73話 ダメ。ゼッタイ。
「おはようございます」
「おはようございます・・・」
「寝不足ですか?」
「あー、まぁ、はい。ちょっと」
「という事は、エイミーさんとは打ち解けられましたか」
「へ?」
「ん?違いましたか?」
「え?え?どういう意味ですか・・・?」
「あれ?あの宿で夕飯は?」
「え?食べましたけど・・・?」
あんまり美味しくは無かった。
お金を出してくれてるオゥンドさんにはそんな事言えないけど。
「ふむ・・・元気になりませんでしたか?」
美味しくなかったから元気にはなってない。
別の所が元気になって。
いや、なり過ぎて困ったけど・・・。
「元気には・・・なってないですね」
「ふむ・・・もしかしてユウさんは・・・あ、すみませんっ」
「え?」
「いえ、何でも無いです。申し訳ありません」
「え?え?何ですか?気になるじゃないですかっ」
「えっと、そうですね・・・ユウさんはお若いのにアチラの方が・・・」
と、オゥンドさんの視線が俺の下半身の方へ・・・。
「アチラ・・・あれって、あの宿のご飯の所為だったんですかっ!?」
「あぁ、やっぱり反応があったんですね。良かったです」
「いや、良くは無いですよっ」
「いやぁ、その若さで不能だと不憫じゃないですか」
「不能て・・・」
「食事と言いますか。アフヨーの効果ですね」
「え?痛み止めの薬じゃないんですか?」
「色々と効果があるんです。痛み止めはその効果の1つですね」
「へぇ~・・・って、アレもですか・・・?」
「はい。性欲増進もその1つですね」
「ちょっ、何てモンを・・・」
「ユウさんとエイミーさんの間に距離があるじゃないですか」
「いや、まぁ、はい」
「なので、その距離を埋めるお手伝いを。と」
「余計、気まずくなりますよっ」
「そうですか?」
この人も大概だな・・・。
子供に手を出す趣味は無い。
エイミーがあと2つか3つ年がいってれば分からなかったけど。
いや、分かるな。いってた・・・。
「もしかして・・・」
「はい」
「痛み止めってよりも、そっちの効果で人気なんじゃ・・・?」
「どちらもです。他にも色々と効果はあるので、ひっくるめてといった感じでしょうか」
「ま、まぁ・・・効果は身を持って知りました・・・」
そう。
一晩経ったにも関わらず、ちょっと意識したり刺激があっただけで反応してしまう。
いや、もうこれ・・・麻薬とかの類なんじゃないかと疑うレベル。
「でしたら、ユウさんも仕入れますよね?」
「いや、その前にちょっと聞きたいんですけど」
「はい、何でしょう?」
「これって依存性あったりしますか?」
「たまに少量摂取する程度なら問題ありませんよ」
いや、あるんじゃんっ!
「ちょっ・・・じゃ、じゃあ、大量に常用したら・・・」
「あー、それは廃人まっしぐらですね」
はい、アウトー。
ダメ。ゼッタイ!
「あー・・・今回はちょっと止めときます」
「え?でも、効果があるのはご理解頂けましたよね?」
「あり過ぎて怖いと言うか・・・って、オゥンドさんは怖くないんですか?」
「売り物ですからねぇ。私自身は使わないですし」
「なるほど・・・」
「まぁ、確かに。売り物に手を出して身を滅ぼす行商も稀に居るので」
「ほら、ダメじゃないですかっ」
「そう思えるユウさんなのでお勧めしてるのですが」
「あー、まぁ・・・でも、怖いので止めておきます」
「分かりました」
「何か、すいません」
「いえいえ。では、出発はお昼過ぎを考えていますので、それまでは自由に過ごして下さい」
「はい」
何て物を仕入れさせようとしてるんだ・・・。
ってか、俺もエイミーも摂取してしまったんだけど・・・禁断症状とか出ないよね・・・?
一旦、宿に戻り。
朝食も出るとの事だったが流石に断った。
そして、エイミーを連れて宿を引き払い。
再び、オゥンドさんの元へと向かった。
「もう朝食を済ませたんですか?」
「いや、食べてないです」
「はっはっは。朝食にまで入れませんよ」
「とは思ったんですけど、それでもちょっと怖くて」
「何か買って来ましょうか?」
「いや、果物でも食べて済ませます」
「ですが、次の村に着くのは明後日の夕方くらいになりますよ?」
「あー、そうですね・・・それじゃあ、お願いしても良いですか?」
「はい。では、買って来ますので、それまで荷物をお願いします」
「はい」
麻薬成分があるっぽいアフヨーがこの村の特産品っぽいし。
何に入ってて何に入ってないか俺には判断出来ないからオゥンドさんに任せた方が良さげだ。
まぁ、聞けば良いだけなんだけど。
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
「スープとパンですが良かったですか?」
「はい、十分です。ありがとうございます」
ここは村のほぼ中心にあるちょっとした広場で。そこに荷馬車を停め、馬は少し離れた所に繋がれている。
そして、オゥンドさんは荷台の前に出て呼び込みを始めた。
俺とエイミーはその荷台の後ろで地面に座り込み先程受け取ったスープとパンを頂く事にした。
昨夜の宿の微妙な食事はアフヨーが入っている所為かと思ったが、このスープもちょっと微妙だった。
エイミーを見ると、やっぱり微妙な表情でスープを流し込んでいるので、食後のデザートで果物を食べて口直ししないとだ・・・。
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