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114話 犬猿

この街の地図も既に大まかには把握しているらしく。

エイミーに案内されて昆布を取り扱っているお店へとやって来た。


「やっと・・・出汁を取れる昆布に出会えました・・・」

「そうだろうそうだろう。そんだけしっかりしたのは他所じゃ中々手に入らないからな」

「いやぁ、良い昆布ですね」


まぁ、昆布の良し悪しなんて分からないけど。


「そうだろうそうだろう。にーちゃんは良い眼をしてるからな。特別に俺のコレクションを見せてやろう」


コレクション・・・?


「これだっ!」

「お、おぉ・・・に、肉厚で大きくて凄いですね・・・」

「それはラース産の昆布だ」

「ラース?」

「ここよりももっと北の海で取れた昆布だな。それは売らねぇぞ?」

「は、はい・・・」


だったら何で見せたしっ!

あ、コレクションって言ってたから自慢したかっただけか・・・。


「オ、オススメの昆布はどれですかっ!?」


と、エイミーが割って入って来た。

マイブームなのかな?

いや・・・見るに見兼ねてって感じか・・・。


「何に使うんだ?」

「うd「鰹節との合わせ出汁に使おうと思ってますっ」」

「鰹節ぃ?あんなもん使わなくても昆布だけで十分だろっ!」


何やら地雷を踏んでしまった様だ・・・。


「それは違いますっ」

「なんだとぉ?」

「考えてみて下さい。鰹出汁ですよ?微妙じゃないですか」

「そんな当たり前な事、何を今更っ」

「そんな微妙な鰹出汁に昆布出汁を混ぜると美味しくなるんですよ?」

「昆布出汁なんだから当たり前だろっ」

「他の物でそんなに美味しく出来ますか?出来ないですよね?」

「まぁ、そうだな」

「全ては昆布のおかげですっ」

「そうだろう、そうだろう。嬢ちゃんは昆布の事をちゃんと分かってる様だな」

「はいっ。それで、値段もお手頃で美味しい昆布はどれですか?」

「そうだな。コスパを考えるとこの辺りだな。やっぱり輸送費の掛かってない地元のやつだな」

「それじゃあ、それを下さいっ」

「おうよっ」


続いて鰹節を扱っているお店に行ったが。

似た様な。いや、まるっきり同じやり取りがあった・・・。


「なんで似た様なやり取りを続けて・・・ん?あれ?お店の人も似てた様な・・・」

「兄弟らしいです」

「え?昆布屋さんと鰹節屋さん?」

「はいっ。でも、仲が悪いらしくて」

「なるほど・・・それで・・・」


どちらも出汁を取る食材でお互いに譲れない何かがあるのだろう。

兄弟なだけに余計に・・・。


「これで揃いましたね」

「うん。後は小麦だけだね」

「小麦ならどこでも手に入りますし」

「いや、中力粉が欲しいんだよね」

「小麦粉とは違うんですか・・・?」

「小麦粉は強力粉・中力粉・薄力粉に分類出来て。まぁ、細かく言えば他にもあるんだけど」

「中力粉の説明をお願いしますっ」

「うん。グルテン含有量に違いがあって。多い順に強力粉・中力粉・薄力粉で」

「はい」

「強力粉と薄力粉を混ぜて中力粉にも出来るみたいだけど。出来れば中力粉が欲しい」

「何か特徴とかは・・・」

「強力粉はグルテン含有量が多いから。水を混ぜて捏ねるとモチモチになる」

「はい」

「薄力粉は少なくて、水っぽくなる。中力粉はその中間って感じかな」

「分かりました。それじゃあ、宿に戻りましょうか」

「え?小麦粉は?」

「あ、私はちょっと用事があるから先に戻ってて下さいっ」

「え?うん・・・」


何故か俺だけ先に宿に戻る事になり。

ベッドに横になり昆布と鰹節を眺めたり匂いを嗅いだりして至福の時を過ごしていた。


ガチャ───。


「ただいまですっ」

「お、おかっ、おかえりっ」

「ど、どうかしました・・・?」

「い、いや、いきなりだったからびっくりして・・・」

「ごめんなさいっ。次からは気を付けます・・・」

「いや、ボーっとしててびっくりしただけだから」


反射的に昆布と鰹節を後ろに隠した理由は分からない。

反応は思春期男子丸出しだが・・・隠した物が微妙すぎて笑ってしまいそうになる。

エイミーにバレないようにコソっとアイテムボックスに昆布と鰹節を収納して証拠隠滅完了。


「遅くなった理由なんですけど」

「うん」


全然、遅くなったとは思ってない。

ってか、俺が帰って直ぐにエイミーも帰って来たよね?


「色々回って、ユウさんの言ってた中力粉が見付かりました」

「マジでっ!?」

「少しずつですけど、何種類か買って来ましたっ」

「おぉー」

「なんで、明日試してみましょ」

「え?今から試そうよ」

「え?もう暗くなってますし・・・」

「え?」

「ほら。ユウさんライト使ってるから明るいですけど。外はもう真っ暗ですよ?」

「え?」



街に着いたのがお昼前くらい。

冒険者ギルドでお説教を食らってお昼過ぎ。

買い食いしながら昆布屋さんと鰹節屋さんを回って2時とか3時くらい?


完全に真っ暗だから7時とかかな?だとしたら3-4時間くらい昆布と鰹節に頬ずりしたりしてたのか・・・。

体感は10分くらいなんだけど。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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