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大富豪と泥棒たちの大戦争  作者: はから
第二章 壮大な親子喧嘩の果てに
14/29

父と子の邂逅

すみません!

予約投稿の時間を誤っておりました<(_ _)>


 財前美術館は財前財閥の全てを結集して作られた我が城だ。


 暇潰しだ。

 

 俺をワクワクさせるような者はいないのか。


 どいつもこいつも三流ばかりだ。


 最近では挑戦者も少なくなってきたな。


 くっくっく。財前美術館の堅牢さが轟き過ぎたか。


 これこそ我が城よ。


 最強にて最堅。


 そろそろ潮時であるな。











 「戻す?セキュリティレベルを?」


 「そうだ」


 「なんでまた」


 俺は自室にて六華と隣り合って座っている。

 絵瑠は万裁(エロ爺)が連れて行った。

 悪い影響を与えないといいが…。


 「満足だ。これ以上やっても何も得られん」


 「満足って…」


 「これ以上は全員の負担になる。明後日よりレベルを最高値まで戻す。これは決定事項だ」


 決めていたことだ。

 俺の決断に異論を唱えることは許さん。

 俺が主で俺が王なのだから。


 「セキュリティレベルを元に戻せば、侵入できる鼠はいないだろう。これでまた安眠の日々だ」


 「アンタがそれでいいならいいけど…」


 「すでに警備部に通達済みだ」


 警備部の連中は、臨時ボーナスが減ると嘆いていたな。

 結局俺の全敗で終わったか。

 まぁ、大した金額でもないから気にならん。


 「それに、美術館にあるのは9割が贋作だ」


 「えっ!?そうなの?」


 「なんだ。気づいてなかったのか」


 「気づくわけないじゃない」


 美術館の展示品は9割が成功に作られた贋作だ。

 もちろん、この俺が贋作を掴まれたわけではない。

 本物はこの屋敷の地下に眠っている。

 本物が分かる鑑定人には地下の本物を見せて納得してもらった。

 鼠どもも贋作を盗みにくるとは、バカなやつらよ。


 「まぁ、私からは何も言うことはないわ」


 「それでこそ六華だ。俺の異母兄妹(いもうと)にして嫁よ」


 「ちょっと!まだ日が出てるわよ!」


 「構わん」


 さて、これから六華とお楽しみの時間といくか。

 絵瑠もいないことだ。

 久しぶりに…。


 「失礼します」


 宮前め…。

 俺の邪魔をするとは良い度胸だ。

 大した要件でもなければ蹴飛ばしてくれる。


 「どうした?」


 「実は…」


 「なん…だと…っ!!?」


 なんということだ。

 俺の平穏が崩れ去る音が聞こえる。

 くっ!至急準備だ!

 











 「今ぁ帰ったぞぉ~我が息子よ~」


 「なんですかその喋り方は」


 「気にするな。気分だ」


 「父上もお変わりないようで」


 財前家現当主である父。

 財前公人。

 財前財閥を俺に任せ、世界を放浪していた息子不幸者だ。

 相変わらず父上の仕出かすことは突発的過ぎて理解できん…。


 「六華との間に子はできたか?」


 「六華がそれを望んでおりません」


 帰ってきて早々にこれか…。

 六華が聞いたら卒倒するだろうな。


 「何を迷っておる?お前が気に入ったから嫁にしたのであろう。血の濃さなど気にするな。児戯に等しきことよ」


 「…世間体というものがあります」


 「何を言うか。財前家の次期当主ともあろう者が世間を気にするのか?気にするのは世間だ。王に意見できるものはおらぬ」


 相変わらずとんでもないことを言う…。

 とんでもない父親だ。

 だが、紛れもなく俺の父親だ。


 「…六華と相談した上で決めとうございます」


 「うむ」


 何をしに帰ってきたんだ?

 俺と六華の仲を進めるだけか?

 いやいや、父上がそんなことのために帰宅するわけがない。


 「嫁は何人できた?」


 「は…?」


 「嫁は何人できたと聞いている」


 コイツ…っ!

 俺は正妻の子供だ。

 六華は側室の子供。

 この時代に、ありえない一夫多妻制を敷く父上。

 それを息子である俺にも勧めてくる。

 

 「…変わりなく」


 「何だと?将星よ、お前若くして枯れておるのか?ワシが若い頃はずっこんばっこ―――「父上!」」


 このクソ親父!

 息子の前で何を言い始める気だ!!?

 26にもなって父親の夜の情報など知りたくないわ!


 「ふぅ…。お前には覚悟が足りん」


 「覚悟ですか…?」


 「そうだ、財前家の当主たる者の覚悟だ」


 「…父上が不在の間に財前家を纏め上げております」


 「そうではない!あのようなことなど、お前に取っては簡単なことよ。ワシの次はお前が当主だ。当主の覚悟ができておらんようだな」


 「お言葉ですが父上。私は―――「くどい!」」


 なんなんだこのクソ親父は…っ!

 覚悟だと?

 何を言っているんだ。

 覚悟など父上に事業を放り出されてからしておるわ!

 

 「…明日の夜だ」


 「は…?」


 「明日の22時にお前の覚悟を問うとしよう」


 「は、はぁ…」


 「覚悟が見えぬようなら…お前の全てを奪って、他の兄妹にでも跡目を譲るとしよう」


 「なっ!!?」


 俺から全てを奪うだと…。

 言ってれるなクソ親父…!

 俺の全てだと…!

 絵瑠に絵瑠に絵瑠に絵瑠…!

 俺の絵瑠を奪わせやしない!!!

 父上!俺の覚悟を見せてやろう!!!


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