表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/182

2話 2週間

最初なので、ストックが無くなるまでは毎日投稿しようと思います(*´ω`*)

───フンフンフーン♪


「なんか良い事でもあったのか?」

「ん?俺?」

「うん」

「いやぁ。別に、免許も取れてバイクも買ったぐらいで特に何も無いよ?」

「めちゃくちゃあんじゃん」

「いやぁ。バイクなんて手段であって目的じゃないからな」

「って言いながら、めっちゃ笑顔じゃん」

「そうでも無いよ?」

「いやいや、全然隠し切れてないからっ」

「自分では普段通りだと思うんだけどなぁ」

「それがデフォだったらキモすぎて友達になれてねーわ」

「ひでぇ」


「何の話?」

「あ、廣瀬さん。優がバイクの免許取ったんだって」

「そうなんだ。びっくり君って抜けてるトコあるから事故には気を付けなよね」

「びっくり君?・・・あぁ、びっくり仰天って事か」

「うん。良いと思わない?」

「良いね。俺もこれからそう呼ぼうかな」

「圭祐がそう呼んだらマジでしばくからな?」

「そうか。廣瀬さんにしか許してないのか。もしかして付き合ってんの?」

「な訳ねーだろ」

「ヒドい・・・私の事は遊びだったのね・・・」

「ええっ・・・」


「なつみー!まだー!?」

「あ、ごめん。呼ばれてたんだった」


「なぁ、マジで廣瀬さんと付き合ってんの?」

「だーかーらー、そんな訳無いだろ。冗談だよ冗談」

「ふ~ん。まぁ、そういう事にしとくか」

「言うだけ無駄っぽいな。そう思いたいなら勝手にそう思っとけよ」

「んでさ」

「しつこいなぁ」

「いや、じゃなくてさ」

「ん?」

「免許も取ってバイクも買ったんだから、どっか行くんだろ?」

「うん。って言っても、取り立てだから遠出はしないで近場に行こうと思ってるけどな」

「ふ~ん。どこ行くか決めてんの?」

「徳島か愛媛かどっちにしようか悩んでる」

「へぇ。んで、何しに行くんだよ?」

「うん。まぁ、なんだ・・・色々とさ」

「言えないって事はエロい事かよ」

「ちげぇ。いや、まぁ、何でも良いじゃん」

「でも、そっち系なら高松の方が良くないか?あ、でもバレたくないから他県に行くんだもんな」

「高松だとちょっと距離あるし・・・って、エロ系じゃないからな?」

「感想ぐらいは聞かせろよ?」

「って、違うっつーの」


「おーい、皆座れよー。授業始めるぞー」



授業が終わった後も圭祐の誤解は解けなかった。

まぁ、いいよ。皆には理解出来ない趣味だろうし。


今日はバイトも無いので学校から帰ると部屋に篭り制服のままスマホとにらめっこをしていた。

明日は土曜で学校も休みなので念願だったバイクで食べ歩きをするのだ。

いや、バイクだから食べ走り?それだとバイクに乗って食べながら走ってそうだから違うな。

そんな事はどうでも良くて。


何故かは分からない。

分からないが何故か香川県にはうどん屋が無い。

駅前にあるのはそば屋だし、ラーメン屋やパスタ屋もある。

でも、俺を魅了してやまないうどんを扱っている店が無いのだ。


ファミレスで頼もうと思ってメニューを見たら、素うどん、きつねうどん、カレーうどん等いくつか種類が表記されていた。

だが、メニューには載っているのだが上からマジックで消されていた。

店員に確認したら、開店以降一度も注文された事が無く、在庫を抱えるのが無駄なので消したそうだ。


一度、近所にうどん屋が出来た時は歓喜の余り毎日の様に通った。

中学の時で小遣いなんて一瞬で吹っ飛んだから貯金を切り崩して通った。

今年は、お年玉をそのまま貯金してて良かったと過去の自分に本気で感謝した。


学校から帰り、着替えてからうどん屋へ向かい。

頼むのはいつも素うどん。まだ貯金はあるが増える見込みは無く、目に見えて減っていくので少しでも倹約するしかない。

だが、オープンから二週間ぐらい経った時だろうか。


「美味いか?」

「はい。めちゃくちゃ美味しいですっ」

「そうか。これサービスだ」

「えっ、良いんですかっ?ありがとうございますっ」


うどん屋のおっちゃんは、おあげを乗せてくれた。

きつねうどんなんてオープンの日に食べて以来なのでテンションが上がりまくった。


そして、次の日も学校から帰り。急いで着替えてからうどん屋へ向かうと閉店の張り紙がしてあった。

二週間営業して来た客は俺だけだったらしい。

美味いか?と聞いてきた意味をこの時俺は知った。

そして、その時の寂しそうな顔を今も忘れる事が出来ない。



念願の土曜日がやって来た。

遠足前の小学生なんて目じゃないぐらいに興奮して昨夜は中々寝付けなくて寝不足だが関係無い。


比較的、電車で行きやすい愛媛では無く、今回は徳島方面へ向かう事にした。

バイクに跨がり徳島を目指す。

昨夜の内に行きたい店の目星は付けてある。

十店舗以上候補があるので今日中には回れないが臨時休業に備えて多目にチェックを入れておいた。


ただ、俺が思うのは。

人間やっぱり地に足を着けていないといけない。

浮かれて、舞い上がっていたのだろう。


そろそろ徳島に入るといったタイミングで俺は後ろから来たトラックに轢かれた。



1話目に引き続きお読み頂きありがとうございます。


優の居る世界は異世界です。

耳にした事のある地名が出てきてるかもしれませんが偶然の一致かと思われます。

香川県の観音寺という所に住んでいるという設定になってます。設定です。フィクションですので。

信じるか信じないかは貴方次第かどうかは知らないです(´ε` )


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ