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大富豪と泥棒たちの大戦争  作者: はから
第二章 壮大な親子喧嘩の果てに
17/29

壮大な親子喧嘩 ~龍虎相見える~


 「………」


 「………」


 屋敷の老化にて二人の老人が相見える。


 二人の殺気が、場を支配している。


 二人の老人は歴戦の強者。

 腰に刺した日本刀と手に握られた直槍。

 

 片や剣術を極め、万物を切り裂くとされた達人。


 片や槍術を極め、この世に貫けぬものなしと言われた達人。


 

 歴戦の勇士にして、天下に並ぶもの無しと言われた兵法者。

 

 道は一つ。

 決して交わることのない道。

 己が信じた道が正しいと信じて…。












 「ど、どうなってるんだ」

 「二人とも動かないぞ…」

 「山梔子さんが動けないというのか?」

 「あっちだって宝宗院の爺さんだ」

 「互いに間合いを測っているのか?」


 日本刀を持つ男の名は山梔子万裁(くちなし ばんさい)

 全てを断ち斬ることから、万裁、

 彼と対峙した者は、口から言葉を発することができなくなる。

 そう、物理的にだ。

 対峙すれば首と胴が今生の別れとなる。

 故に、山梔子。

 山梔子万裁。


 飾り気のない直槍を手にする男の名は宝宗院貫瞬ほうそういんかんしゅん

 瞬く間に貫くことから貫瞬。

 神速の槍にて貫かれた相手は、自信が貫かれたと認識するまでに時間を要する。

 数秒の後、相手は理解することなく世を去る。

 

 全てを断ち斬る山梔子か。

 一瞬で貫く宝宗院か。

 

 勝者は一人。

 

 

 「動いた!!」


 警備部が固唾を飲む。


 万裁と貫瞬が距離詰める。

 

 槍の距離。


 刀の距離。


 二人は獲物を振ることなく、対峙して1mまで来た。

 そして…。











 「「最初はぐー!じゃんけん!」」


 「ちょき!」「ぱー!」


 勝者は万裁。

 勝者は歩みを止めない。


 「あっちむいてほい!」

 

 「くっ…!やってしまったわい…」


 「ワシの勝ちじゃて!」


 「「「「「………」」」」」

 

 今までの張り詰めた空気は家出した。

 武を極めし男の勝負方法は「あっちむいてほい」。



 「つ、次じゃ!」

 

 「かかってくるのじゃ!」


 貫瞬が懐から何かを出す。

 貫瞬が懐から出したのはスマートホン。

 爺に似つかぬ最新モデルだ。



 「アイドルとシャンソンするのじゃぞ!」


 「ワシのリズム感に勝てるわけがなかろう!」


 「「「「「………」」」」」





 「インスタークラムでどちらが先にイイネを貰うか勝負じゃ!」


 「かかってくるのじゃ!いいか、1,2,3で投稿じゃぞ!」


 「「「「「………」」」」」






 「大乱闘スマッシュシスターズで勝負じゃ!」


 「家庭ゲームなら勝てると思ったか!」


 「「「「「………」」」」」





 「愛取るマスターで10連ずつ引いて、先にSSR引いた方が勝利じゃ!」


 「ワシが杏子ちゃんSSR引いてやるんじゃ!あ、ちょっと待つのじゃ。課金せねば足りぬ」


 「「「「「………」」」」」






 「ここまで5勝5敗の五分五分か」


 「そうじゃのぅ。次で決着とするのじゃ」


 「題材はいつものアレといこうぞ」


 「そうじゃな…」


 「「この白桃桃の100年モードで勝負じゃ!!!」」


 「「「「「いやいやいやいや。武術で勝負しろよ」」」」」


 「撤収だー。片付けろー」

 「「「「うぃ~す」」」」


 「あ!電源を抜く出ない!」

 「今からワシと万裁の最終決戦なのじゃぞ!!?」


 「「「「「おつかれさまでしたー」」」」」


 この勝負に勝者はいなかった。


アイドルとシャンソンしたことないです。

魔法少女も育成してません。

英霊も召喚してません。


課金は程々に!

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