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【書籍化】処刑人≪パニッシャー≫と行く異世界冒険譚  作者: きりしま
終章 異邦の旅人

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4-83:理の先駆者

いつもご覧いただきありがとうございます。


 死神の手を取れるか、とはまた抽象的な報酬だ。ヴァーレクスは詐欺師を見るような疑いの目でパニッシャーの手を眺めた。


「パニッシャー、私のことを言えないのではないか? 漠然とし過ぎていて困りますねぇ」


 嫌味も込めて言えばパニッシャーから舌打ちが返され、その手が引かれた。それで、と続きを求めるように眉を顰めたが相手からはそれ以上の言葉が出てこなかった。数分間の沈黙、ヴァーレクスは小さく息を吐いた。


「詳しい内容は話せないということですかねぇ?」

「そうだ」


 恐らく、防音関連のマジックアイテムを使いながらも詳細について沈黙を通すのだから、余程聞かれては不味いことなのだ。話したくないのであれば知る必要はない。ヴァーレクスは椅子にぎしりと寄り掛かった。パニッシャーは防音の何かをはずすとゆるりと独特の動きで立ち上がって出口に向かい、一度だけ振り返った。


「答えはいつでもいい」


 天幕を音もなく出ていった男の一言に、ヴァーレクスはじっと腕を組み続けた。



 ラングは軽く空を仰いだ。人払いはされているが目視される位置、下手に隠密行動で帰路につくよりも堂々と歩いた方がいいだろう。そう思い、帰ることを伝えようと唇をひらこうとしたところに、ウィゴールがふわりと姿を現した。精霊がこうも簡単に姿を現していいのかとも思ったが、【空の騎士軍】は特に慣れてしまっているのかどこからも驚く気配を感じなかった。


「帰ると伝えてもらおうと思ったのだが、用があるのか」

「そ、若……、じゃなくて、ヴァンが呼んでる。もちろん強制じゃない。でも、紅茶をどうだ? ってさ」

「いいだろう。案内を頼む」


 にかっとウィゴールは笑い、ふわりと風を伴ってラングを案内した。冷たい風が吹いた。もう、そんな時期なのか、と数えの違う暦を思いながらラングはそれを連れた精霊の後を追う。ふと気づいたようにウィゴールが振り返り、後ろ向きのままふわふわと進んでいく。


「ラングはさ、冷たい風は好きか?」

「嫌いではない」

「そっか。ヴァンは苦手なんだ。ぬくぬくしたところが好きで、冬になると風に頼み事をするんだ。あんまり自分の周りは寒くしないでって」

「その願いは叶えてやるのか?」

「うん、俺たち、昔は本当わかってなくて、苦しめちったから。そんな小さな我が儘、どうってことない」


 すぅ、とん、とウィゴールが地面に足を着け、ラングと並んで歩く。話がしたいウィゴールのそわそわした様子に歩幅を合わせてやれば、ありがと、と嬉しそうに笑った。


「そう、人ってそういうところがいいよな。相手に合わせて速さを変えられる、考えられる。俺たちにはそういうのわかんなくてさ」


 昔、理の加護を持つ子供が生まれたことが嬉しくて、頼まれてもいないのに精霊たちは善悪も知らぬ子供を勝手に守り、愛した。ラングは、ヴァンの手前見てしまったことは言わなかったが、あの広い丘の上、一人隠れて涙を堪えていた少年を思い出した。


「ヴァンが、シェイと親友になった頃から、俺たちはもっとやばかった。あいつも話してたけど、魔力ってその、穢れだからさ。それを上手く取り込んで、循環させて、やがて理に還すのが魔導士って存在だからさ。それにしたってシェイは特異な存在だけど。あいつはさ……」

「すまんが、話の脱線は好きではない」

「あぁ、そっか、うん、時間も限られてるしな。ええと、悪い、俺取り留めもなく話しちゃうんだよなぁ、風だから」


 風がふわふわと自由気ままに吹くように、ウィゴールの話題もふわふわと飛び交うのだ。時折、谷の間を一方通行で吹くように話題が真っ直ぐな時もあるが、これが基本ということだろう。ラングは要点をまとめてやった方がいいかとシールドを傾けた。


「ヴァンの話か、理使い(ナーラー)か、それとも精霊についてか?」

「あぁ、うん、全部。一個ずつ。ヴァンのことから」


 ラングは立ち止まり、ウィゴールに向き直った。立ちながらもゆらゆら揺れて、少しだけ話しにくそうにしつつ、ウィゴールはぽつぽつと話した。風の動きが円を描くように変わった。防音の宝珠を使わずとも、音は漏れなくなっただろう。

 ウィゴールは叱られる前の子供のように話した。先程も言ったが、人との関わり方がわからない自分たち精霊のせいで、幼いヴァンから友人と遊ぶ楽しさを奪ってしまったこと。ヴァンが成長するにしたがって、どうしたいのかを言ってくれたからこそ、教えてくれたからこそ、今に至れているのだということ。その親友が魔導士で、精霊たちはそれが許せなかった。追い払おうとする精霊から、シェイのそばに居た魔導士が弟子を守るためにその前に立ちはだかり、そうして守られたシェイが同じようにしてヴァンを守ろうとし、それに泣きながら感謝するヴァンを見て、在り方を間違えていたのは自分たちだったと気づいたこと。


「理解するまでに随分時間が掛かったよ。こんな力欲しくなかった、って、ヴァンはずっと言ってた。それだって精霊は真面目に受け止めてなかった」

「何があって受け止めたんだ」

「ヴァンが死のうとしたのさ」


 もう、話も聞いてくれないなら、僕の親友を、恩人を傷つけるなら、僕はこうするしかない。


「覚悟、決めてたんだろうな。ざくっと迷いなく首を切った。その場にいたシェイの師匠が即座に治してくれたけど、俺たちは震えたさ。自分たちの愛が間違っているなんて思ってもいなかったから」


 理の申し子を自死させてしまうことは、理の神の意に反する。ウィゴールたちはまず精霊たちになんでもかんでも手を出すことをやめるように通達、声を掛けられた時だけ傍に居て、頼まれたことにだけ手を貸すようにというのを徹底した。するとどうだろうか、ヴァンは一切精霊に声を掛けなくなった。人の友人と一緒に本を読んだり、ボードゲームをしたり、野を駆けて遊んだり、父母、領地の民との交流を明るい笑顔で楽しみだしたのだ。

 精霊は傷ついた。良かれと思ってやっていたことが、あの子からあれほどの笑顔を奪っていたのだと気づき、枝が重い雨に降られて頭を垂れるように、草臥(くたび)れる思いだった。精霊の嘆きは天候に影響も及ぼす。世界全体の活力が減り、不作などが続いた。それが人の命に直結することもあって時の死神が口を出したらしい。


「セルクスに言われたんだ。一度、ヒトという生き物をよく見てみることだ。理の申し子に目が曇っているが、あの子がいなくとも、君たちはヒトと上手に付き合えていただろう、って」


 振り返ってみればそうだ。ちょっとした祭りで感謝を、それが嬉しくてヒトに気づかれないのはわかっていても、風を吹かせて花粉や種を運び、水をもって潤いを与え、大地にて実りを、火にて温もりを与えてきた。そこに特別な子が居ても、居なくとも、精霊とヒトは上手に付き合ってきた。精霊はヒトを愛してきた。精霊とはまったく違う存在。違う在り方。ヒトにはヒトの友が必要で、当然のことだった。


「それで俺たちが在り方を変えて、ヴァンが歩み寄ってくれて、今がある。友達って呼んでくれた時は嬉しかったぁ。と、まぁ、そんなことがあったもんだから、この世界(リガーヴァル)の精霊は、ヒトとの付き合い方を学んでる」


 それで、とウィゴールは手をもじもじとさせ、人のような仕草で言い淀んだ。ラングはこてりと首を傾げ続きを促し、ウィゴールは、もう一度、それで、と声を置いてから言った。


「何が言いたいかっていうと、俺たちのこと、嫌いにならないでくれよ、ってこと」


 冗談で言っているわけでもなく、ウィゴールはただ真摯にそう訴えてきた。別世界のヒトとはいえ、ラングが持つものはこの世界の加護だ。ヴァン同様、精霊にとってのラングはヒトの中でも特別なのだろう。

 今のところ嫌いになる要素は感じていないが、ヴァンの出来事は余程精霊にとって衝撃的なことだったのだ。今のあの男しか知らないが、アルに対し、いざという時は僕が死ぬ、と言ってのけた人物だ。何ら不思議なことはない。ラングはそうっと肩を縮こまらせて顔を覗き込んでくる風の精霊に答えてやった。


「事と次第による」


 ウィゴールはきょとんとした後、広く響き渡る声で笑った。


「あはは! うん、それでいい、俺たちも気をつけるさ! まったく、これだからヒトってのは面白い! 満足だ!」


 明るい声は風に乗って、他の精霊たちにも報せることになるだろう。ラングは耳が痛く感じ、押さえた。あ、とウィゴールは笑うのをやめ、苦笑を浮かべた。


「俺たち、決まりごとのなかの存在だから、見送りにいけないんだ。話せてよかった。あとでアクアエリスも話したがると思う」

「そうだな。声を掛けてみよう」

「そうしてやって。ラングに精霊の祝福あれ」


 ふわ、と風が吹いてウィゴールは消えた。さぁおいき、と背中を押すような風に促されるまま、ラングは天幕の一つに足を向けた。

 人払いの済んでいる天幕の前に立ち、その入り口を叩く。どうぞ、と声がしたのでばさりと腕で避けて入れば、これまた整った部屋になっていた。基本的にはヴァーレクスの天幕と同じだが、設えられている物の質が違う。それに、間仕切り用の衝立がしっかりとあり、天幕の入り口から寝室だろう場所は見えなくなっていた。衣装掛けには軍師の正装も掛けられており、驚くことに本棚まで設置されていた。ヴァンはそこで本を手にラングを見て微笑んでいた。


「寒いから早く入って。多少ぬるいだろうけど、クルドに紅茶を淹れておいてもらったから、どうかな」

「いただこう」


 軍議にも利用されるのだろう大きめの机、そこに置かれた椅子の一つに腰掛けて紅茶を待った。いくつかの本を手に同じ机に合流し、ヴァンはティーカップに紅茶を注ぐと、どうぞ、と差し出してくれた。ティーカップはこれもまた良い物だった。礼を言いながら一口、確かにぬるいが冷えた体を温めるには十分だった。それに、この天幕の中は暖かい。わかりやすくシールドを天井に向ければそこには見たことのあるトーチのようなものが浮いていた。ヴァンが視線を追い、ふふっと笑った。


「シェイだよ。この天幕だけじゃない、他のみんなの天幕にもある。寒くなると置いてくれるんだよね」

「器用なものだ」

「本当にね。でも、これ、シェイ曰く魔力調整の修業にすごくいいんだって。君に分かりやすく言うと、剣の型をやったり、腕立て伏せとか、走ったりとか、そういう感じ」

「なるほど」


 だから、部下たちも各々天幕の中に置いたりして快適に過ごしてるみたい、とヴァンが紅茶を飲む。紅茶を味わう沈黙。ふぅー、と鼻から息を抜いて香りを楽しむ。喉の奥が爽やかな香りで満たされ、良い茶葉なのだろうと思った。


「呼びつけて悪かったね」

「構わん、だが、何の用だ?」

理使い(ナーラー)の件、教えておかないといけないことがあってさ」


 ラングはティーカップを置いてヴァンに向き直った。紅茶を飲みながら聞いてもらっても構わないのだが、こうした教えを乞う側の真摯な態度に悪い気はしない。真摯に返さねばならないと思い、ヴァンもそれを置いて椅子を動かしてラングの方を向いた。


「ラング、【自由の旅行者】は君も読んでくれたかな?」

「あぁ、まだ少し文字に不自由を感じる頃に読んだのでな、多少読み切れてはいなかったが」

「大丈夫、細かいところはいいんだ。僕が世界渡りをしているという点だけわかっていてくれれば。そこはどう?」

「問題ない、理解している」


 ヴァンが頷いてから自分の胸に手を当てた。


「これは僕の経験であり、恐らく、君に渡せる一番の情報だ。僕が生まれながらに理使い(ナーラー)であることは、既に何度か話していると思うけれど、魔力や魔法同様、その力は万能ではない」


 そうだろう。これは精霊があってこその力だ。ラングはシールドを揺らして頷き、続きを待った。


「特に、この世界(リガーヴァル)に与えられた加護により理使い(ナーラー)となった僕らは、加護のない者たちよりもかなり不利にある」

「不利、か。言い方から察するに、加護があるからこそ受ける制限や条件があるのか」

「そのとおり。そしてこれは君にとってかなり厳しい条件になる」


 ヴァンは先程机まで持ってきていた本を開いた。厚さ一センチ程度のそれはヴァンの手で書かれた日記のようなものだった。気づいたこと、あった出来事、様々なことを書かれたメモの山。ヴァンはとんと指先を一か所に置いた。


「僕が世界渡りをした際、飛ばされた先の世界もまた全ての理の神(クリアヴァクス)の娘の世界だった。ただね、この世界(リガーヴァル)とすごく仲が悪くてさ。精霊も全然話を聞いてくれなかったんだ」


 それは、ヴァンの最大の能力を封じられていたということだ。ラングは腕を組み顎を撫でた。


「理の神同士の関係性が我々にも影響するということか」

「そういうこと。君の故郷がどの理の神の世界か知らないけど、もしこの世界(リガーヴァル)と仲が悪ければ、君は理使い(ナーラー)としての能力を失うも同然だ」

「私はヴァンと違い、無かったものだ。そう困る気はしないが」

「その答えは早計だよ、ラング。君は知ってしまっただろう? 水辺の分かる力、心地よい風に吹かれる空、大地は実りを与え、何より、火は君に料理の幅を広げさせた」


 む、とラングが唸った。ヴァンは苦笑を浮かべ再びメモの位置を叩いた。


「これ、僕が世界渡りした先で再び理の力を得るためにやったことを書いてあるんだ。この世界(リガーヴァル)と仲が良くてそのまま精霊の力を借りられればいいけど、ダメだった時に参考にしてもらえたらと思ってる」


 つ、と差し出された手記を受け取り、視線をヴァンに送る。


「どうしろと?」

「試練を受けるんだ。やります、と言ってやるものではない。君の故郷にもダンジョンはあるのかな、もしくは祠とか」

「ダンジョンはある。まさかその内のどれかがそうだと言うのか?」


 ヴァンはゆっくり、大きく頷いた。ただね、とヴァンは指を立てた。


「特徴はあるよ。風ならば、ダンジョンの中で風が強く吹いていたり、水ならば、水が滴っている。時に潜る必要がある場所も、あるにはある。大地なら深い洞窟のように土肌を見せていて、火ならば燃え盛る海がある。そういう属性の強い場所を選べば、精霊に会える確率が高い」


 つまり、呼ぶだけでは会話すらできない場合があるということだ。だが言わんとすることは分かる。


「信頼関係が必要なのだから、足を運べということだな」

「そう。戻ったらまず、精霊に声を掛けてみること。それに返事がなければ試練を探しにダンジョンへ行くこと。そうすれば君は改めてその世界の理使い(ナーラー)に成れる」

「私は故郷のダンジョンに深く潜ったことがないからな、いまいち想像がつかん。精霊がダンジョンのボスなのか?」

「行けば分かるよ。少なくとも導かれる感覚はあるはずだ。僕がそうだった。ダンジョンに入った瞬間に、ここだと分かる」


 ぐっと拳を握って力説するヴァンは、その後にゆるりと力を抜いた。これはヴァンの一例であって、世界が違えばどこに試練があるかわからない、と続いた声は申し訳なさも含まれていた。ラングは胸に手を当て、僅かにシールドを下げた。


「助かる、使えるものと思い、崖を飛び降りることにはならなそうだ」

「そう言ってくれるならよかった」


 ほ、と息を吐き、ヴァンは笑った。それから他愛もない話をした。風について、水について、土について、火について。こんなことを話題にできるのも理使い(ナーラー)だからなのだと思うと、ラングには不思議な感覚だった。

 本物の理使い(ナーラー)であるラングとヴァンが不利である、という点に関しては、この世界の大多数の理使い(ナーラー)が二人と違い、神の影響を受けていないからだという。ただ個人で精霊と相性がいいのと、後ろ盾に神がついているのとでは、派閥があり面倒ということだった。元々望んで得た加護ではないが、有用であったこれが、その先の人生に厄介な楔を残したな、とラングは胸中で呟いた。

 二杯の紅茶を空にして、ラングは立ち上がった。


「有益な情報に感謝する。紅茶も御馳走様、クルドにも礼を伝えておいてくれ」

「こちらこそ、楽しかった」


 ヴァンもゆっくりと立ち上がって天幕の外まで見送りに出た。びゅうっと吹いた冷たい風はラングの頬を撫で、ヴァンを避けて通った。明るい場所から出たばかり、夜空に目が慣れるまで星は遠い。いや、もう夜明けが近いのか。東の空は薄っすらと細く明るい青が滲んでいた。それを眺めているラングにヴァンが声を掛けた。


「ラング、同じ理使い(ナーラー)として、僕は君の先駆者であり、師である」

「あぁ、そうだ」

「なればこそ、師として、僕も君に言葉を贈ろう」


 お互いに向き合い、ヴァンは柔らかく微笑んだ。


「雨が降った後に残るのは、水溜まりや泥だけではない。顔を上げよ、快晴の空を仰げ。過去は後悔ではなく、教訓とせよ」

「ありがとう、ヴァン。正しく、胸に刻もう」


 ラングの方が倍は年上だというのに、教えを素直に受け止められるその強さと柔らかさが心地よい。ヴァンはとん、とラングの肩に手を置き、二回叩いた。


「歩いて帰りなさい。この時間を今は、君の中で物事を受け止め、消化する時間としなさい」

「心得た」

「じゃあね、ラング。また今度お邪魔するよ。決闘の後にでも」


 ふっ、とラングは息を吐き、ヴァンと握手をしてから背を向けた。見えなくなるまで見送るつもりだろう律儀な師の視線を背に感じながら、ラングはただ前だけを見て歩み続けた。

 友であり師であるヴァンの存在は、この世界でラングにとって懐かしく新しい出会いだった。歩みながら顔を上げた。白む空はその色を広げていき、星は眠そうに小さく瞬き、眠りに落ちていく。代わりに闇を切り裂くように太陽の明かりが黄色や白を広げて朝が来る。ラングは呟いた。


「いい空だな、師匠」




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