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【旧版】リュヴェルトワールの幻術士【一時打ち切り】  作者: 夜空睦
第二章 幼馴染と脛の傷
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登場人物・設定集

★登場人物一覧


▼主人公


リュイ・アールマー

 国内でも五本の指に入る大商会、アールマー商会の御曹司。先祖返りで形質を現したハーフエルフであり、天才的な魔術の技術と知識を持つ。極めて稀な『第五元素』の使い手であるが、それ以外の属性は扱えない。

 人の精神や感覚を操る術を扱う。その他に魔導具の作成などについても抜きんでた知識を持つ。現時点では魔術では扱えない『治癒』の魔術を完成させるのが目標。16歳。年齢よりかなり下に見える。


▼ヒロイン候補らしき人たち


マイア・ネム

 リュヴェルトワールの雑貨店『ネムの店』の看板娘。男勝りで負けん気が強く、『跳ねっ返り』と揶揄されることが多い。赤毛とそばかすが印象的な女の子。なんだかんだで面倒見がいいが、大雑把なところがある。商売に関しては父親顔負けの『やり手』である。巨乳。16歳。


ペトラ・ラブラフカ

 聖竜教の見習い司祭。修行中に強く頭を打って、「なんか違う神」からの天啓を受けた。竜祈法に関する才能は本物で、身体能力も魔法の力も桁外れ。

 ただし思い込みがあまりにも強すぎるため、街の人々を度々困らせている。外からやってくる人に真っ先に伝えられる情報は、「シスター・ペトラに近づくな」。18歳。


アンゼリカ・ル・トワール

 盲目の呪いに悩まされていたトワール伯爵家の末娘。リュイたちの尽力もあって現在は快復し、青春を謳歌している。自分を助けてくれたリュイにベタ惚れで、何かと付き纏っているが、リュイには当たり障りない感じで躱されている。

 悪い子ではないのだが、思い込みが激しく直情的。13歳。


ムーンボウ

 エルフの少女。閉鎖的で傲慢な同族の在り方に愛想が尽きて村を飛び出し、リュヴェルトワールに住み着く。生真面目で責任感が強い、委員長的な性格。弓も得意だが、精霊を使った魔法も得意。ある程度資金が溜まったら、外の世界を旅してみたいと思っている。172歳。


サフィーリュ・フラン

 王都からリュイを連れ戻すためやって来た冒険者魔術師。研究テーマは古代魔術。リュイとは幼馴染の腐れ縁。王都の魔術師養成所ではリュイと同期。リュイが首席でサフィーリュが次席だったが、成績は大きく水をあけられており、リュイへの対抗心が強い。16歳。


カラス(クラウ・ヴィナテロワ)

 教会から派遣されてきた『影』。表向きの年齢は16歳だが、実年齢は不明。

 元々は孤児であり、『影』としての生き方しか知らない女性だが……。


▼リュヴェルトワールの愉快な仲間たち


レッキ・レック

 リュイの友人。トワール伯爵領南部の寒村で暮らしていたが、口減らしもかねてリュヴェルトワールで冒険者として働きにきた黒猫獣人。

 冒険者としての職能は野外探索や弓術を得意とする「レンジャー」。獣人差別により仕事がなく困っていたところ、リュイが周辺地域を探索する際の護衛役として専属契約を結ぶことに。

 読み書き算術を勉強しながらこつこつと仕事をしている。住処はリュイの家に泊まったり、ウィードの家に泊まったりしているらしい。マイアからは『地域猫』呼ばわりをされている。15歳。


エルクラッド・ル・トワール

 リュイの友人。トワール伯爵家嫡男。顔のいい女ったらしだが、悪名が知れ渡っているため持てない。いろんなことにちょこちょこ手を出しているが、どれも器用貧乏で終わっている。リュイに魔術の才能を見出され、日夜訓練に励んでいる。最近では「ダメな跡継ぎ」の悪名も払拭されつつある模様。17歳。


“隻腕の”ウィード

 かつてドラゴンに挑んだこともあるという凄腕の冒険者。ドラゴンとの戦いで片腕を失ったが、それでも大振りの剣を軽々と振り回す化け物。強面で寡黙だが案外面倒見がよく、実はかわいいもの好き。

 レッキ・レックからは師匠として付き纏われているが、本人はまんざらでもないらしい。エルクラッドから兄貴と慕われている点については、相手が貴族であることもあって複雑な心境のようだ。30歳。


パッフ

 リュイの使い魔。白いふわもこ。詳細はわからないのだが、ドラゴンの子供らしい。


ヘイジー

 2000年以上の時を生きる魔女。『智龍エル・リウラ』と契約し、第五属性の魔術を実質封印した。かつて人族を含めた多くの種族を第五属性の魔術によって隷属化していたエルフ文明を滅ぼしたパーティの一員。数えきれないほどのカラスの使い魔を持ち、国中に目を光らせている。リュイに対して何を思っているかは、よくわからない。年齢不詳。


シャルロタ・レンデ

 魔術師ギルドの事務員。自身も魔術師を目指していたが、才能がなかったため事務員として働いている。結婚や恋愛については、もう諦めている様子。29歳。


ジンク・ネム

 マイアの父。のんびりとしていて何を考えているのかよくわからない。何をするにもマイペースで片づけが出来ず、娘からよくどやされている。元冒険者でそれなりにモテたらしい。38歳。


リュセット・ムジ

 アンゼリカ専属のレディメイド。思い込みが激しくお転婆な主に振り回されているが、主に対する忠誠心は強い。17歳。


エルグランツ・ル・トワール

 トワール伯爵家当主。凡庸だとされることが多いが、領内をうまく統治している。48歳。


バラージュ・ロイド

 リュヴェルトワールで教会の雑事を取り仕切っている司祭。シスター・ペトラの尻を拭くのがもっぱらのお仕事で、気苦労が絶えない。リュイがリュヴェルトワールで活躍し始めたせいで、教会上層部からの様々な圧力に悩まされている。27歳。


カクール・イードゥ

 《青い鳥の止まり木》亭の店主。料理上手な元冒険者。父親は判事だが、あまり仲が良くないらしい。ジンクとは冒険者時代からの知り合い。シャルロタのことがちょっと気になる様子。33歳。


マーシェリー・ル・トワール

 トワール伯爵夫人。エルクラッドたちの母親。王都の上流貴族の令嬢であったが、田舎暮らしにも特に不満はない様子。珍妙な美術品を集める癖がある。38歳。


クローディア・ル・トワール

 トワール伯爵家長女。読書家で教養深いが、蔵書が少なからず弟妹に悪影響を与えている。王都に婚約者がいるらしい。20歳。


ジャン・クローム

 トワール家の執事。密かにクローディアに懸想している。執事頭のボトンドが腰痛でダウンしてばかりなので、実質彼が色々と取り仕切っている。21歳。


シルヴィア・プラーシカ

 昔サーカスでリュヴェルトワールを訪れたと言う男装の麗人。詳細は不明。



★用語・設定一覧


 グラン・ドラゴニア

 『ドラゴン』――七大神龍が支配する大いなる大地。一つの大きな大陸。世界は平面であり、海を越えた遥か先には、他の大地があるとも巨大な滝があるとも言う。それを確かめた者は誰一人いない。


 グラン・ミストア

 大いなる神秘。この世界のあらゆる物事を支配するとされる人智の及ばない力。万物の根源であり、万物の終着点。グラン・ドラゴニアにある信仰の多くが何らかの形でこのグラン・ミストアと関わりがある。


 ドラゴン

 グラン・ミストアが受肉し、この世に具現化した存在とされる。その力は強大で、生態は謎に包まれている。聖竜教においては人間に試練を授ける存在として理解されており、ドラゴンに挑み、討伐することは宗教的な意味を帯びた偉業と受け止められる。ドラゴンに返り討ちにされることもまた、栄誉なことと解釈される。

 またドラゴンの名は慣用句としても多く使用され、往々にして『とにかく大きくて立派なことを示す』ことが多い。大豪邸のことをドラゴンの住処と呼んだり、大きなステーキのことをドラゴン・ステーキと呼んだりである。


 聖竜教

 エルサス聖王国を始め、多くの国で信仰される宗教。グラン・ミストア、ひいてはその化身であるドラゴンを崇めている。ドラゴンへの対し方は宗派により、『ドラゴンの与える試練を乗り越えよう』と考える武闘派、『ドラゴンを知り、融和することでよりグラン・ミストアに近づこう』と考える調和派が主流となっている。『武闘派』は修道僧として各地を放浪し、『調和派』は街や村に聖堂を構え、それぞれ布教に勤める。人々にとってより身近なのは『調和派』である。


 聖竜教が考える世界の姿

 聖竜教では、世界は『世界龍』と呼ばれるとぐろを巻いた巨大な龍に支えられていると伝えている。太陽は世界龍の左目であり、月は世界龍の右目、星は世界龍の涙なのだという。


 『融合派』-聖龍教の異端者-

 武闘派、調和派以外にも、聖竜教には様々な宗派が存在する。中でも過激派として知られているのが『融合派』で、簡潔に言うと『ドラゴンに食べられて、グラン・ミストアと一つになろう』という考え方の持ち主である。彼らの中で過激なものは『ドラゴンに食べてもらうのが人々を救済する最良の法である』と考えており、その行動はしばしば実害を伴う。このため武闘派、調和派、両者にとって忌み嫌うべき存在である。


 『汝に龍の誉れあれ《グロール・ドラゴン》』

 聖竜教徒がよく使う決まり文句。アーメンみたいな感じで使われる。


 七大神龍

 天龍ラス・グロール、火龍ボル・ランガ、海龍マ・イローネ、地龍ディ・ロッカ、嵐龍ハリ・ザウルサ、智龍エル・リウラ、冥龍ナ・ギルギックの七体がいる。グラン・ドラゴニア最強のドラゴンたち。天龍がもっとも貴く、冥龍がもっとも恐ろしい存在とされる。火龍は火の力を、海龍は水の力を、地龍は土の力を、嵐龍は風の力を、智龍は知恵を司るとされている。七大神龍を目にして生きて帰った者はいないとされ、その実態は謎に包まれている。

 七大神龍はそれぞれ反目しており、世界の覇権を常に争っていると伝わる。このため世界の支配権は毎日入れ替わる。天→火→海→地→嵐→智→冥の順で巡る七曜の起源とされる。

 また七大神龍の名は教会の最高権力者・枢機卿の称号としても用いられる。枢機卿はそれぞれ七大神龍がいるとされる地の間近に居を構え、七大神龍を見守るのが務めとされる。

 聖竜教の教徒は、それぞれ産まれた曜日を支配する神龍の加護を受けるとされる。冥曜日産まれの子供は、攻撃的で他者と調和しないとされ、冥曜日に子供が生まれた場合、他の曜日に生まれたことにして誤魔化すことが多い。


 龍王

 七人の枢機卿によってえらばれる聖龍教の君主。大陸中央付近のバハムーアと言う高原に自治領を持ち、大陸各国の政治情勢に大きな影響を与える。龍王のことをカエサ・ドラク、龍王が暮らし、様々な執務を行う龍王庁をセンチュア・ドラクニアと呼ぶ。


 龍暦

 聖竜教の発行している暦。一年は三百六十五日で、太陽暦を採用している。


 龍祈法

 聖龍教の信徒が扱う魔法。人智を超えた存在、つまりドラゴンに祈りを捧げることで様々な奇跡を起こす。つまるところ、気合である。


 論理教

 世界の在り様を正しく捉え、あらゆることを論理的に分析・理解することでグラン・ミストアに近づこうと考える信仰。つまり理性を以てこの世の理不尽と折り合いをつけようとする考え方である。主人公リュイもあまり熱心ではないが論理教の信徒である。信徒数は聖竜教と比ぶべくもないが、識者に信徒が多く、決して無視できない勢力。聖竜教の融通の利かなさに辟易として論理教に改宗する者も多い。

 特に魔術師はほぼ全てが論理教の信徒である。近年の魔導技術の普及に伴って、論理教の勢力は無視できない者になっている。聖竜教とは主張が対立することも多いが、論理教には大きな組織力がないため、今のところ目立った紛争は生じていない。


 魔術

 論理教では目に見えない力、つまりグラン・ミストアのことを魔と呼ぶ。グラン・ミストアが持つ膨大なエネルギーを魔力と呼び、魔力はこの世に存在するあらゆる物質、特に生命体に宿っていると考える。魔術とは様々な自然現象における魔力の流れを解析し、術者の意志によって独自の数式を利用して再現、意図的に様々な事象を引き起こす技術を指す。

 魔術の基本は体内にある魔力を火風水土の四元素に分けて認識することである。あらゆる生命体は四元素がバランスよく混ざり合って作られているとされるのが、マギ・ロジの理解である。魔術師はこの四元素の内特定のものを把握し、意志の力によってその流れを一時的に変える。これを回路化と呼び、素質のないものはそもそも流れを認識できなかったり操作できなかったりする。できても肉体に多大な負担をもたらす場合がある。四元素全ての魔力を認識、操作できるものはあまり多くなく、大体の魔術師には苦手な分野が存在する。多くの術者は一つの元素にしか適正を持たず、自然科学の法則に従って元素を転換することで、他属性の術を発動する。

 詳しい原理は判明していないが、魔術師は魔術の素養を持つ相手に増えると、直感的にそのことがわかるとのこと。

 魔術師は魔術を行使する時呪文を唱えるが、多くの魔術において呪文の内容自体にはあまり意味がなく、体内の「回路」にスイッチを入れ、術式を円滑に組み立てるためのおまじないのようなもの。重要になるのは「名」と「契約」の概念である。

 また生命体には「魂・意志・知性」をもたらす第五の元素が宿っていると言われている。リュイはこの第五元素の流れしか操作できないが、第五元素はそもそも認識することができない者が大半である(1000人に1人いるかいないか)。このため、魔術師ギルドとしてはリュイを王都支部どころか本部において、研究をさせたかったというのが本音らしい。


 霊教

 『グラン・ミストアの力はあらゆる自然物に宿る』『力ある自然物は精霊として人格を持つ』と考える信仰。人族の国では廃れて久しい信仰だが、今でも辺境の地やエルフやドワーフなどの異種族の間で広く信じられている。霊教ではドラゴンを単に危険な存在と考えるため、聖竜教の信徒とはしばしば対立する。特にエルフと人間の間では森の開発などを巡って紛争が起こることもある。物語の舞台となるトワール伯爵領の大部分を占める森林部にはエルフの大規模な集落が存在し、しばしば発生する小競り合いは領主の悩みの種となっている。


 祖霊信仰

 自分の先祖を崇める、獣人族独自の信仰。ドラゴンを神聖視する点では聖竜教と同じだが、冥府の支配者である冥龍ナ・ギルキックをもっとも偉大な龍と考えるため、聖竜教から危険思想として認定され、積極的に排除されてきた歴史がある。

 またグラン・ミストアの力は先祖から脈々と自分たち受け継がれて来たと考えており、血統を何より重視する。『先祖からグラン・ミストアを受け継いでいる自分たちには元から優れた力が秘められているはず』と考えている。このため魔法の力に頼るのを善しとせず、自らの技術や肉体を鍛えることに執念を費やす。

 祖先の加護よあれ(ナ・ギル・トーテマ)は先祖を崇める獣人たちがよく使う文句である。


 魔物

 魔物と動物の違いは、一般に動植物は火風水土の四元素がバランスよく成り立っているが、魔物の場合肉体に含まれる元素が均等ではないという点にある。また繁殖行動を行わず、大気中に存在する魔力が凝固した『魔核』から産まれる。四元素のバランスが正常な場所では魔物は生まれない。魔物の典型例がスライムで、湿気が多く、風通しの悪い場所、つまり水の元素が過剰になっている場所で生まれる(諸説あり)。井戸なども不衛生であったりするとスライムが湧く。魔物の駆除は冒険者の仕事の一つであり、スライム退治はその初歩である。なお、一般の人は魔物と動物をあまり区別していない。

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