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121話 カモ

宿に戻り部屋で身を清めた夕食をを取りに宿の食事スペースに来ている。

が・・・目の前のエイミーとも声を張らないと聞こえないくらいに周りは大盛り上がりしている。


「あ、あのっ・・・」

「ん?」

「私もお酒頼んで良いですか・・・?」


そうだ。

エイミーは見た目に反して酒好きなんだった。

まぁ、11歳なんだから見た目に反してもクソも無いんだけど・・・。


「ちょっとなら良いんじゃない?」

「ありがとうございますっ」


エイミーはゴクゴクと喉を鳴らしながらエールを(あお)る。

釜玉うどん同様に喉越しを楽しむ物なのだろうか・・・俺にはまだ分からない。


「プハー。お代わり下さいっ」


ちょ、エイミーさん・・・ピッチ早くないですか・・・?


食事が終わってからもエイミーは飲み足りなさそうにしていたので・・・。


「俺は部屋に戻るけど。エイミーはどうする?」

「えっと・・・」

「もうちょっと飲む?」

「良いですか・・・?」

「程々にね?」

「はいっ」


旅の疲れとコボルトに依る精神的疲労もあり。

その日は横になった後、何時寝たのかも分からないくらいに直様眠りに落ちた。

が、エイミーが部屋に戻って来たのは明け方近くだった気がする。


「おはようございますっ」

「おはよう」


その割に朝から元気だ・・・これが若さか・・・。


「鰹節買って、その後はダンジョンで狩りしましょう」


oh...今日もコボルトか・・・。


「う、うん・・・」


朝食を取る為に食事スペースへと向かったが・・・酒臭い・・・。

匂いだけで酔いそうなくらいに酒の匂いが充満している。


「お、ワクが来たぞワクが」

「あ、おはようございますっ」

「まぁまぁ、駆け付け一杯」


ワクってエイミーの事か。

枠?湧く?沸く?ワクワク?なんだろ?


「これから用事があるから今は飲めないですっ」

「おいおい、ワクが何言ってんだ?俺らも良い加減ザルだと思うが、歯が立たんからな」


そうか。

ザルでも多少の引っかかりはあるけど。エイミーはそれすらも無いワクなのか。

そんな強いの?


「帰ってからならっ」

「まぁ、しゃーねぇか」

「朝ご飯2人分お願いしますっ」

「はーい」


この匂いの中でご飯を食べてもお酒の味がしそうだけど・・・。


「昨夜仲良くなったの?」

「仲良く・・・普通ですよ?一緒に飲んだだけなんで」


飲みニケーションってやつか。

つーか、子供に飲ませるなよ・・・。

俺も止めてないけど。


いや、でも・・・この人達って顔はしっかりオッサンなのに身長は低いから物凄い違和感がある。

エイミーで150は無いと思う。145くらい?

そのエイミーよりも小さいから140は無いんじゃないかな?

それで、顔はしっかりオッサンだから違和感しか無い。


それから、鰹節を買いに行ったが・・・。

どれがうどんに合うのか全く分からず。お店の人のオススメや何となく良さそうな物をいくつか購入した。


鰹節を購入した後。ダンジョンに向かう途中でもちょくちょくエイミーは声を掛けられている。

「昨日は良い飲みっぷりだった」とか「今度、また一緒に飲もう」とかばっかだけど。


「今日は」

「うん」

「5階のオークを先に狩ろうと思ってるんですけど、どうですか?」

「いや、むしろオークの方が良いんじゃないかな?」

「お肉がそこまで人気じゃないみたいで」

「そうなの?」

「はい。魚の方が人気みたいです」

「って事は買取りが安いの?」

「それもあるんですけど。量は買取って貰えないみたいです」

「なるほど」

「それと」

「うん」

「皮の買取りも安いみたいなんで。コボルトの方が楽だし、良いと思うんですよね」


これは何としても回避ルートを模索しなくてはならないっ。


「俺らが食べる分とかも取っておけば良いしさ」

「はい・・・」

「またサヌキに戻るじゃん?戻ってから売っても良くない?」

「あー、そうですねっ」

「薄口醤油を買いに戻らないとだし。あそこにはうどんもあるしっ」

「は、はい・・・」

「サヌキにはダンジョンが無いからエイミーとしては微妙だろうけど」

「そ、そんな事はっ・・・」

「あるでしょ?」

「ちょっとだけ・・・」

「そんな気を使わなくて良いって。別にサヌキに永住するつもりでも無いし」

「そうなんですか?」

「美味しいうどんが食べられればどこでも良いかな」

「調べておきますっ」

「え?何を?」

「良い小麦が取れて。醤油とか鰹節とかもあって。ダンジョンもある所ですっ」

「そんな楽園があれば拠点構えたいね」

「はいっ。頑張って調べますっ!ふんすっ」



ここが名産という事で片道10日も掛けてここまでやって来たが・・・。

鰹節に関して言えば収穫はナシ。

サヌキの鰹節屋さんで十分に事足りた。


目的は一応果たしたから・・・この街から早く逃げ出さなくてはならない。

ここのダンジョンにはエイミーがカモにしているコボが居るから・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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