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50話 鬼畜の所業

翌朝、冒険者ギルドに向かうと既にエイミーが待ち構えていた。


「お、おはようございます」

「あー、うん、おはよう」

「やっと来たか。お前への指導も今日までだな」

「どうなんでしょうね?」

「ふんっ。まぁ、行くか」

「はーい」「はいっ」


あ、やっぱりエイミーも一緒に行くのね。


そして、ダンジョンに向かう途中でエトーさんが微妙に気まずい事を言い出した。


「現時点ではあっちと組むんだよな?」

「えっ、まぁ、はい、その予定ですけど・・・」


後ろを振り返ると・・・エイミーは思いっ切り(うつむ)いていた。


「誰と、どこで、何人と組むにせよ。大事なのは連携だ」

「え、はい」

「昨日も言ったよな?人数が増える事で気を抜いちまうと逆に危険な場合もある」

「はい」

「まぁ、基本は人数が多い程安全なんだが。それでも、何が起こるか分からんのがダンジョンだからな」

「はい」

「っつー事で、今日は2人で相談しながらコボルトでも狩ってみろ」

「えっ」

「何が不満なんだ?」

「コボルトですか・・・?」

「以外に空いてて適正のモンスターも居ねーからな・・・」

「あぁ・・・ですね・・・」


気が重い。

あの可愛い生き物を狩るとか・・・鬼畜の所業としか思えない・・・。


「俺は後ろで見てるだけだからアテにすんなよ?」

「え、でもっ」

「危なそうなら口は出す」

「は、はい・・・」

「っつー事で、今日は下まで降りずにコボルト狩って昼ぐらいに引き上げるか」

「は、はいっ。よろしくお願いします」

「おう」



ガレ場に入りそろそろダンジョンが見えて来る辺りで異変が起こった。


「どうしたっ!」

「エ、エルがゴブリンにやられましたっ」


そう答えたのは俺のパーティー募集に応募してくれた2人組の冒険者で。

2人に駆け寄り、様子を見ると頭から血を流し完全に意識が無い状態で背負われていた。


「頭か・・・」

「後ろからやられたみたいです・・・」

「おい、ヌプポレ。先にダッシュでギルドに戻って姉貴にポーションを用意する様に伝えて来い」

「は、はいっ」


ヌプポレて・・・何1つ掠ってすらいないけど、突っ込める雰囲気でも無いので必死に堪えて駆け出した。



冒険者ギルドに戻り、息も絶え絶えな中エリーさんに状況を説明すると「ご苦労さま。後は休んでて良いわよ」と言われ一旦は腰を下ろしたのだが・・・居ても立っても居られず、冒険者ギルドを出たり入ったりを繰り返したり1人無駄に歩き回ったりしていた。


そんな、あたふたしている俺がギルドに到着してから遅れる事15分程で皆が到着した。


体感としては1時間とか、下手したら2時間・・・それは言い過ぎかもしれないけど、かなり長く感じられたが、実際はそんな物らしい。


そして、そんな俺を尻目にエリーさんはテキパキと治療の準備を進め。

到着した時には完璧に準備を終えていたらしい。


これも、後から聞いた話なので実際どんな様子だったのかは全く覚えていない。



エリーさんの治療のおかげでエルさんは何とか一命を取り留める事が出来た。らしい。

これも後で聞いた話なので実際には誰がどんな治療をしたのかも知らない。


理由は「うっとおしい」と、エトーさんに摘み出されたからだ・・・・。




「すまない」

「あ、エルさんは大丈夫なんですよね?」

「あぁ」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「えっと・・・」

「??」


エルさんの相方に呼び出されたのだがイマイチ要領を得ない。


「要件は・・・?」

「あぁ、すまない」

「えっと・・・何がですか・・・?」

「エルがああなったので、すまない」

「えっと・・・エルさんが怪我したから俺の加入はナシって事ですか?」

「あぁ」

「なるほど・・・そうですね・・・あ、引退したりはしないですよね?」

「あぁ」

「あ、でも、待ちますよ?」

「少なくとも1週間は安静にする様言われている」

「そうですか・・・」

「俺達はどうなるか分からないがお前は頑張ってくれ」

「は、はい」

「では、すまなかった」

「あ、はい」


大体は分かったけど・・・やっぱり細かい部分はイマイチ分からないままだった・・・。


「って感じだったんですけど・・・」

「あー、アレだ。やられたのが頭だからな」

「はい」

「後でいきなりぶっ倒れたりする事があんだよ」

「あー、なるほど」

「それで最低でも1週間。まぁ、10日から2週間ぐらいはダンジョンに行かせないつもりだ」

「そうですね」

「それから。(たま)にだが、後遺症が出る事もある」

「はい」

「それも色々なんだが。手とか足に痺れが出たり、目がおかしくなったりな」

「あー、はい・・・」

「そんな不確かな状態でお前を入れるのは申し訳無いそうだ」

「そうですか・・・」

「っつー事で」

「はい」

「選択肢が1つしか無くなったな」

「ですねぇ・・・」

「そんな嫌なのか?」

「いや、嫌って訳じゃないですけど・・・」

「けど?」

「年下の、しかも女の子じゃないですか」

「だな。っても、そんな変わらんだろ?年は」

「いや、5つも下ですよ」

「ふむ・・・っても、あいつらも確か13とかだったと思うが」

「えっ、あいつらってエルさん達ですか?」

「おう」


思いっ切り年上だと思ってた・・・。

と言っても、18くらいだと思ってたけど・・・まさか、そんな下だったのか・・・。


「で、お前はいくつなんだ?」

「16ですよ」

「は?」

「え?」

「そうか・・・」

「何ですか?」

「いやな・・・お前も12-3くらいだと思ってた」

「いや、それは流石にっ」

「ま、まぁ、アレだっ。年下だろうが女だろうがお前よりは経験も積んでんだ」

「ぐっ・・・まぁ、そうですね・・・」

「それとも、あの面倒臭そうなパーティーのポーターやるか?」

「それは無いです」

「だろ?」

「はい・・・」



予定が全て吹っ飛び。

エトーさんの思惑通り、エイミーと組む事になりそうだ・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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