12話 準備期間
アリスさんがしっかり守ってくれたおかげで事なきを得たが。聞けば、ウィンドアローもウィンドカッターも直撃してれば即死だったそうだ。怖すぎぃ・・・。
「それは申し訳ない事をしたのう」
「アリスさんが守ってくれましたんで」
「ふむ。それでアルのヤツはどうしとる?」
「まだ戻ってないんで、死んでるかもしれませんね」
「はぁ・・・まぁ、殺しても死なん様なヤツだでそのウチひょっこり戻るじゃろうて・・・」
「だと良いですね」
「・・・手心は加えたんじゃろうな?」
「殺す目的では撃ってません」
「ならば大丈夫じゃろ・・・まぁ、それはよい。ユウよ」
「は、はい」
「重ね重ね申し訳無いんじゃが。流石にこうなった以上はここに何時までも置いておく訳にはいかん」
「ですよね・・・」
「明日、1日を準備期間に当てるとして。明後日には出て行って貰う事になる。申し訳無いがの」
「はい・・・仕方無いですよね」
「そう心配せずとも、色々と持たせるで安心せい」
「は、はい。ありがとうございます」
「アリス頼んだぞ?」
「はいっ」
先程までの家に戻るのは万が一があるという事で、アリシアさんの家にお邪魔している。
「とりあえずこれを渡しておくかの」
「何ですか?これ?葉っぱ?」
「うむ。儂の守護樹の葉じゃ」
「え?もしかして、世界樹の葉みたいな感じですか?」
「なんじゃ?それは?」
「あっ、違うんですね・・・何でも無いですっ」
「まぁ、儂に縁のある者が見れば直ぐに分かる物じゃ」
「はい」
「じゃから、相手がエルフであろうとそれを見せれば歓待されるじゃろうて」
「さっき殺されかけましたけどね・・・」
「ぐっ・・・ま、まぁ・・・死なん確率が多少は上がるじゃろ」
「無いよりはマシって感じですか・・・」
「何を言うかっ。持っとるだけで擬似的にじゃがシルフと儂の加護を得られるんじゃぞ?」
「おぉっ・・・どんな効果があるんですか?」
「風属性の効果が上がるの」
「おぉっ・・・って、具体的には?」
「風属性の攻撃魔法ならば攻撃力が。防御魔法ならば防御が上がるの」
「俺、魔法使えないんですけど・・・あ、覚えれます?」
「属性魔法は素養に依るで、ユウ次第じゃな」
「って事は・・・素養が無ければ持ってても意味無いんじゃ・・・」
「ぐっ・・・ほんに日本人は失礼なヤツばかりじゃっ」
日本人・・・あぁ、グンマー帝国の人か・・・。
「風属性への抵抗力も上がるというのに、要らん様じゃの」
「いやいやいや、要ります要りますっ」
「持っとっても意味無いんじゃろ?」
「いやいや・・・」
「何をキョロキョロしとるんじゃ?」
「え、いや・・・」
アリスさんに助け舟を・・・。
「アリスならさっき出て行ってまだ当分は戻らんのう」
「いや、あの・・・すいませんっしたっ」
「感謝しとるのか?」
「してますしてます」
「そんなに欲しいのか~?」
「欲しいですっ」
「しょうがないのう~。そこまで言われたらやらん訳にはいかんのう~」
「ありがとうございますっ」
機嫌を直して貰えた様で、何とか貰う事が出来た。謎の葉っぱを・・・。
「とりあえずアイテムボックスにでも入れておけ」
「はい」
「アイテムボックス」
恥ずかしさを我慢しながら唱えてみた。
すると、拳大ぐらの大きさの黒くて四角い板が現れた。
「なんだこれ?」
厚みは一切無い様で、綺麗に真横から見ると縦線すら見えなかった。
「まだ試してすら無かったのか・・・」
「は、はい・・・」
「そこに入れたい物を近づけて、入れと念じれば勝手に入る」
「おぉ・・・ホントだっ」
「アイテムボックスに入れとっても効果はあるで、入れっぱにしておけ」
「はい。あ、ふと思ったんですけど」
「なんじゃ?」
「これって枯れますよね?」
「そりゃあのう」
「枯れたら効果は・・・?」
「無くなるの」
「マジっすか・・・」
「とは言え、10年やそこらじゃ枯れんわい」
「えっ?」
「まぁ、儂か守護樹に何かあったら分からんが。早々、枯れんから安心せい」
「はい」
異世界植物凄ぇ・・・。
「今晩は儂の家に泊まる訳じゃが」
「はい」
「どちらが良い?」
「どちらって何がですか?」
「床で寝るかベッドで寝るか」
「え?そりゃベッドの方が」
「そうか。ならば仕方無いの」
「え?え?」
「ふふふふふ・・・男子と褥を共にするなぞ何時振りじゃろうかて・・・」
「??」
「まぁ、気にせずとも良い。アリスが戻り次第、荷造りじゃからの」
「は、はい」
しばらくするとアリスさんが荷物を抱えて戻ってきた。
そして・・・。
「何を考えてるんですかっ」
「何がじゃ」
「年を考えて下さい。年を」
「何じゃと・・・?」
「お年の事だけじゃありませんっ。ご自分の立場も考えて下さいっ」
「何の事やらのう~」
「も、もしっ、それで子を成した場合はどうされるのですかっ?」
「ふむ。ユウが床でなくベッドで寝たいと言うから一緒に寝るだけなんじゃが。それで子が出来てしまうもんなのかのう?」
「え・・・」
「何を考えとるんじゃ?いや、ナニを考えとった訳か。ふふふ、これじゃから耳年増は」
「う、五月蝿いですっ」
「まぁ、そこに関しては申し訳無く思っとる。この村にはアリスと年の近いエルフが居らんで相手を見付けるのも一苦労じゃからのう」
「・・・・・・」
「さて、どうしたもんかのう。のう?ユウよ」
この果てしなく気まずい空気の中・・・いきなり俺に話を振るのは止めて下さい・・・。
「いや・・・何の話してるんですか・・・」
「ナニの話じゃよ?」
言葉遣いはちょっとアレだけど。見た目はちょっと年上の綺麗な・・・いや、めちゃくちゃ綺麗なお姉さんだから、そんな思いっ切りセクハラされるとどう返して良いのか分からなくなるっ。
「ユウは客間で。アリスは儂と寝るかの」
客間あるんかーい。
弄ばれた・・・アリスさん共々弄ばれましたよ・・・。
いつもお読み頂きありがとうございます。
小説にとってタイトルって物凄く大切だと思います。
なろう系でのタイトルは特に重要な気がします。
サウサドサン戦記。正直、面白く無さそうな気配しかしないです。自分ならこのタイトルを見て読む気にはならないですね。
ですが・・・しょうもない事を思い付いてしまったのでこのタイトルになってしまいました・・・。




