表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/182

14話 イベント

「何が凄いのですか?」

「何て言ったら良いか・・・」

「はい」

「頭の中に情報が入って来るって言うか、中に入ってる物が頭の中で表になってる感じって言えば良いのかな?」


ロープレに良くある感じのアイテムボックスだったりインベントリだったりのウィンドウが頭の中にフッと現れる感じだ。


アイテムボックスとインベントリの違いは良く分からない。

インベントリは最近までイベントリだと思ってたぐらいだし。


「凄いのはここからじゃ」

「え?」

「そのまま、取り出したい物を思い浮かべるなりしてみい」

「はい・・・おぉ・・・アリシアさんの葉っぱ」

「違うっ」

「え?」

「それは別じゃろう・・・マジックバッグに入っとる物じゃ」

「あ、はい・・・おぉ・・・アイテムボックスに入れれば、マジックバッグの中からも取り出せるんですね」

「うむ」

「って言うか、アイテムボックスにマジックバッグを入れるとか抜け穴と言うか反則っぽい感じですね」

「反則だろうが何だろうが、使える物は何でも使わな損じゃろう」

「そうですね・・・ところで・・・」

「うむ」

「トイレに行きたいんですけど」

「行っトイレ」

「さぶっ・・・」

「行きたければ普通に行けば良かろう」

「いや・・・俺1人で行くの危ないじゃないですか」

「そうじゃったな。アリス連れてってやれ」

「はい」


実は昨日の晩から我慢してたりする。

夕食後しばらくして尿意を催したがアリスさんはアリシアさんの部屋だし、1人で行くのは自殺行為だし。

必死に我慢して無理矢理眠ったのだった。


そして、それを忘れて普通に朝食を取ってしまった。



「気が利かず申し訳ありません」

「あ、いやいや」

「ここで待ってますので、何か分からない事があればお声掛けお願いします」

「は、はい・・・」


トイレの外観は掘っ立て小屋。

中は公衆トイレみたいのを予想していたが・・・。


小便器は無い。

まぁ、今は大きい方も小さい方も限界が近づいてるから小便器に用は無い。


大きい方用は和式のをイメージしてたけど、意外にも洋式と言うか何と言うか・・・。

和式って滅多に使う機会が無いのもあって慣れない所為かしんどいよね。

座って出来る方がやっぱ楽で良い。


でも・・・木製の長椅子に等間隔に穴が空いてるんだ・・・。

うん。仕切りとか無いんだ・・・。


いや、でも、そんなだけど戸惑っている暇は無い。


そう。

先客が居たとしてもっ・・・。



物凄い勢いで先客のイケメンエルフさんに睨まれたけど、流石に用を足しながら襲いかかっては来なかった。

そして、大きく舌打ちをして先に出て行き、外でアリスさんと言い争ってるのが聞こえて来たのでしばらく出て行きにくかった・・・。



「お待たせしました」

「いえ、問題ありませんでしたか?」

「はい」


まぁ、無くは無い。

トイレットペーパーなんて当然無くて、藁と葉っぱが置いてあったのでそれで拭いたけど綺麗に拭き切れてるかちょっと心配だったりする。


アリシアさんの家に戻り、森を出てからの話をする事になった。


「まずは生活の基盤を固めるべきですよね」

「そうじゃな」

「やっぱり冒険者ギルドとかあるんですか?」

「うむ」

「依頼を受けて魔物を討伐したり?」

「したりもするの」

「やっぱり危険だけど、その分稼げるって感じですよね?」

「そうじゃろうの」

「あぁ、でも・・・今の俺じゃ魔物の討伐なんて無理ですよねぇ・・・」

「まずは冒険者ギルドで登録するのが良かろう。身分証にもなるでな」

「はい」

「依頼は・・・今言うた魔物の討伐依頼から引っ越しの手伝いやトイレ掃除にドブさらいみたいなものまで色々あるはずじゃ」

「え?思ってた冒険者とちょっと違うっ」

「何でも屋じゃ。人が嫌がる事を生業にしとる何でも屋と思っとれば間違いはない」

「なるほど・・・」


ちょっと違うかもしれないけど派遣社員みたいな感じ?

多種多様な仕事がギルドに入ってきて、それを冒険者達がその都度仕事を(こな)していく。みたいな。


「でも、そんな危なくない仕事があるなら俺でも何とかなりそうですね」

「暴食の能力が分かるまでは大人しくしとった方が良いじゃろうな」

「逆に言えば、暴食の能力さえ分かれば魔物を狩ったり色々出来るって事ですよね?」

「能力次第じゃろうが、弱いという事は無いじゃろうな」

「なるほどっ」

「ふむ・・・日本人と言うのは、なんでそんなに血に飢えとるんじゃ?」

「えっ?日本人は平和主義ですよ?」

「どこがじゃ・・・平和に生きたいなら、折角アイテムボックスもある事じゃし、商人でも目指せば良かろう」

「あっ」

「儂等エルフも狩りはする。食べる為に狩りもすれば、魔物の討伐もする。身を守る為にの」

「はい」

「じゃが、進んで殺生は好まん」

「いやっ、あー、そっか・・・そうですね」


異世界=チートスキルで魔物を狩りまくってレベル上げまくる。ってイメージがある。

身を守る為に強くなる必要はあるかもしれないけど、どうにもイメージが強すぎる所為で視野が狭くなっていたかもしれない。


「とは言え、赤ん坊程度の強さじゃ生きていくのもままならんじゃろうからな。はっはっは」

「で、ですよねー・・・」


明日の朝、エルフの森を出て人間が居る街を目指す。

そして、冒険者ギルドで登録をして俺でも出来る様な簡単な依頼を熟しつつレベルを上げる。

それと同時にこの世界の常識やルールなんかも学んでいかないとだな。


レベルに関しては、出来るかどうか分からないけど・・・いざとなればアリスさんにパワーレベリングして貰うのも手かもしれない。


そんなガチめのチートを考えながらエルフの村に滞在する最後の夜を過ごした。



そして、翌日・・・俺は膝から崩れ落ちる事になる。


いつもお読み頂きありがとうございます。


微妙なタイトルのサウサドサン戦記ですがよろしくお願いします∠( ゜д゜)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ