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47話 どうかしてるぞ行天優

「でも、初心者だけで組んで大丈夫なんですか?」

「皆、誰でも最初は初心者だし大丈夫じゃねーか?」

「いや、まぁ、そりゃそうですけど・・・」


そんなん言い出したら、パーティー選びの意味が無くなるっ。


「それに、お前は火力だけならここをとっくに出てってるレベルだしな」

「まぁ・・・はい・・・」

「後は基礎を学ぶだけだ」

「だったら、尚の事。ベテランのパーティーに入って教わった方が良いんじゃないですか?」

「そんなコイツと組みたくねーのか?」

「えっ」

「・・・・・・」

「そ、そ、そ、そういう意味じゃないですからっ」


後ろを振り返ると・・・ヤバい・・・ほら?涙目になってんじゃん・・・。

そして、エトーさんを睨みつけるとニヤニヤとムカつく笑い方をしていた。


「エトーさんはどうしたいんですか・・・」

「んー?俺としては。お前らが組んでくれればと思ってる」

「え?本気だったんですか?」

「当たり前だろ」

「えぇー・・・イジってる様にしか・・・」

「まぁ、イジってはいるな」

「いや、どっちなんですかっ」

「イジってはいるが。お前らには組んで貰いたいと思ってる」

「手間が省けますからね」

「だな。何時までも子守なんてやってられん」

「こもっ・・・その子守って、もしかして俺も含まれます?」

「むしろお前の方が手が掛かる」

「くっ・・・」


まさか11歳の女の子よりも手の掛かる問題児だとは思わなかった・・・。


「よし、俺が前衛でお前が中衛。お前が後衛だ」

「いや、名前で言って下さいよ」

「何だっけか・・・ヌ・・・ヌプ・・・ヌ・・・ヌポ・・・」

「いや、ぬから離れてっ。ユウです。ユウ」

「チッ。名前覚えんの苦手なんだよ・・・」

「ヌプとかヌポから始まる名前の人なんて居るんですか?」

「知らねーよ。どっかに居んだろ・・・」

「はぁ~・・・で、俺が真ん中なんですか?」

「おう。遠距離の攻撃スキル持ってんだから当たり前だろ」

「な、なるほど・・・」

「んで、お前は後ろの警戒任せたぞ」

「は、はいっ」

「何かあったら、このヌ・・・「ユウですっ」ユウを守ってやれよ?分かったな?」

「はいっ」


11歳の女の子に守られる冒険者・・・。

中々にヤバいな。


「明かりは任せたぞ」

「はい」


「ライト」


「ふわぁ~」

「!?」

「す、凄いですっ。明かりが浮かんでますっ」

「ライト見るの初めてか?」

「は、はいっ」

「松明やらライト。油とかもダンジョンに持ち込まなくて済む便利スキルだ」

「す、凄いですっ」

「それに、ウォーターも使えるから水も持ち込まなくて済む」

「は、はい・・・」

「んで、ウィンドアローも使えるからな」

「えっ?」

「有望株だから今のウチから捕まえておけ」

「で、でも、私なんかじゃ・・・」

「だーかーらー。実績を積んでねぇ今のウチに恩を売っとけば良いんだよ」

「な、なるほどぉ」

「そういうのは・・・せめて俺の居ない所でやって下さい・・・」

「お?良いのか?」

「え?」

「お前の居ないトコでどーやって丸め込むか会議しても良いのか?」

「ちょ、それは・・・」

「だろ?って事で、冗談なんだからイジられとけ」

「えぇー・・・本当に冗談なんですか?」

「そりゃ、俺らが何を言おうと決定権はお前にあるんだ。テキトーに聞き流しときゃ良いんだよ」

「なるほど・・・」


2階へ降り、人気のゴブリンが居る階層を進んでいると。


「おう。調子はどうだ?」

「あ、エトーさん。絶好調ですよ」

「そうか。パーティー募集に応募してたよな?」

「はい。もしかしてその子ですか?」

「おう。ヌ・・・「ユウです」コイツがユウだ」

「よろしく。そろそろ俺らもゴブリンは卒業してオークに行こうと思ってるんだけどどうかな?」


歳の頃は俺と同じくらいかな?2人共、片手剣と木製の盾を装備している。


「お2人共前衛なんですか?」

「うん。スキルなんて持ってないし。弓も難しいしね」

「なるほど」

「で、どうかな?」

「えっと・・・今、後2組から声が掛かってる状態で」

「うん」

「後、もう1組のパーティーに挨拶して。それから返事しても良いですか?」

「うん。そんな急いでる訳じゃないし」

「それじゃあ、決まったら・・・どうしましょう?」

「ギルドには皆顔出すだろ?姉貴に言っとけば良いんじゃねーか?」

「え?でも、こういうのって直接言った方が良いんじゃないですか?」

「入ってから抜けるってんならそうだが。今回のはそれで十分だろ」

「ですか。それじゃあ、何かあったらエリーさん経由で連絡します」

「うん。良い返事を期待してるね」


異世界で冒険者になるなら可愛い女の子とパーティーを組んで・・・って、思ってたけど・・・いざ、実際に組むってなると。命懸けだし、ハーレムとかよりも頼れる相手と組みたいって気持ちに変わって来た。

だから、女の子と組むよりも男と組みたいかな。

今の2人は2人共男で1人は一切喋ってなかったけど俺の加入に反対してるって感じでも無かったし。

もう1つのパーティー次第だけど、今の所はここのパーティーが最有力候補かな。


「そう言えば、エイミーちゃんは冒険者歴ってどれくらいなの?」

「は、はいっ。えっと、3ヶ月くらいです」

「ずっとソロ?」

「はい・・・どこのパーティーにも入れて貰えなかったので・・・」

「そ、そっか・・・あ、じゃあ、どこで狩りしてたの?ソロなんだよね?」

「は、はいっ。スライムはお金にならなくて。ゴブリンはずっと埋まってるんでコボルトを狩ってました」

「「!?」」

「オークは全然無理ですけど。コボルトなら何とかギリギリいけますっ」

「そ、そっか・・・」

「はいっ」



まさか・・・あの可愛いコボルトを狩ってたのか・・・。

エイミー、なんて恐ろしい子っ・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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