100話 enjoy play
翌朝、バッタを捕まえにエイミーと2人ダンジョンに向かった。
「今日もアマメみたいにエイミーがタンクやって、俺がトドメ?」
「はいっ。頭をお願いしますっ」
「りょーかいっ」
6階までは大量の冒険者がモンスターを狩っているので戦闘する事無くスルスルと進む事が出来たが。
7階には人っ子一人居ないので進む為にGを狩らなければならない・・・。
慣れたのは慣れたけど、やっぱりメンタルは削られる。
8階層に到着し、小休止を挟んでから狩りを開始した。
「来ましたっ!」
小型犬サイズのバッタ。形的にトノサマバッタみたいな感じだ。
ピョーン、ピョーンとテンポ良く跳んで来て。それを、エイミーが大盾で受け止める。
そして、Gの時とは違いひっくり返さずにエイミーは頭を引っ込め。
「お願いしますっ」
「ウィンドアロー」
1発でバッタの頭が吹き飛んだ。
「流石ですっ!」
「いやいや」
「周りに人も居ないから、このままアイテムボックスにお願いしますっ」
「ん?全部?」
「はいっ」
バッタも買取れる部位が多いのか。
その後も順調にバッタを狩り続けていく。
「このバッタの買取り部位ってどこなの?」
「全部です」
「え?全部?」
「はい。全部、食べられるそうですっ」
「食べっ・・・」
そうか。
イナゴとか食べるって言うもんな・・・。
だから、コイツもバッタじゃなくてイナゴなのかもしれない。
まぁ、だからって俺は食べる気は無いけど。
お昼休憩を挟み。その後もバッタを狩り続けた。
今回は俺も普通に食べる事が出来た。やっぱりGじゃなければ大丈夫だ。
頭の吹っ飛んだバッタもグロいけど、腹に穴の空いたGよりは100倍マシだった。
夕方になりこの階層にも人が増えて来たので俺達は狩りを切り上げて冒険者ギルドに向かった。
「またお前らか・・・」
「アマメは狩ってないですっ。ちょっとしかっ」
「狩ってんじゃねぇか・・・。で、それを追加か?」
「いや、バッタを狩ったんでそれを」
「ハルゴールか?」
「あ、それです」
「ふむ。まぁ、出してみろ。いや、待て・・・量は?」
「いっぱいですね」
「だろうなっ!もう良い・・・そこに出せ」
「はーい」
バッタ改め、ハルゴールを積み上げていく。
「だから潜んなっつったんだよ・・・」
「すいません・・・」
「今回も解体に時間掛かんぞ?」
「え?全部位買取りですよね?」
「卸すのに解体しねぇといけねぇんだよ」
「あ、なるほど」
「とりあえず・・・アマメの解体が済むまでは追加は受付けねぇからな?」
「え?ハルゴールは・・・」
「今回はしゃーねぇ・・・」
「ありがとうございますっ」
渋々、バッタの解体も引き受けてくれたが。
Gの解体が済んで支払いをする時に次に狩りに行っても良い時期を指定するそうだ。
「やっぱり怒られたね」
「はい・・・」
「でもさ?そんな無理して稼がなくても、アマメの買取りが済めば結構余裕出るんじゃないの?」
「それはそうなんですけど・・・」
「だったら良いじゃん。もっとゆっくりして良いと思うよ?美味しい物食べに行ったりね」
「は、はい・・・」
これに関して言うと・・・冬が明けるまでこの街に滞在したが、エイミーはゆっくりする事無く。常にせせこましく動き回っていた。
そして、3-4日に1度はグレーゾーンを狙ってダンジョンに潜っていた。
その度に怒られていたが・・・。
そういえば・・・こんな事もあった。
「おかえりー」
「ただいまですっ」
「今日はどこ行ってたの?」
「え、えっと、色々ですっ」
「そっか。お疲れ様」
ん?エイミーの口に何か付いてる。
「口に何か付いてるよ?」
ゴシゴシゴシ───。
「ご、ご、ごめんなさいっ」
「え?」
「1人で、あの栗のお菓子食べて来ました・・・」
「え?予約取れたの?」
「行ったら・・・たまたまキャンセルが出たみたいで・・・」
「そうなんだ?美味しかった?」
「はい・・・」
「いやぁ、俺もキャンセル待ちで予約してるんだけど。やっぱキャンセル出ないみたいでね」
「そ、そ、そ、そうなんで、で、で、すかっ・・・」
「んん??」
「す、す、す、すいませんっ・・・実は・・・」
実は・・・毎日、ウオデスボに通い。キャンセルが出てないか確認をしに行っていたそうだ。
ダンジョンに行かない日は朝・昼・晩と3回・・・。
それだけ頻繁に通った結果。店の人に顔を覚えられて、余った材料で無理矢理作った商品には出来無い物を食べさせて貰っていたそうだ。それも、毎日。
「ご、ごめんなさい・・・」
「良いよ。他の人には言うなって言われたんでしょ?」
「え、なんでっ」
「そりゃ、口止めはするでしょ」
「そ、そうですよね・・・」
「いやぁ、でも、良かった」
「えっ?」
「エイミーってさ?ダンジョンに行きたい。とか、武器・防具が欲しい。とかしか言わないじゃん?」
「え?はい・・・」
「オシャレな服が欲しいとか遊びに行きたいとか言わないし。そうやって息抜きというか趣味的な事があったんだって安心した」
「わ、私だって趣味くらいありますよっ」
「え、そうなの?」
「はいっ」
「どんな趣味?」
「え、えっと・・・ちょっと今は・・・あ、甘い物が好きですっ」
「あ、うん。そっか・・・」
やっぱりエイミーにはこれといった趣味は無かった様だ。
まぁ、俺もこれって趣味は無いから人の事は言えないんだけど。
いつもお読み頂きありがとうございます。
記念すべき100話目です。
特別な事は何も用意してません⊂⌒~⊃。Д。⊃ピクピク




