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番外編:委員長も竹内さんもクラスメイトに明かしていない事がある_02

「隠れオタな竹内さんなら薄々気付いてると思うけど、吉屋くんは教室でもなろうを読むラノベ通なの。私は書く側だけど、お仲間三人でお話したいなと思って」

「委員長……。自分は『身バレは死なの!』と言っておきながら、この所業……」


「アマチュア作家にとって、という枕詞を忘れてたわ。それより竹内さんのスペックを考えてみて。低身長で小動物的可愛さの見た目でオタトークできる女子よ。演技も良いしプロ声優として有望極まりないでしょう」


「確かに……。実生活では快活そうな声で過ごしてます、とかラジオで話したら、声優ファンも凄く喜びそうだ」


 竹内さんはさっぱりした性格で元々接しやすかったし、意外と普通に話せるな。

 密かに友人から罠に掛けられてしまった竹内さんは、必死で俺に懇願する。


「後生ですから内緒に! 私のあの声を聞いた最後の人になってくれ吉屋くん!」

「いやいや、それは勿体ない。アニメ好きな人にもっと聞いて貰いたいと俺は思ったよ。あまり詳しくないけど、オーディションとか受けないの?」


「わ、私ごときが声優オーディションなんて、そんな恐れ多い!」

「でもアニメやソシャゲに出演できるとすれば?」


「め……めちゃくちゃ楽しいだろうなー!」


 竹内さんと話せている俺を見て、委員長が名コーチのような佇まいで頷く。


 確かに竹内さんとしては、褒め殺しに近いことをされているのかもしれないが、そもそもこれが二宮さん対策になるのか?

 もしや委員長は恋愛面ポンコツなのだろうか。


「声を聞いて思ったけど、演技してる時の竹内さんの声、とても可愛かったよ」

「んぅうぅうおぉおー……! う、嬉しいこと言ってくれるねえ吉屋くん!」


 小さな身体を目いっぱい使って万歳ポーズをする竹内さんだが、空き教室の廊下側から突如「何ですとー!?」という陽キャオーラ満載の声が聞こえてきた。


 恐らく二宮さんだと気付いた竹内さんが、声優志望バレの恐怖で震え始める。

 空き教室に居る俺たち総員の予想通り、校内一の陽キャ美少女が入室してきた。


「ヨッシー! オ、オ、オトナの階段を登ったのかな!?」

「……オトナの階段? 公言するのも恥ずかしいが、全く身に覚えが無いぞ」


「だって『えっちしてる時の竹内さんの声、とても可愛かったよ』って!」

「えっちじゃなくて、演技だよ。扉越しとはいえ、なんという聞き間違いを……」


「……ハッ! 私としたことが女子力ゼロすぎる聞き間違いをしてしまった☆」


 どうやら二宮さんは探偵みたく俺を尾行して、盗み聞きしていたようだ。

 恐怖に震える竹内さんに、二宮さんは犯人を追いつめた探偵っぽく言い放つ。


「貴女の想い人はヨッシー……ですね? 委員長がアシスト役なのもお見通し!」

「「……何もかも違う」」


 俺と委員長に一刀両断された二宮探偵は「それならそれで俺得展開♪」と何故か喜び、他言しないと言われた竹内さんは、声優志望バレ回避の安堵感に浸るのであった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・この日の裏アカ【おしゃべり好きな宮姫@76danshi_UraakaJoshi】の呟き

 神懸った声の童顔系女子に「可愛い」とか色々褒めてた!

 また先生に報告せねば!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「めぐりめぐってナリサ先生もとい委員長に、再びDMが飛んでいくのか……」

 先生も大変だなあと思ったが、竹内さんを騙し討ちしたのは委員長だった。

 何となく恋愛相談と誤解する委員長の気持ちも分かる気がしてきたが、これって『私の男友達、女子への褒め方が下手だった!』とか報告するだけ……だよな?

番外編コメディ回、終了です。

そして次話から続く二話で、第二章は完結する予定です。

次の十九話目ですが、明日の夕方~夜までには投稿いたします。

いつもお読み頂きまして誠にありがとうございます。励みになっています!

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