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132話 scouting

商業ギルドで契約を終えてエイミーと女将さんが帰って来た。


「おかえりー」

「ただいまですっ」

「おう、おかえり」

「アンタ。ちゃんと仕事してたかい?」

「し、してたに決まってんだろ」

「だったら良いんだけどね」

「お、おう」


力関係がハッキリしてるというか、完全に尻に敷かれてる関係だな・・・。


「他にもバリエーションはあるんだよね?」

「はいっ。色々ありますよっ」

「だったら、それも教えてくれないかい?」

「はいっ」

「それのお礼は・・・夕飯に1品プラスする。それでどうだい?」

「足りないです」

「2人分だよ?2人に1品ずつだよ?」

「それでもですっ」

「だったら、何すりゃ良いんだい?」

「宿代をタダにして下さいっ」

「そりゃ、アンタいくらなんでも吹っかけ過ぎじゃないかい?」

「他のお店も真似しますよ?」

「なにがだい?」

「釜玉うどんです」

「まぁ、そんな難しい訳じゃないからね」

「商業ギルドに行けばレシピも手に入りますからね」

「そうだねぇ」

「そしたら、他のお店もうどんを出しますよね?」

「まぁ、そうかもね」」

「そしたら、お客さんの取り合いになりますよ?」

「自信満々だねぇ。そんな流行ると思ってんのかい?」

「はい」

「そういうのをね、捕らぬ狸の皮算用って言うんだよ」

「サヌキではうどんを出さないお店は無いですからっ」

「そうなのかいっ?」


そこから女将さんは腕を組み考え込んだ。


「だったら・・・この話は他の宿に」

「待ちなっ」

「どうします?」

「タダで良いよ・・・」

「それだけですか?」

「アンタがさっき言ったんじゃないかい。宿代をタダにって」

「食べ放題と飲み放題も付けて下さいっ」

「・・・2人だよね?」

「はいっ」

「ふむ・・・良いよ。但し、これで流行らなかった時は分かってるんだろうね?」

「流行りますから大丈夫ですっ」

「そ、そうかい・・・。アンタッ!しっかりこの子に教わるんだよ?」

「お、おう」


なるほど。

女将さんじゃなく、大将の方が調理担当なのか。


それなのに、この話に一切入っていかなかった事から決定権は全て女将さんにあるんだと思われる・・・。

おっさん頑張れっ。



このやり取りを聞いていた数名が気になってしかたなかったのか、うどんを注文し。

翌日の朝にも食べに来た様だ。

そして、その話を仲間内でしたのか昼時にはそこそこの賑わいになり。夜には店に入り切らず表に行列が出来る程の盛況振りだった。


その客数に比例して刺々(とげとげ)しかった女将さんの態度も軟化していき。

今では俺が食事スペースに顔を出すと座っているお客さんをどかせた上で最優先で俺にうどんを出してくれるくらいだ。


そこまでやられると逆に顔を出しにくいっ・・・。


うどん布教の為に他の店にも教えに行くのかと思っていたが。

エイミー曰く、1店の方が目立つから他所が飛び付くそうだ。

レシピ自体は商業ギルドで買う事が出来るので。後は放っておいても勝手に流行ってくれるらしい。


そんなこんなでサヌキに続いてイリコダでも空前のうどんブームが到来した。

願わくば一過性のものでは無く、定着してくれればと思う。



ここ数日は武器も防具も預けている為、ダンジョンに狩りにも行けず。

宿から出ると、他の宿や飲食店から勧誘される。それがまた、結構しつこくて面倒臭いので宿から出るのも億劫になってしまう。


おかげで、宿での待遇も日に日に良くなっていってるけど。


それでも、武器や盾の受け取りや。レザージャケットの進捗具合を聞きに行ったりとそれなりに外出はしていたが、基本的に宿に引き籠もっていた。


ゆっくり出来るのは良いが、流石に飽きて来た・・・。

なので、ダンジョンに行くのをエイミーに提案してみたが断られてしまった。


レザージャケットが完成するまで俺はダンジョンに立ち入り禁止だそうだ。

というか・・・エイミーの防具は既製品を微調整するだけで良かったので既に納品されており。

エイミーは1人でダンジョンに行ってたりする・・・ズルくない?


それも、武器のクリーニングにまだ掛かるとかで替わりの武器を借りてダンジョンに行ってる。

だったら俺も防具借りてダンジョンに行きたい。と言おうとしたが。食い気味に却下された。

解せぬ・・・。


レザージャケットの進捗を確かめに行った時に見せて貰ったデザインはめちゃくちゃ格好良かった。

ただ、俺には格好良すぎるというか・・・ロックンローラーかパンクスにしか着こなせない様な。鋲がいっぱい付いた着る人を選ぶデザインだった。


まぁ、レザージャケットって時点で似合わない気もするけど。

それでも、普通のデザインであればそれなりに良い感じになると思う。なる・・・よね?


俺が選んだデザインとは元から違う感じになりそうだったが、(すんで)の所で食い止める事が出来た。


何を勝手な事を・・・と、思ったが。

これはエイミーの好みでデザインの変更を指示されたらしい。


やっぱりエイミーとは色々と好みが合わないっ・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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