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118話 秒速30万km

カマを掛けられ。良い様に振り回されてしまった。

これで美味しくなかったら・・・と、思ったが。

うん。美味しい。


「どうだい?」

「美味しいですがなにか?」

「そんな簡単に怒るんじゃないよっ」

「え?」

「ん?」

「怒ってるんじゃないのかい?」

「怒ってないですよ?」

「だったら何なんだい?」

「うどんが美味しい。これは神が定めた自然の摂理です」

「はぁ・・・もう良いよ・・・」

「でも、ただの醤油じゃなくて出汁醤油とかでも美味しいかもですね」

「!?」

「ん?」

「アンタもやりゃあ出来るじゃないかいあ。はっはっは」

「んん??」


うどん=出汁なんだから誰でも思い付くと思うんだけどね。


それからしばらくしてエイミーも宿に帰って来た。


「おかえり」

「ただいまですっ」

「遅いじゃないかい。心配したんだよ?」

「す、すいません・・・」

「夕飯は?直ぐ食べるだろ?」

「はいっ」

「準備するから手ぇ洗っといでっ」

「はいっ」


このくらいの時間になると、宿の客と外の客とが入り乱れ始める。

宿の客は夕飯を、外の客は飲み屋として宿の食事スペースを利用する為だ。


「はい。おまちどーさん」

「ありがとうございますっ」

「あれ?俺の分は・・・?」

「アンタ・・・まだ食う気かい・・・?」

「はい。モチロン」


今まで食べられなかった分を少しでも取り戻さなければっ。


「何食ってんだ?それ」

「釜玉うどんです」

「ほーん。美味いのか?」

「めちゃくちゃ美味しいです」

「ほう。ねーちゃん、俺にも同じのくれ」

「あいよ」


護衛任務を終えたであろうペールさんが俺の隣に座りながら釜玉うどんを注文した。

ナイスセレクトッ。


「うーん・・・美味いのは美味いが・・・酒には合わねぇな」

「そうですか・・・」

「まぁ、シメだな。シメ。ガッツリ飲んでから、シメに食うには良いかもしれん」

「シメのうどん。良いですねっ」

「つーか、ミスったな。先にこんなん食っちまったら腹いっぱいで酒が飲めねぇ・・・」

「お酒が飲めないなら、うどんを飲めば良いんですよ」

「は?お前、何言って・・・」

「騙されたと思って。グイっと」

「いや、こんなもん飲めねぇよっ」

「大丈夫です。グイっと」

「おい、嬢ちゃん。コイツなんとかしてくれっ」

「うどんは喉越しですっ」

「お前もかっ!ねーちゃんコイツらどうにかしてくれっ」

「うどんは喉越しだねぇ」

「おまっ、何言って・・・」

「ほら。グイっと」

「待て、待て。飲む、飲むからっ。押し付けんなっ」

「いや、本当に美味しいですから」

「お、おう・・・」


チュルチュルチュル───。


「・・・ングッ・・・ゴフッ・・・ブフォッ・・・」

「あれ??」

「だから、無理だっつってんだろ・・・」

「なんでだろ・・・?」

「おっさんには無理なのかもねぇ」

「うっせぇわっ」

「よし。じゃあ・・・見本、見せるんでお代わりをっ」

「アンタは良い加減にしときな」

「いや、食べれる時に食べとかないとっ」

「別に明日も食や良いだろ?」

「そうか・・・無理に食べるのはうどんへの冒涜ですね。すみません」

「誰に謝ってるんだい・・・?」

「え?うどんに」

「そ、そうかい・・・」


今日の所はこのくらいで・・・。


明日からは朝うどんを食べて、10時のオヤツにうどん。お昼もうどんで、3時のオヤツもうどん。夜は豪勢にうどんをおかずにうどんを食べて。夜食にうどん。

そんな輝かしい未来を夢見て布団に入った。



翌朝、日の出前にエイミーに起こされ。

街のあちこちを連れ回された。

半覚醒の状態だったので朧気にしか覚えていないが・・・。


「「いただきますっ」」

「あいよ」


歩き回った事で普通に食べても美味しいうどんが更に美味しく感じた。


「お代わりっ」

「あ、ユウさん」

「ん?」

「あんまり時間がないから。その辺で」

「用事あるの?」

「はい」

「そっか」


まぁ、10時もしくはお昼を楽しみにすれば良いか。


「行きましょ」

「うん」

「お世話になりましたっ」

「あいよ。気を付けなね?」

「はいっ」


んん??


「どこ行くの?」

「冒険者ギルドですね」

「何か依頼?」

「馬を受け取りに」

「どっか行くの?」

「はい」

「どこ?」

「南に」

「んん??」

「うどんに合う鰹節を探しに」

「えっ?」

「昨日、言ってましたよね?」

「うん。言った」


言ったけど、昨日の今日って早くない?


「いや、ほら?旅の準備とかあるじゃん」

「済んでますよ?」

「え?」

「ユウさんのアイテムボックスに入ってますから」

「あ、いや、だけじゃなくて。消耗品とか食料とか」

「??入ってますよ?」

「え?いつ入れたの?」

「さっきですけど・・・」


なるほど。

俺が半分寝てた時か・・・。


「いつ手配したの・・・」

「昨日、商業ギルドを出てからですっ」

「そっかー。エイミーは仕事が早いね・・・」

「えへへ」



エイミーさんは仕事が早い。

いや、早過ぎる・・・。


赤ずきんの二つ名は返上して、高速のエイミーとかにすれば良いのに・・・。

光速の方が良いかな・・・?


いつもお読み頂きありがとうございます。


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