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旅の途中にて

　私の旅は、一つの節目を迎えようとしている。

　暗い動機から始まった旅路だけれど、幾つか温かい場所を知ることもできた。

　勿論、平穏な道のりではなかった。その証拠……とは言えないかもしれないが、私の知った温かな場所のうちの2箇所はゴミに埋もれてしまった。悲しいことだが、仕方ない。

　それに、眉を顰(ひそ)めてしまうようなモノも目にした。腐敗した果実、恩知らずの花、狂った鳥類……。それらは懲りずにまだ生きているようだが、もう関わりたくない。

　しかし、私の旅の真の目的は、九割達成されたと言って良いだろう。

　と言っても、直接手を下した訳ではない。それは常に、私の手の届かないところにあった。だから、目的が九割達成されたのを見届けた、と言う方が正確だろう。

　真の目的とは、この旅の暗い動機と直結する事柄であるが……。そうだな。詳細をこの場で語るのは控えよう。ただ、一つ言えることがあるとすれば、残りの一割は私自身の問題であるということだ。後は、自分との戦いだけだ。

　私は、まだ旅を続ける。そして、当初の目的に対し決着をつけて、新たな道を切り拓こう。