表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風人  作者: 水芦 傑
第三話 交わる二つの頂上
37/41

二手に別れて

「私たちも進もうか。サユハ」

「うん!」

 サユハとレロイは右側の塔へ歩を進めた。

「あっ!」

「お主たちは…」

 塔の中はまるで左側の塔の造りを完璧に再現したかのように、広場と上へ続く階段だけがあった。そして、塔の中には案の定、ドギとジガンが佇んでいた。

「いつかの腹立つ奴の仲間じゃねぇか。てことはあのバカたけぇ賞金が懸けられてるあいつもいるんだな?」

「お主は…誰だ?サユハの知り合いなのか?」

「うーん。確か、どっかで会った気がするんだけどなぁ…思い出せないや」

「てめぇら、名前を忘れるだけじゃなく、俺の存在まで思い出せねぇのか!?」

「まぁまぁ落ち着けって」

「あっ!」

 ジガンがドギを宥めている時にレロイが何かを急に思い出した。

「やっと思い出したか」

「久しぶりではないか、ジガン!」

「俺様じゃねぇのかよ!!」

「おぉ、久しぶりだな。レロイにサユハとか言ったお嬢ちゃん」

「でもこんな所で何してるんですか?」

 ジガンは横目でドギに一瞬だけ視線を移した。ドギはその体格からは想像できない落ち込み方をしていた。

「ちょっとな、ここの頂上が目当てでね」

「そうなんですか。あっ!じゃあ一緒に行きましょうよ!ね、レロイもその方がいいと思うよね?」

「確かに人数は多い方が心強いであろうな」

「そうしましょうよ!ジガンさん」

「なぁ、ドギ。どうする?」

 ドギは落ち込みから立ち直れず、ジガンの声は届いていなかった。

「おい!ドギ、いつまでそうしてるつもりだよ!タリィたちも進んでるだろうし、俺たちも急いだ方がいいだろ。だから、さっさと立ち直れよ」

「あ、あぁ。そうだよな。どうせ俺様は存在感のないただ図体がでかいだけの男だよ」

「ありゃダメだな。完全に人の話聞いてない。ったく、俺らのリーダーなんだから少しはちゃんとして欲しいもんだな」

「ねぇねぇ、なんでもいいから早く行こうよ!」

「確かにここで時間を潰すのは得策ではあらぬな」

「そうだな。ドギ、行くぞ。ちゃんと付いてこいよ」

 ドギを除く三人は階段に向けて歩を進めた。ドギも遅れて、それに続いた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ