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大富豪と泥棒たちの大戦争  作者: はから
第二章 壮大な親子喧嘩の果てに
16/29

壮大な親子喧嘩 ~俺の家族格闘技世界チャンピオン~


 「当主室までルートは5つある。それぞれ進むとしよう。宮前ワシとメイン通路を行くぞ」


 「はっ」


 広大な財前家の邸宅。

 奥の当主室まで行くには5つのルートが存在する。

 

 当主である公人は宮前善人とともに、メインの大廊下へと消えていった。

 

 「俺はこっちに行かせてもらおう」

 「ワシはこっちじゃの」

 「なら私はこっちね。六華ちゃんの匂いがするわ」

 「………」


 将星が揃えた現四天王も精鋭中の精鋭だ。

 公人が集めた四天王も精鋭中の精鋭。

 どちらが勝ってもおかしくはない。

 勝利の女神はどちらに微笑むのか。











 「お?同業者か」


 「よくきたな」


 この通路を進はヘンリー・永田。

 齢40を超え、今もなお分厚い筋肉の鎧を纏っている男だ。


 ヘンリー・永田。

 公人にスカウトされて20余年。

 俺の家族格闘技世界チャンピオンとして無類の強さを誇るヘンリー。

 

 いくつもの窮地を、この鋼の肉体で守り通してきた。

 信じられるは己の肉体のみ。

 

 「兄ちゃんもすげー体してるじゃねーか。外人さんか?」


 「いかにも」


 「俺はハーフだ。名のヘンリー・永田ってもんだ」


 「俺はジャン・マトリックスだ」


 相対するは将星四天王の肉体担当。

 元特殊部隊長にして、筋肉ムキムキマッチョマンだ。

 名をジャン・マトリックス。


 「どうやら…同じタイプのようだな」


 「そうだな」


 「ならわかってんな?」


 「ああ、理解している」


 己の体を武器にする二人に余計な物はいらない。

 必要なのは鍛え上げた己の肉体のみ。

 ここからは口ではなく、肉体で語るのみ。












 「隊長ナイスバルクー!」

 「ヘンリーのおっさん土台が違うね!土台が!」

 「隊長イイッスヨ!キレてるっす!」

 「くぁ~!ヘンリーさんホントに40代なのかよ!仕上がりすぎだろ!!!」


 通路は熱気に包まれていた。

 二人の男が発する闘気。

 ジャンの部下たちも二人のポージングを固唾を飲んで見守る。

 

 しかし筋肉に愛され、筋肉に愛した同じ人種だ。


 上腕二頭筋が俺もと叫ぶ。

 腹筋が楽しそうだと波を立てる。

 括約筋が疼き出す。

 

 己の肉体が、心が、俺もと血肉湧きだつ。



 「ふぅ~…いい筋肉をしているじゃないか」


 「そっちこそ」


 ポージングを初めて、早10分。

 二人の肉体に限界が近づいていた。

 己の肉体を肥大させ、相手に挑む。

 体に負担がかからないわけがない。

 次で最後の勝負になるだろう。


 「次で最後になるだろう」


 「ああ、次で終わりにしよう」


 ふんっ!

 二人が己の持てる筋肉(ちから)を開放する。

 最後のポージングだ。


 「おおおおおお…」

 「なんて戦いなんだ…!」

 「肉体が叫んでいる!筋肉の絶叫だ!」

 「俺…この場に立ち敢えてよかった…」


 「「くっ…!」」


 二人とも同時に膝をついた。

 どちらに筋肉の女神がポージング(微笑んだ)のか。

 勝負の行方は…。


 

 「ジャン、君の勝ちだ」


 「紙一重の戦いだったがな」


 勝者はジャン・マトリックス。

 ヘンリーの言葉に部下たちが雄たけびを上げる。

 雄々しい。

 これぞ筋肉の祭典だ。

 今ここに―――筋肉の神が舞い降りた。


 「ナイス筋肉だ」


 「そっちこそ」


 二人はガッチリと熱い握手を交わす。

 そこに先程までの敵と味方という柵はなくなっていた。

 

 これぞ筋肉が魅せた奇跡。

 

シリアス?


なんですかそれは?

食べ物ですかね?


知ってますか?

最近のシリアスって牛乳をかけて食べれるんですよ?

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