もいたのか、故郷のテレビで見ていたような鰐皮だ。なんだか良い財布や鞄になりそうな気がした。テレビで肉は美味いと見たこともある。そして。ツカサはごくりと喉を鳴らした。
サンダードラゴン。ドラゴンがここにも居たのだ。ただ、ラングとアルが調べたところによると、雷を纏うドラゴンは初めて出たらしく、今までの迷宮崩壊でも目撃例はないらしい。炎、氷、雷、【沼地のダンジョン】ではどの種類かわからないが、ここまで来たら他の属性もいるのではないだろうか。
ツカサはふとシェイの話を思い出した。かつてこの世界には竜がいた。確か、大地の実りを創りだしていたとか言っていた。思うのだ。もし、ダンジョンが多くの命を抱え込み、そして世界の防衛機能として、循環のために創られたのなら。最後にはどうなるのだろう。もし、世界を本来あるべき姿に戻すための一助であるならば、ダンジョンで出るドラゴンはまさか。
「やっぱ鱗と爪は加工依頼するか」
アルの声にハッと呼び戻され、ツカサは今考えたことがざぁっと後ろに流れていくのを感じた。吹き抜けた風に運ばれて行ってしまったかのようなそれは、追うだけでかなりの労力が掛かりそうだった。
「そうだな、こういったものの加工技術はイーグリスがもっとも高いだろう。等分にして好きに使えばいいのではないか? 私は、一つは記念に持っておきたい。綺麗だ」
ラングが頷き、十八枚の鱗の内、一つを手に取った。んじゃ俺もそうしよ、とアルも一枚、ツカサも一枚手にして、紫の中、チカッ、チカッ、といかずちが煌めくのを眺めた。うん、確かに綺麗だ。アルがひょいと雷石を手にした。
「これと、弓はどうする?」
「弓はラングでいいと思う。上手いから」
「マジ? 見たことないな。つか、これ矢が射れるって矢は」
弦に戯れに指を掛け引いたアルの手元に、しゅるりと光が集まって一本の矢が現れた。光輝く矢は、ゲームで見たことのあるような輝きを放っていた。などと感動している場合ではない。
「ちょっと! アルのばか! なんで引くんだよ!」
「ばかっていうな! なんでってそりゃ気になるから! ラング! これどうすりゃいい!?」
「知らん。空にでも放て」
「無責任な…!」
わぁわぁとうるさい二人に溜息をつき、ラングはアルは立たせると背後から腕を取った。
「脇を広げるな、引き絞れ。それから上を向け、その角度で、そのまま指を離せ」
パッ、と一筋の光が空へひゅぅん、と音を立てて飛んでいった。その先でパァッと弾け、ジジジ、という電磁音を最後にそれが消えた。アルは思わずへたり込み、ツカサは両膝に手を突いて息を吐いた。
「雷の矢、光の矢、いろいろと呼び方はあるけど、そういう感じだね。アルの魔力は減ってないから、引けば使えるんじゃないかな」
「弓矢ってこえぇ…」
「私が引き取った方がよさそうだ」
アルの手からそれを奪い、空間収納へ。そういえば、空間収納に入れたものは使用者が死んだ際、どこに行くのだろう。ブルックはリーダーが死んでファイアドラゴンの鱗を提示できなかった。その話を思い出したかのようにしてみれば、急にアルの視線が泳ぎ始めた。
「どうしたの? 何、その反応」
「いや、前にもちょっと気になったんだけど、ブルック、って、ジェキアの売り本屋の、だっけ?」
「そうだよ。話したっけ、【自由の旅行者】をもらうために、ファイアドラゴンの鱗が欲しいって言われて、ダンジョンに行ったんだ。そのあと、一緒に新年祭したり、違う旅記をくれたり、結構いいおじいさんで。元気にしてるかなぁ」
「死んだ」
ラングの端的な声に笑顔が凍る。嘘を吐かないからこそ、その言葉が重く、真実を伴い耳に届いた。いい歳ではあった。ヒートショックで倒れていたことも知っている。ショックではあったが、そうか、と受け止められる何かはあった。けれど、同じタイミングでジェキアを出て、その後戻っていないラングがなぜそれを知れたのかが気になった。
「どうして」
「サイダルのタンジャが名を変え、ジェキアに潜伏していたらしい。ファイアドラゴンの鱗を奪うのに殺した、と冒険者ギルドは判じた。タンジャの手にあった鱗の出土が、ジェキアと同じであることは確認されている。あいつは私たちと同じ時に、アズファルの王都ヴォレードに逃れていた」
そんな、と声にならない声が唇から零れた。感情のないラングの声は最後までそのまま紡がれた。
「タンジャは私が処刑した」
いっそツカサには慰めに聞こえた。無辜の民を傷つける冒険者を罰する処刑人、ラングはその役割をここでも果たしてきたのだ。タンジャに思うこともあれば、ブルックに鱗を渡したことの責任も感じる。何がどう転んで殺し、殺されになったのかわからない。ただ、そうであった事実だけを、ツカサは瞑目し、受け止めた。
「…ブルックの冥福を祈るよ」
「そうしてやれ」
肩に手を置かれ、ツカサもそれを握り返した。なんでもっと早く言わなかった、とは言わない。知らなければ気を病まずに済むだろうとラングが配慮してくれたことも、今なら十分に理解できる。今夜はあの居丈高で、腹を割ってみれば気風の良い元冒険者の老人を偲び、赤ワインを飲みたいと思った。
こほん、とアルが咳払いをして視線を呼んだ。
「他の素材、なんか加工するか? この石とか」
「あぁ、うん、そうだね。まだ武器も全部分けられてないし、続きやろうか」
「そうしよう」
再び男三人で座り込み、鑑定の済んでいるものをガシャガシャと地面に並べた。一先ず、ざっと分けた。クズ魔石はラングへ、大魔石はアルブランドー邸へ。
【赤壁のダンジョン】分は、
ラングが
――赤の剣。赤色の長剣、炎属性。燃えろの言葉で炎を纏う。
――血の短剣。血に飢えている。血抜きに最適。
ツカサが
――赤石の鍋。保温性に優れた鍋。よく煮える。
――蛇のナイフ。振れば蛇のようにしなる。
アルが
――メネールスの毛皮。金獅子の毛皮。ふわふわしている。
――黄金の布。金糸で編まれた布。さらさらしている。
それぞれを得た。
【紫壁のダンジョン】分は、
ラングが
――黒獅子の角。炎を内に留めておける。
――いかずちの弓矢。弦を引けば矢が射れる。
――アルゴ・ミノタウロスの舌。ミノタウロスの舌、美味い。
――アルゴ・ダイルの肉。淡白な肉。美味い。
ツカサが
――アルゴ・ダイルの皮。加工するまえの皮。鱗の切れ味がよいので注意。
――アルゴ・ミノタウロスの角。ミノタウロスの角、硬い。
アルが
――黒獅子の毛皮。黒獅子の黒い毛皮。炎や氷に耐性がある。
――バンシーの切れ端。バンシーの衣服の切れ端。涼しく、少し冷たい。
――レイシャーの涙。レイシャーの断末魔が残る涙。砕くと一定範囲が凍る。
他の鱗は等分、牙は一本ずつ、雷石は考えがある、とアルが預かった。追加でラングとアルが二人で攻略したヴェレヌのダンジョン分も鑑定し、ベアドラドの水晶の爪など、宝飾品として使えそうなものもあったが、これは二人が攻略した分なのでツカサは鑑定のみに留めた。いいじゃん、分配混ざれよ、とも言われたが、フェネオリアの道中は全てツカサの取り分になっていたので首を振った。参加していないダンジョン攻略の報酬は、【紫壁のダンジョン】だけで十分だった。これも最初は必要ないと断ったのだ。正直、【異邦の旅人】と【快晴の蒼】のどちらが倒したかわからない素材も混ざっているので、共犯者になれ、と言われ、それならわかった、と苦笑交じりに受け取ったのだ。
貰えるものは貰っておけよ、と思っていた昔の自分なら、絶対に言わなかっただろうなと思い、一人で笑ってしまった。変わったのだ。成長という意味合いで前向きに捉えたい。
「雷石をどうするつもりだ?」
「いやぁ、まだできるかわかんねぇし秘密。ラングちょっと付き合えよ。明日暇?」
「あぁ、鍛錬の後ならば」
「んじゃ行こうぜ。ツカサは明日モニカの結婚式の服、見に行くんだろ?」
声を掛けられ、思考を浮かび上がらせて、うん、と頷き、同行できないことが惜しいと伝える。あっという間に季節は夏を過ぎて秋を見送り、雪花の月に差し掛かってしまう。予定では雪花の月の最終週に結婚式なので、そろそろ本腰を入れて準備を進めなくてはならない。モニカのドレス、顔を出してくれる人々に振舞う食事、酒の手配、近所への挨拶回りと夫婦揃って対応することがついに増えてきたのだ。近所へは一度女性陣が挨拶をしているが、家の主であるツカサを伴い、この人がそうです、という顔合わせをする必要があるのだ。ただの冒険者ではなく、イーグリスの学園で教鞭を執るので、そうした地元就職のための布石でもあるらしい。女性はしっかりしているなぁ、と間の抜けたことを思い出し、頬を掻いた。
不意にアルが胸を叩いた。
「結婚式当日の警護は俺たちに任せてくれていいぞ」
「警護?」
「結婚式、スカイ式でやるんだろ? 来てくれたら歓迎、って感じの緩いやつだからさ、たまーに悪い奴も紛れ込むんだよ。勝手に家に入って物色したりさ。そういうの、冒険者が依頼を請けて警護に当たったりするんだ」
確かに、来るもの拒まずはそういう面もあるだろう。それをラングとアルが担ってくれるのならばこれほどに心強いものはない。そもそも、招待客のほとんどが歴戦の勇士であったり、軍人であったり、権力者であったりするので、そういった悪いことをする奴の命が逆に心配になった。
「血を流すのだけはやめてね…」
懇願めいた声で言えば、アルに大笑いされた。
「場合による」
そしてラングの一言で場の空気が凍った。場合によっては本当にやるだろうと本気を窺えて、ツカサはラングのマントを、アルはラングの肩をそっと掴み、異口同音に言葉を発した。
「やめて」
「やめとけ」
シールドは素直に頷くことはなく、不本意そうに傾いた。
「結婚式で流血沙汰とかさすがに嫌だよ!?」
「とりあえず縛り上げて警吏に渡すとか、軍人来るだろうしそっちにぶん投げるとか方法あるだろ!?」
「その場で罪を償わせる方が早い」
「現行犯逮捕のなんかあれだよねそれ? 頼むから俺の、モニカの心の平穏のために折れて!」
「そうだぞ! ここはツカサとモニカの気持ちが大事だ!」
「何がです?」
ぎゃんぎゃんと騒ぎ立てる声が気になったのか、スコップを手にモニカが裏庭を覗いてきた。エレナもその後ろから覗き込み、アーシェティアがさらにその向こうにいた。いつの間にか帰宅していたらしい。三人、本当に仲良しだな、と関係のないことを考えてから当日の警護について話した。エレナはあら、そうね、と手を叩き、アーシェティアはなるほど、と腕を組んだ。
「私も当日は杖を持っておこうと思っていたからちょうどいいわ」
「そういうことなら、私も戦斧を背負っておこう」
血の割合が増えた気がする。ツカサは助けを求めるようにモニカへ視線をやった。目を瞑り腕を組んだモニカは、ゆっくりと目を開いた。
「ラングさん、いえ、お義兄さん」
一瞬、何を言われたかわからなかったのだろう。ラングは小さく首を傾げ、ツカサが義兄と呼ばれたのだと通訳すれば、ほぅ、と呟いてからモニカにシールドを向けた。
「やっちゃってください」
モニカ、と抜け殻のような声が二つ、空に向かって呟かれた。
是非、皆様もツカサの結婚式にはご参列ください。
面白い、続きが読みたい、頑張れ、と思っていただけたら★★★★★やリアクションをいただけると励みになります。




