はじめましてキノコ人間です
お目汚しです。
失礼します。
キノコ人間を知ってかい?
頭にキノコが生えた、新人類のことさ!
髪の毛に胞子が寄生してね、キノコが生えるのさ!日替わりでね。
たまにマッシュルームみたいな髪型の人を見かけるだろ?その人は、キノコ人間になる進化の途中なのさ。進化の過程を垣間見ることのできる貴重な人間なんだぞ。
でも僕はそんな人とは違う、完全なキノコ人間なわけだ。
マッシュルームみたいではなくマッシュルームなのさ。一ヶ月に一回の頻度でね!
そんな僕をイメージできない人は、アン○ンマンのキノコ版を思い描いてごらん。だいたい正解だからさ!
そんな僕の名前は榎田 新一、高校2年生さ。
僕の日常生活をチラッと紹介して行くよ。
私立 竹乃子高等学校、通称、タケ高。
ここが僕の通う学校さ。えっ、キノコ高校じゃないのかって?
君の疑問も当然だね?
僕がタケ高に通う理由、それはね敵情視察さ!
君たちもキノコとタケノコの間には長い因縁があるのを知ってるだろ?
それぞれの里の間で争いが勃発してるんだ。どこのNARU●Oだよって話さ。
それで僕はキノコ代表として明●に黙って勝手にタケ高に潜入したんだ。
僕は高校3年間できっとタケノコの人気の秘密を暴いてやるんだ。
だってあいつら強すぎるもん。明●が公式に選挙行ったら今(4月8日18時現在)で50%を超える支持率をタケノコが独占してるんだぜ!
2人に1人がタケノコ派のわけよ。
ちなみにキノコ派は33%だ。
このままじゃキノコは必要とされない日も近いよ。
悔しくて自然と涙が出るよ。
「榎田君、どうして泣いてるの?大丈夫??」
「いや何でもないよ。涼子ちゃん。ただ必要にされる人間にたいなって思って」
「榎田君はキノコだよ」
そうだキノコだった!危ない危ない、危うく自分を見失うところだった。
僕のことを心配して声をかけてくれた女の子は、佐々木 涼子ちゃん。僕は『涼子ちゃん』と呼んでいる。
美人で、笑顔がかわいい。
北イタリア産白トリュフ50キロと涼子ちゃんどちらをとるかと聞かれたら、迷わず涼子ちゃんをとるね。
あっ、でも100キロだったら迷うかも!
「榎田君、今失礼なこと考えてなかった?」
「そっ、そんなことないよ涼子ちゃん」
「ふーん、まぁいいわ。そういうことにしといてあげる。それよりも今日は舞茸なんだね」
「そうなんだよ。綺麗な傘が大きく開いてかっこいいだろ?こんなナイス舞茸みたことだいだろ?」
「そもそも喋る舞茸を初めて見たよ。頭が舞茸だとアフロみたいだよ。そんなことよりももうすぐ授業はじまるよ。早く席に着きなよ」
軽く流されてしまった。涼子ちゃんにはこのかっこよさがわからないらしい。解せぬ。
始業のベルが鳴り、席に着く。
黒板に書かれていることをノートに写す。
すると
後ろの席から声があがる。
「おい、榎田!!その頭が邪魔で黒板が見ねえよ。頭どけろ!」
「ご、ごめん。すぐにどけるよ」
僕は頭を左にどける。
「榎田君は邪魔よ。勉強の邪魔しないで!」
同じような苦情の声が女子からあがる。僕は慌て今度は頭を右に傾ける。
「黒板が見えん!!邪魔だ」
しかし同じように邪険にされる。
「邪魔だ!」
「邪魔よ」
「邪魔」
「邪魔!」
クラス中から邪魔と言われ、僕の心が折れる。
僕はその日の授業を机に頭を伏せて受けるのだった。
みんなから必要にされるキノコになりたい。
〈今日の教訓〉
キノコ人間に席変えの権利はない。
私はタケノコ派