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大富豪と泥棒たちの大戦争  作者: はから
終章 大富豪と世界一の泥棒集団
25/29

筋肉の祭典 ~筋肉は嘘をつかない~


 「なぁ…」


 「なんだ」


 「ホントにくるのか?」


 「恐らくな」


 挑戦状の指定された満月の夜。


 財前邸の正面入り口を守るのは、ジャンとヘンリーだ。

 ジャンとヘンリーを筆頭に、ジャンの部隊が後ろに控える。

 全員もれなくタンクトップだ。

 

 侵入者がこの光景を目の当たりにすれば、思わず回れ右をして帰りたくなるほどの暑苦しさ。

 部下たちも、武器より自身の筋肉の確認に余念がない。


 ヘンリーも久しぶりの実家に戻り、開催された家族格闘技。

 決勝で母に惜敗し、再挑戦するも、今度は息子に負けた。

 あれ?俺弱い?とネガティブになっていたところに、将星から招集がかかった。

 自分の強さを再確認するためにも、二つ返事で参加を表明した。


 将星も警備に余念がない。

 先代四天王たちも招集している。

 警備部もそこら中に配置している。

 この警備を抜ける者などいないと信じていた。











 「「っ!!?」」


 屋敷の中から、何かが破壊される轟音が響いてきた・

 屋敷の外で正面入口を守っていた二人にも聞こえる程の轟音だ。

 すぐさま部下に指示するジャンだったが…。



 「へっへっへ。いかせるわけねぇだろうが」


 「お前はっ!」


 「知り合いか?」


 ジャンとヘンリーの前に現れた男は…。


 「ヘネット!捕まったはずじゃ」


 「へっへっへ。トリックだよ」


 以前美術館を強襲し、ジャンによって倒された北米で有名な泥棒ヘネット。

 その後ヘネットはアメリカに移送され、刑務所に入ったと聞いていたが…。


 「今回のクライアントがポンっと100万ドルで釈放してくれたぜ」


 「ゲスが」


 「宝にも興味があるが…。マトリックスぅ!俺はお前の命をいただきに来たぜ!!!」


 ヘネットの目は赤く充血し、ジャンへの憎しみが窺える。

 

 「もう一度地獄に送ってやるヘネット」


 「へっへっへ。何も対策しねぇわけねぇだろが」


 「くっ!!?」


 「ジャン!」


 乾いた音が響き渡る。

 

 「日本じゃこんな小せぇモノしか手に入らなかったがな」


 「ジャン!返事をしろ!」


 ジャン・マトリックス。

 ヘネットからの銃撃により、意識不明。










 「盾を構えて跳弾に注意しろ!」


 ジャンが戦線離脱したことで、急遽部隊の指揮をと執るヘンリー。

 ヘネットは絶えず、銃弾を放つ。

 だが、銃弾は誰も貫通することはない。

 

 「暇だなぁ」

 「盾を重くするように依頼しようぜ」

 「ヌルゲーだぜ」


 「なぜそんなに落ち着いていられるっ!!?」


 予想以上に落ち着いている警備部の面々。

 隊長であるジャンが銃撃されたにも関わらず。


 「ジャンが撃たれたんだぞ!?」


 「いやぁ」

 「隊長なら問題ないと思いますよ」

 「その証拠に」


 「死にやがれぇぇぇぇぇぇ!!!」

 「………」


 「うおっ!?」


 絶え間なく撃ち続けるヘネットだったが、ジャン以外の誰も負傷しないことに苛立ちを覚えていた。

 その背後に、復活したジャンが立っていることも気づかないほどに。



 「ヘネット」


 「な、なんだと!?」


 「筋肉だ」


 「あ?」


 「筋肉の前には銃であっても意味はない」


 「何を言ってやがる!」


 「筋肉は銃より強し!」


 ジャンの強烈にパンチで壁まで吹き飛ぶヘネット。

 ヘネットは気を失っていた。


 「無事だったのか」


 「ああ、これくらいなら筋肉でどうにでもなる」


 「お、おぅ…」


 

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