10話 アラフィフ
「二人ずつ勇者が現れるにしても数百年に一度とかだもんでの」
「前回で六百年前とかですもんね」
「その前ともなると、居った事は伝わっても詳細までは無理での」
「まぁ、そうでしょうね」
「儂が分かるのは傲慢と色欲だけだの」
「その二つの能力を教えて貰っても良いですか?」
「傲慢はひたすらに火力だの。槌で地面を叩けば巨大なクレーターが出来、剣を振るえば山が割れる」
「マジっすか・・・」
「色欲は催眠や幻覚等の搦め手を得意とする能力だからの、傲慢と比べると地味だの」
「でも、最終的に色欲の人が勝ったんですよね?」
「勝ったのか勝たせて貰ったのかは今も分からんがの」
「あー、なるほど・・・」
「だが、どちらも能力の全ては言うとらんかったみたいでの。色欲に何ぞあったのやもしれん」
「その二人って仲良かったんですか?」
「良かったと思うぞ。元の世界の時の学友らしいからの」
「学生だったんですか?」
「何と言うておったか・・・コーコーと言う所に通ってると言うておった気がするの」
「高校生ですか。って事は俺と年変わらないですね」
「まぁ、儂からすれば大抵は変わらんの」
「基準がっ。アリシアさんからしたら俺もアリスさんも一緒ぐらいじゃないですかっ」
「まぁ、そうだの。だがの?」
「はい?」
「あまり口は滑らさん方が良いと思うがの」
「へ?なにがですか?」
「儂はアリスもユウも一緒ぐらいだと思うが、ユウはそう思うとらんと言うたからの」
「えっ?どういう事ですか?」
「私はユウさんよりも遥かに年上の46のババアですからね」
「えっ、いやっ、そういう意味で言ったんじゃっ・・・」
「揚げ足を取って遊んどるだけだで、そう焦るでない」
「えっ、あ、はい・・・」
「アリスもそうムキに「なってないです」・・・うむ。そうか・・・」
「アリシア様の冗談に乗ってあげただけですよ」
「う、うむ・・・」
目が笑ってない。
アリスさんに年の話はNGだな。
「それでは、儂はそろそろお暇させて貰うとするかの」
「はい」
「そうじゃ。村の中は自由に見て回っても良いが、その時はアリスを随伴させるのを忘れるでないぞ」
「1人だとやっぱりマズいですか?」
「まぁ、さっくり殺されても良いと言うのなら1人で動き回っても問題なかろう」
「アリスさんよろしくお願いしますっ」
「はい」
今日は本当に目まぐるしい何て言葉じゃ言い表せないぐらいに色々あり過ぎた。
本当だったら・・・うどんをこれでもかってぐらい食べて。家に帰って夕飯を食べれずに親に怒られたりしてたんだろうと思うと泣けて来る・・・。
うどん・・・。
まぁ、それは半分冗談だけど。
一応、向こうでは死んだ事になってるだろうから。親も悲しませちゃったよなぁ。
先立って・・・は無いけど、やっぱ親不孝には変わりないなぁ。
「冷めてしまいましたね」
「え?」
「温め直しますので、少々お待ち下さい」
「あ、はい」
アリスさんが温め直してくれたナポリタンもどきを平らげ、食後のお茶を飲みながら一息つく。
「って、これ緑茶じゃないですか?」
「リョクチャと言うんですか?」
「あ、違うんですね」
「いえ、お茶はお茶なんですが。特に名前は付いてないので」
「そうなんですね」
金髪碧眼の超美形エルフが緑茶を啜ってるのって、めちゃくちゃ違和感がある。
やっぱイメージとしてはハーブティーとか紅茶なイメージだな。
「どうかされましたか?」
「あ、いや、何でも無いです」
「お口に合わなければ、他のお茶を用意しますが」
「いや、大丈夫ですよ。飲み慣れた味なんで、異世界でもお茶って言えばやっぱこれなんだなぁ。と思ってたんですよ」
「もっと発酵を進めた物やハーブを使ったお茶もありますよ」
「発酵って言うと、紅茶とか中国茶みたいな感じですか?」
「名前は無いので、どれもお茶ですね」
「あ、なるほど・・・」
「発酵を進めた物は香りや渋みが増しますね。その分、甘み等は失われるので好みが分かれる所ではありますが」
「へぇ~。アリスさんはどれが好きなんですか?」
「私は断然リョクチャですね」
「へぇ~、そうなんですね」
「この繊細な香りと甘み。そして、絶妙な渋みとのバランス。ユウさんはどちらがお好みですか?」
「えっ、あー、俺も緑茶が好きです」
「ですよねっ!」
「は、はい・・・」
正直、お茶って良く分からない。
「これはほうじ茶です」って麦茶を出されたら「あー、ほうじ茶なんだ」って思うだろうし。
何が何を持ってほうじ茶なのかも実は知らない。
玉露が高いのは知ってる。でも、飲んだ事は無い・・・と思う。
煎茶とか番茶とか何がどう違うのか興味を持った事が無いから分からない。
日本茶と中国茶と紅茶は元は同じだけど、発酵度合いが違うだけってのは朧気な記憶だけど聞いた事がある・・・気がする。自信は無い。
「それで、これからどうしますか?」
「え?どうとは・・・?」
「村の中を見られますか?」
「あー、どうしましょう?」
「基本的に私かアリシア様が居ない時は出歩けないと思いますので・・・」
「そんな嫌われてるんですか?」
「はい。私は戦争を知らない世代なので、そこまで意識する事は無いんですが。戦争で家族を亡くされた方等はやはり人間を恨んでいる場合が多いですね」
「なるほど・・・」
「ユウさんが何かをした訳では無いというのは当然理解しています」
「はい」
「ですが、頭では理解出来ていても納得出来ないといった感じだと思いますので・・・」
「まぁ、そういうのは理屈じゃないと思うんで仕方無いと思います」
と、なると・・・なるべく早くこの村から出るべきなんだろうけど・・・。
「とは言え、エルフは基本的に温厚な種族ですので。殺傷力の高い魔法をいきなり撃って来たりは早々無いと思います」
「そうなんですね。だったら、簡単に案内をお願いします」
「はい」
お腹も膨れて実はちょっと眠気が出て来てたりするから軽く歩いて眠気覚ましをするのも良いかもしれない。
それに、エルフの村なんて次には何時来れるかも分からないし。来た所でまた捕まるのがオチって気もする。
ようやく再開です・・・。
ジャスト1年振りです。
テンプレがようやく完結したので再開させようと思い、読み返してみたらほぼほぼ1年止まってたので。折角だし、再開するならこのタイミングだな。と、言う感じです(・∀・)
毎日更新ではありませんが、完結まで休まずに書く予定なのでよろしくお願いします((o(´∀`)o))




