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序幕話:陽キャ美少女は知らない。委員長も裏アカの事に気付いたとは_03

 二宮さんの視線が外れている隙に、委員長はスマホのメモ機能を使用して筆談の要領で『私が【白山ナリサ】だってこと、二宮さんには言わないでね』と俺に伝えてきた。


 了解の意味を込めて頷くと、委員長はベンチから立ち上がり、こそばゆさが取れてきた二宮さんに声を掛けた。


「二宮さん、城攻めなら外堀から埋めましょう。彼とRINE交換はどう?」

「おお、ナイスアイディアだ委員長~」

「用があるから私は教室に戻るわ。二人とも後で、私ともRINE交換してね」


 委員長を見送ると二宮さんは、俺のスマホにRINEをインストールする。


 俺なんかと連絡が取り合えるようになって何がそこまで嬉しいのか良く分からないが、二宮さんは鼻歌混じりにスマホを弄り、俺のRINEにメッセージを送ってきた。


『送信テスト! ヨッシーも何かメッセージ送って~』

『そうだなあ……。【白山ナリサ】って知ってる? 有名な人だったり?』


 どうしても頭に引っかかっていた委員長のアカウント名について質問してみたところ、二宮さんの頬が心なしか、ほんのり赤くなった。


「せっかくだから」と前置きして、二宮さんはRINEで返事してきた。


『ナリサ先生は、以前ヨッシーにオススメした「所持金チート」の作者だよ』

『そうなの!? 作品名しか覚えないから、全然気づかなかった……』

『ふふふ、まだ驚くなかれヨッシー。白山ナリサ先生なんだけどね。呟きSNSで感想を伝えていたら、先生とはDMで相談事を聞いてもらえる仲にまでなったよ』

『リアルだけでなく、ネットでもコミュ力高いんだな二宮さん……』


 新出の情報が多くて混乱しそうだが、つまり委員長はなろう作家として活動していて、そうとは知らずに二宮さんは、呟きSNSの裏アカで絡んでしまった訳か。


 そして二宮さんから何やら相談されていると気付いた委員長は、普段の彼女の言動から恋愛相談されたと勘違いするに至った――。恐らくそんな感じだろう。


「その委……じゃなくて白山ナリサって作家さんに、最近何か相談したの?」

「内緒なんですよソレが~。女子同士の恋バナかもしれないね!」


 委員長はそう勘違いしてるけど……と言いたかったが『白山ナリサが委員長(わたし)というのは言わないで』と本人から口止めされたばかりので、俺は何も言えずに黙り込んだ。


 二宮さんはまるで本当に恋愛相談をしていたかのように、少しだけ頬を赤らめながら、俺とのRINEトーク画面を、ご機嫌な様子で眺めるのであった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・この日の裏アカ【おしゃべり好きな宮姫@76danshi_UraakaJoshi】の呟き

 冗談のノリで告白したら討ち死にした~。

 でもRINE交換できたし、大将首とった!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 二宮さんの裏アカの呟きを見て、俺は今日の委員長の様子を思い返す。

「そういえば委員長、匿名で恋愛相談されたって誤解していたな。今日のRINE交換の提案とかも、二宮さんを応援しようとしたから……なのか?」

 俺は口下手だ。委員長の誤解を解くのには、時間が掛かるだろうと感じた。

序幕話、終了です。次話から本格的に第二章が始まります。

次回の話は、委員長のアシストでRINE交換できたヒロインが、

恋人っぽくRINEやり取りしようと、休日に連絡してくるお話です。

委員長という協力者を得たヒロインの今後をお楽しみ頂ければ幸いです。

本作の続きが気になりましたらブクマやご評価で応援して頂けると嬉しいです!

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