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幕間小話:女の勘が囁いてる。委員長はヨッシーを気にしてるってね!_02

 クラスの女子が三チームに分かれて行う体育授業のバレー総当たり戦。


 他の二チームが戦っている間、姫子や委員長が所属する残り一チームは審判を務めることになったが、二人はジャンケンで審判役を免除され、十分以上の空き時間を得た。


 姫子は体育教師から許可を貰ってバスケットボールで遊ぶことにした。


「へい、委員長! 空いてるコートでシュート対決しよ~!」


「筋トレさせられて手足がぷるぷる震えているのに、勝負とは勇猛果敢ね」


「委員長には聞きたいことがあるので! 負けたら質問に答えてもらおうか!」


「じゃあスリーポイントシュートを先に決めた人が勝ちということで」


「スリーポイントだなんて……。委員長がすごく強気だ!」


 腕立て伏せとスクワットで弱っていた姫子は、全身の力を振り絞って「はふっ」という情けない声を漏らしながらシュートするも、方向も距離も壊滅的で、ゴールネットを揺らすことは無かった。


 生まれたての小鹿のように足を震わせる姫子を横目に、次は委員長の番だ。


「さて。五本くらいシュートする間に入ってくれれば良いけど……あっ」


 慣れた手つきで放たれた委員長のシュートは綺麗な放物線を描いていき、一本目にしてゴールネットに吸い込まれていった。


 速攻で負けてしまった姫子が、信じられない様子で委員長に詰め寄る。


「バスケ経験者だったとは謀ったな~! 中学で学年成績トップなのは噂に聞いてたけど、運動神経まで抜群なんて! うぅ……委員長にヨッシーの質問をするはずが~!」


「また吉屋くん絡みだったのね。運動神経は別に良くないわよ? 塾に通っていなかった小学校中学年くらいまで、男子と混じってバスケしてただけ」


「だけってご謙遜を。天才おっぱいスポーツ黒髪ロング美人とか属性多すぎ☆」


「……」


 委員長は無言で体育教師のもとへと早歩きしていった。


「あっ! このパターンは……嫌な予感!」


 姫子は慌てて後を追ったが、全身の筋肉が疲労困憊で追いつけなかった。


「先生。二宮さんが『天才おっぱい』などと暴言を浴びせてくるのですが……」

「委員長~! その単語の抜き出し方は、ちょっと悪意があるのでは~!」


 抗議も空しく、体育教師は姫子に厳罰を下した。


「自分の試合の番になるまで、腕立て十回とスクワット十回を繰り返すこと!」

「既に生まれたての小鹿状態なのですが! 許してください先生~!」

次の更新で幕間小話は完結です。今日の夕方か夜までに投稿できればと。

幕間小話の終盤で、ヒロインが気になる主人公の事実が判明します。

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