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大富豪と泥棒たちの大戦争  作者: はから
第二章 壮大な親子喧嘩の果てに
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壮大な親子喧嘩 ~紅の閃光~


 「久しぶりにね、六華ちゃん」


 「久しぶり、ママ」


 向かい合うは親子の二人。


 二人とも黒いラバースーツを纏い、首には紅いチョーカー。

 

 赤峰志乃。

 かつて紅の閃光と呼ばれ、西の大泥棒と評された女傑だ。

 その仕事は一瞬。

 閃光のように速く、成功率は100%。 

 ある時を境に、紅の閃光は裏舞台から姿を消した。


 そして伝説は受け継がれる。

 

 公人と子を生した志乃。

 志乃の血を色濃く受け継ぎ、閃光と呼ばれる技は娘の六華へと引き継がれた。

 六華も母と父。そして将星の期待に応えるべく、幼いながらも厳しい訓練に耐えた。

  

 新旧の紅の閃光。

 熟練の技か新鋭の力か。











 先制口撃を仕掛けたのは六華。

 母として、年長者として、娘に先制の機会を与えた。

 

 「ねぇ、ママ。ママから貰ったチョーカーなんだけど…ママの穴より私のが小さいみたい」


 「へ、へぇ~。六華ちゃん、鍛え足りないんじゃないかしら?私はしっかり鍛えてたもの」


 「私より太ってたの間違いじゃない?」


 「「「「「………ひぇ」」」」」」


 見守る警備部の面々は、極寒の地にいるかのように錯覚していた。

 母と娘の仁義なき戦い。

 血肉を分けた関係であっても、口撃の手は緩めない。



 志乃が豊満な胸を持ち上げ…。


 「六華ちゃんこそ。私の娘にしては小さいわよね。おっぱい」


 「カチーン」


 「将星ちゃんも可哀相よね。六華ちゃん小さいんだもの」


 「はぁ?ママのが大きいかもしれないけど、私はママみたいに垂れてないし」


 「カッチーン」


 「そのお腹だって、コルセットで締め上げてるんでしょ。あーあー、年は取りたくないわ」


 「はぁ?垂れてないわよ!お腹だって出てないわよ!」


 「「「「「………ひぇぇぇぇぇ」」」」」」


 二人の口撃は止まらない。

 警備部の面々は、ここにいることを激しく後悔した。


 「な、なぁ…」

 「なんだよ…」

 「女って怖いんだな…」

 「言うな…。聞こえたりしたら俺たちに口撃がくるぞ…」

 「美人が起こると恐ろしいぜ…」

 「俺…罵られたい」

 「「「「えっ!!?」」」」


 一名異常性癖(へんたい)がいたが、気にしないでおこう。

 ここにいる警備部は全員が男性。

 警備部の女性たちには逆らわないと決めた瞬間だった。



 




 「な、なんだ?」

 「近づいて何をするんだ?」

 「こっちに飛び火しなきゃいいが…」

 「逃げる準備だけはしておこう」

 「間に挟まれたい」

 「「「「お前は黙ってろ」」」」


 二人の距離は数十センチ。

 そして…。


 パシンッ!!!


 「「「「「ふぁっ!!?」」」」」


 六華のビンタが志乃の右頬を捉える。


 バシンッ!!!


 「「「「「ひぇっ!!?」」」」」


 志乃の右手も六華の右頬を捉える。


 バシンッ!!!

 バシンッ!!!

 バシンッ!!!

 バシンッ!!!

 バシンッ!!!

 バシンッ!!!


 交互に相手の頬をビンタする二人。

 美人が無言で相手の頬をビンタ。

 

 「こ、怖すぎる…」

 「まるでプロレスだ…」

 「口から血が出てるじゃねぇか…」

 「二人とも本気のビンタだ」

 「はぁはぁはぁ」

 「「「「黙ってろ」」」」


 

 「「………」」


 二人は20数発のビンタの応酬を終え、相手を掴もうと距離を縮める。

 技を掛けるも、有効打には程遠い。

 10分程、組み合い…。



 「今よ!」


 「きゃぁっ!!?」


 天井から大量の水が二人目掛けて落ちてきた。

 二人ともずぶ濡れだ。

 水も滴る良い女…といいたいところだが、二人とも無茶苦茶だ。


 「ママ…化粧取れてるわよ」


 「え…嘘っ!!?」


 「これで…終わりよ!!!」


 「「「「「あ、あれは!!?」」」」」


 六華が志乃を後ろから抱き抱え…。

 地面に一閃!

 

 「「「「バックドロップだー!」」」」


 「1!2!3!」


 カンカンカン!!!


 「「「「なんでカウントしてんのっ!!?この音どこからっ!!?」」」」


 「勝者~。あかみね~りっかぁ~!!!」


 「「「「何やってんの!?というかなんで服レフェリーになってるの!!?」」」」


 勝者は娘の六華。

 

 「や、やるわね…」


 「ママこそ…」


 「とっとと行くべきだったわ…」


 「私を抜いても次はメイト長よ」


 「なんですって…!?あの人に伝えなきゃ!」


 「えっ!?ママ!!?」





 

 

メイド長…。

どんな人だろうなー。

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