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81話 二十歳になってから

「まずは冒険者ギルドに向かいましょうか」

「あ、はい・・・あ、いや、その前にもうちょっと詳しく聞かせて下さい」


冒険者になるべきか、商人になるべきか。

あ、いや、冒険者にはもうなっては居るんだけど・・・。


俺とエイミーにお店を任せたいとか結構な大事だし

街に着くまで商人になるべきかどうか悩み続け、気付いた時には既に街の中に入っていた。


「ふむ。思ってた以上に前向きに考えて頂けてるのですね」

「いや、そりゃ、まぁ・・・」

「では、先に商業ギルドに向かっても宜しいですか?」

「はい」

「馬車と積荷を預けて来ます」

「はい」


商業ギルドは思いの外立派な建物で、出入りする人も身なりのキチっとしたばかりで・・・雰囲気に気圧され俺とエイミーは外で待つ事にした。


「エイミーはどうしたい?」

「やってみたい・・・気もしますけど、冒険者も続けたい気持ちもあって・・・」

「そーなんだよねーーー」


どちらも続けながらとかは無理だし。

特に店舗を任せるって言ってたから。お店を任され様ものなら、そこから動けなくなるし・・・。


「どうしよっか・・・?」

「どうしましょう・・・」


全く答えが出ないまま、2人でうんうん唸っているとオゥンドさんが商業ギルドから出て来た。


「お待たせしました。では、軽く食事でもしながらお話しましょうか」

「はい」


案内されたのはちょっとお洒落なレストラン。

まぁ、異世界基準でのお洒落だし、異世界基準でのレストランという括りだ。


店に入ると顔馴染みだった様でオゥンドさんと店長さんらしき人が仲良さげに会話を交わし、そのまま個室へと案内された。


「何か高そうなんですけど」

「これも一応は商談ですからね」

「あー、はい」

「それと慰労会も兼ねてます」

「そうですね。お疲れ様でした」

「まだ早いですよ。それは乾杯をしてからにしましょう」

「あー、ですね」


コンコンコン───。


「はーい」

「先にお飲み物だけお持ちしました」

「はいはい。ご苦労さまです。そこに置いておいて貰えれば後はこちらでやります」

「はい。失礼致します」


ガチャ───。


店員さんが退室してから、オゥンドさんがコップに飲み物を注いてくれたが。


「あ、俺が」「私が」

「ははは。これくらい構いませんよ。どうぞ」

「あ、すいません」

「ではでは・・・お疲れ様でしたっ」

「「お疲れ様でしたっ」」


ゴクゴクゴク───。


「「プハー」」

「ぶふぉ・・・こ、これ何ですか・・・?」

「エールですが・・・お口に合いませんでしたか?」

「エールって・・・お酒じゃないですかっ」

「え?はい。そうですが」

「いや、俺、未成年なんですけどっ」

「えっ?おいくつでしたっけ?」

「16です」

「いやいや、15で成人ですよ?」

「えっ」

「あぁ、国に依っては16だったり17の国もあった気がします」

「俺の所は20歳ですね」

「それは・・・」

「って、エイミー?」

「このエール美味しいですっ」

「えっ」

「はい。ここのエールは中々の物です。このクラスのエールを出せる店はこの街にはここだけですね」

「ふわぁ~、そうなんですねっ」

「気に入って頂けましたか?」

「はいっ」


クピッ───。


うん。苦い。

エイミーが美味しいって言うから飲んでみたけど苦い。


「ユウさんはあんまりの様ですね」

「いや、あの・・・おいs・・・はい・・・」

「料理が来た時に別の飲み物を注文しましょう」

「すいません・・・」

「いえいえ。では、早速ですが商売の話をしましょうか」

「は、はい」

「以前から店舗を構えたい場所があったのですが、人手が無くて諦めて居たんです」

「はい」

「基本的な仕入れは私が行いますが顔を出せるのは3ヶ月に1度程ですね」

「はい」

「その間の仕入れの微調整はお任せする事になりますが、そう難しい事では無いので問題無いと思います」

「は、はい・・・」

「売れた物は多く仕入れる。売れ残りが多い物は仕入れを少なくするなり仕入れを止める。それだけなので心配しなくても良いですよ」

「は、はい」

「出来ない事をやれと言うつもりはありませんので」

「はい」

「何か質問はありますか?」

「えっと・・・そのお店を開く場所って遠いんですか?」

「近いですよ。私が行商で回っている村の1つですので」

「そうなんですね。これから回る予定だった所ですよね」

「いえ?」

「え?もう行った所ですか?」

「はい」

「あっ・・・もしかして・・・」

「はい。そうです」

「アフヨーの・・・」

「違いますっ」

「あれっ」

「エーリューズです」

「あぁ~~・・・って、どこでしたっけ・・」

「・・・・・・私達が出会った村ですね」

「あっ、あー・・・エトーさんが居る・・・」

「はい」

「いやぁ、何かあそこの村はエトーさんの村って印象が強くて名前を覚えられないんですよね。ははは・・・」

「エーリューズはダンジョンもあり、これから発展して行きます」

「はい」

「既に何人か商人も入って来ているので新規参入するにはそろそろリミットなんです」

「それで、俺とエイミーに。ですか」

「はい」

「でも・・・あそこにはあの厄介な姉妹が・・・」

「少なくとも片方はもう捕まってると思いますよ?」

「片方しか捕まってなかったら。余計に厄介な事になってません?」

「弟もどうなってるか分かりませんしね」

「当分は戻りたくないんですけど・・・」

「大丈夫です」

「え」

「きっとエトーさんが何とかしてくれてます。たぶん」

「たぶんて・・・」

「あの姉妹については冒険者ギルドで聞けばどうなったか分かるはずですし」

「え?もうですか?」

「はい」



ここまでノンストップで移動して来たのに、冒険者ギルドの伝達網の方が早い?

あ、ファンタジーな力を使った電話的なアイテムがあったりするとか?


いつもお読み頂きありがとうございます。


以前、ペースアップすると書きましたが更新頻度では無く話の進むペースアップです。

文字数も気持ち増やそうかと思ってます。

進行ペースに気を囚われ過ぎて内容が雑にならないよう気を付けながら書いていければと思ってます(*´ェ`*)

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