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十六話目:皆で読書会のはずが、陽キャ美少女と家で二人きりになった_02

 まだ夏ではないが、窓が閉め切りだと暑いのかなと思い、俺は窓に手を掛ける。


「ほら。窓を開けると涼しいよ?」

「だ、ダメだよヨッシー! その……窓は閉めておかないと、こ、声とか……」

「そうか、失念していた。じゃあ窓は閉めておくよ」


 これから二宮さんとラノベ読書会なのだ。

 例えば『再ゼロ』をお借りしたとして、涙なしで語れないシーンの時に、俺が感極まって嗚咽を漏らす可能性も無くはない。


「鍵も閉めて、と……。二宮さん、ご家族の予定は分かった?」

「え、うん! 午後二時頃にお姉ちゃんたちが戻ってくるのが最速っぽいかな」

「なら午後一時くらいまでなら大丈夫だろう。さっそく始めるか」


 本棚のラノベをお借りしようと立ち上がると、二宮さんが慌てて制止してきた。


「た、確かに今の私は、ヨッシーも来る読書会ってことで、休日お出かけ仕様でバッチリ服や髪型もセットしてますけど、まだその……そういうのは早くないですかね!?」


 何故か身だしなみについて言及されたが、俺は俺で肝心なことを忘れていた。

 普段は電子書籍派なので、リアル書籍を触る時の配慮に及んでいなかった。


「忘れてた……。こういう時は前もって洗っておかないとな」

「あぅ……その……。わ、わかった! ……いや待って? ヨッシーが何か勘違いしている可能性も……。でもとりあえず、よ、浴室までご案内しようか~」


「んん? 手を洗うなら洗面台じゃなくて、台所でよくないか?」

「……はい?」


「え?」

「身体を洗うんじゃないんですか?」


「いや、普通は手を洗うだけで充分では? 二宮さんって意外と潔癖症なの?」

「……??」


 赤ら顔だった二宮さんは、俺の話について行けず、その場で固まってしまった。


 しかし俺が無言で、ラノベを触るジェスチャーをしてから、両手を洗うジェスチャーをしてみると、再び頬に赤みが差してきた。


「え、あ、ああ! なるほどそういう意味ですよね! いやあ冗談ですよ冗談~。別にどこも洗わなくても、普通に本を触って頂いて問題無いです!」

「そうか。ならさっそくラノベ読書会を始めようか」

「お、おうともさ~。本棚から好きなものをあさるが良い~」


 お言葉に甘えて、映画化もされた『あのすば』を選んで、俺は読書を始める。

 二宮さんは子供が不貞腐れた時のような、でも非常に可愛らしい表情で呟いた。


「むぅ~。ヨッシーはドキドキしてないの~?」

「ドキドキしてるぞ。彼氏持ちリア充のお姉さんたちに恨みは無いが、恋人いない歴=年齢のコミュ障には荷が重い。午後一時あたりで俺は帰ろうかなと思ってる」


「そういうヒヤヒヤしてる的な意味の、ドキドキではなくてですね~!」

 その後も二宮さんから謎の抗議を受けながらも、読書会は無事に終了した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・この日の裏アカ【おしゃべり好きな宮姫@76danshi_UraakaJoshi】の呟き

 お姉ちゃんに「二人きりでドキドキした」と報告したら

 「不埒な奴め~」と笑われた!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「委員長がドタキャンしたとはいえ、結果的には家で二人きりだしな。二宮さんといえど緊張してたのか。俺がやましい目的の不埒な奴と、お姉さんが誤解しても仕方ない」

 とはいえ二宮さんがその気でもない限り、不埒な真似などしないのだが……。

十六話目、終了です。

次話も主人公が窮地に立たされているようで、

実はヒロインがドキドキさせられてしまうお話の予定です。

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