124話 if...
翌日からエイミーはサヌキ近隣にあるダンジョンの情報収集を行い。
俺はカマタマールでうどんを食べている。
カマタマールってのはこの宿の名前で。今回の事を機に改名した様だ。
釜玉に女将さんの名前マールを足してカマタマール。
そんな冗談みたいな名前で良いのか疑問に思うが本人は至って満足そうなので部外者の俺が口を挟む問題では無いと判断した。
「この出汁は・・・」
「それはエイミーに言っとくれ」
「え?」
「アンタの舌と知識は信用してるよ?」
「だったら」
「でもね。うどんの事となると聞き取れないくらいに早口になるし。情報量が多すぎてチンプンカンプンなんだよ」
「ぐっ・・・」
確かにそれは・・・中学時代に友達からも家族からも言われた事だ・・・。
「あぁ、それかメモにして渡してくれても良いよ」
「分かりました」
「待ちなっ!」
「え?」
「やっぱりメモは無しだね」
「えぇっ」
「アンタだとメモって言ってんのに辞書みたいに分厚いの渡して来そうだからね・・・」
「ぐっ・・・」
「だから、やっぱりエイミーを挟んどくれ」
「はい・・・」
情報収集を終えて帰って来たエイミーに依ると。
サヌキ周辺にあるダンジョンは3つ。
その内の1つはボス討伐以降モンスターが減少していき。
既に枯渇寸前の状態らしいので除外。
近い方は片道で半1日もあれば行ける距離にあるらしく。
もう1つも、そこから半日掛からずに行ける距離だそうだ。
「遠い方でも往復2日なら全然近いね」
「滞在しなかったら往復で1日掛からないですね」
「そんな近いんだ。何時から行く予定なの?」
「ユウさんさえ良ければ明日からでもっ」
エイミーはダンジョン大好きっ娘だからだからなぁ。
「俺は別に用事も無いし。何時でも良いよ」
「それじゃあ、明日出発でっ」
「うん」
「あの・・・」
「うん?」
「ユウさんとしは、やっぱりサヌキに拠点を置きたいですか?」
「んー、まぁ、そうだね。ここに居れば何時でもうどんが食べられるし」
「そうですか・・・」
「片道1日なら通いでも良いんじゃないかな?って思ってる」
「でも、それだと効率悪くないですか・・・?」
「クルムスさん居たじゃん?」
「はいっ」
「毎日大量に持ち込んだら怒られたし。1週間狩りして、1週間休む。そんな感じでも十分やっていけそうじゃない?」
「でも・・・」
「だったら。あ、仮定だけどね?」
「はい」
「近い方で1週間狩りして。遠い方に移動して1週間狩りして。帰って来る。とか」
「それだったら・・・」
「良い?」
「はい・・・」
「まぁ、仮定の話だし。向こうでうどんが広まれば向こうに拠点を構えても全然良いし」
「広めますっ」
「え?」
「サヌキよりも流行らせますっ」
「あ、うん」
何としてもダンジョンのある街に拠点を置きたいのか・・・。
2箇所を狩場にすれば解体の待ち時間を移動に充てて、効率良く時間を使えると思ったんだけどなぁ。
あっ・・・もしかして・・・2箇所をエンドレスで狩り続ける気なんじゃ・・・。
「エイミー」
「はい?」
「休養も大事だよ?」
「え?はい」
「疲れが溜まった状態でダンジョンに行くのも危ないしね」
「はい」
「無理して怪我でもしたら引退しないとだし。最悪、命だって。ね」
「あ、あの・・・」
「うん」
「別にそこまで狩りたいって訳じゃないですよ?」
「そうなの?」
「はい」
「え?でも、拠点をダンジョンのある街に構えて、そこでガッツリ狩りしたいんじゃないの?」
「それは、そうなんですけど」
「うん」
「移動するってなると馬も手放せないですし」
「あー」
「使ってなくてもお金が掛かりますから」
「生き物だもんね」
「だから、拠点を構えるなら、移動したりしない方が効率は良いと思いますっ」
「それもそうか・・・だったら、その2箇所をしっかりチェックしないとだね」
「はいっ」
それもそうだよなぁ。
冒険者ギルドに預けてるけど。預かって貰うのにもお金は掛かるし、飼葉代とかも別で掛かってるし。
まぁ、そこまで高いものじゃないけど長期的に考えればバカにならない。
「どっちの方が良さそうとかある?」
「良さそうなのは遠い方です・・・」
「まぁ、遠いっても馬なら1日でしょ?」
「はい」
「近い近い」
「近い方。クンビラって言う街なんですけど」
「うん」
「そっちの方がモンスターは強いみたいで。私としてはそっちの方が気になってるんですけど」
「う、うん」
「遠い方。イリコダって街の方がうどんの事を考えたら良いんじゃないかな?って思います」
「じゃあ、イリコダだねっ!」
と・・・エイミーは俺に合わせてくれてるのに、俺の方は合わせる気が無いっていうねっ。
そりゃ・・・そう言うと思った。って感じで全力の苦笑いされるわっ。
いつもお読み頂きありがとうございます。




