レッツ転生
前回のあらすじ。
え、俺の転生先最悪。
ああああああああああああああああ!!!!
やっちまったァ!!
なんかそんな気はしてた!してたけどさァ!
まさかホントにそうなるとは思わねーよ!
アロニス笑ってんじゃねーよぶっ飛ばすぞ。
あ、アシュリーさんは気の毒に見てくれてる。その優しさ好き、でもこの結果は変わらないんだよね。
「いやー、ホントに黒の庭引き当てるとは思わなかったよ。びっくりびっくり。」
「いや、良くねーよ?!お先が既に真っ暗じゃねーか!生まれる前から人生詰んでるわ!」
「おいおい、動揺しすぎてさっきまでの敬語忘れてるぜ☆
もっと前向きに考えよーぜまこっちゃーん。」
そんな感じでアロニスが茶化してくる。笑顔がウザイ。
まぁもちろん怒ったさ。そして俺の怒りをアロニスに語ったよ。こぶしで。
アロニスは吹っ飛んだ。
「びっくりするなぁもう。いきなりグーはないでしょグーは。」
「うるせえ、こちとら逆ギレとは分かってる。でもちょっと殴りたくなる顔だった。」
「ひどいなキミは!この綺麗なお顔が潰れたらどうするんだよ。」
「黙れ!もうテメーなんぞに敬語なんざ使わねーよ!」
因みにこのやりとりの間アシュリーさんは微動だにせず俺に哀れみの視線を向けていた。
ああ、止めて、そんな目で見ないで。
落ち着いたところで俺は話を切り出した。
「転生先って変えらんねえの?」
「それは不可能です。一度決めた転生先は残念ながら変更出来ないのです。真琴様は黒の庭に転生するしかありません。」
くそー、やっぱ無理か。俺なんか前世でやらかしたかなぁ。それとも異常者だからかなぁ・・・。んー、でもそれは関係なさそうだ。記憶持ちの魂ってだけだし。
というかアシュリーさんいつまで哀れみの目で見てくるんですか!
「流石にちょっと異常者と言えどもこのままじゃ可哀想だね。
ふむ、じゃあ特別にキミにいいものをあげよう。」
ん、なんだ?特別なもの?
あれか、スペシャルなアイテムとかか?
「キミには僕達二人からそれぞれスキルをあげよう。」
はい?スキル?何じゃそりゃ?
「スキルってなんだよ?あれか、ゲームとかにあるやつか?そんなもんあんのかよ。大丈夫かアロニス。」
「遂に呼び捨てになるまでいったかー。」
ちょっとアロニス凹んでるな。いい気味だ。
「スキルってのは君の想像通りのものだよ。世界によって呼ばれ方は違う。ボクらは便宜上スキルと読んでいるんだ。他のだと神通力だとかパワーだとか呼ばれてるよ。まぁ言うなれば特殊能力みたいなものかな。例えば炎系のスキルだと火を出せたり、土系のスキルだと土の塊を操れたりとかね。」
ふむ、俺の想像通りか。じゃああれかな?ファイアー!とか言って炎出せたり、エクス〇リバーとか叫んで光のビーム出せんのか。面白そうだな。
「ちなみにスキルは実はどの世界にも存在する。そう、君の元いた世界にももちろんね。」
おおっと?重大発言がサラッと出たぞ。
「俺の世界にも?そんなもん見たことねーぞ。」
「それはきっとキミの世界の人間はスキルに適性がほぼほぼ無かったということだろうね。でも少なくとも確実に存在したはずさ。超能力者とかいたんじゃないの?多分それはスキル保持者だよ。」
じゃあ多分ユリ・ゲ〇ーさんとかはスキル保持者かな。あとMr.〇リック。加えてマギー〇司。
「もしくはキミの世界において秘匿したかったってのもあるかもね。
そんな感じなのがスキル。
そしてそれを君にあげようというのだー。」
おー、マジか。かなり嬉しいぞ。俺も漫画とかで憧れてたからな。
「じゃあアシュリーからあげて。なんでもいいよ。」
あ、俺が選べるんじゃないのか。ちょっと残念。でもアシュリーさんから貰えるならなんでも喜んでもらおう。
「いいんですか局長?」
「いいよー、好きにやっちゃって。」
「仕方ありませんね・・・。
では、最低限生きていく上で重要なのは情報です。その為にもこのスキルを真琴様にあげます。」
そう言って1枚の紙片を棚の本から取り出した。
何じゃそりゃ?
それを受け取るとぱっと光になって消えた。
わけわかめ。
「それは連結紙片。スキルを譲渡する時に使うもんだよ。アシュリーは何あげたの?」
「私は黒の庭で言う【図書館】を渡しました。これで少しは楽に生きられるでしょう。」
【図書館】・・・。戦闘スキルじゃ無さそう。でも、あれっぽい。よくある鑑定スキルみたいなやつ。じゃあめっちゃ重要じゃん。ありがとうございますアシュリーさま。
「へぇ、なかなかレアなのあげたねー。んじゃあー、ボクはどれにしようかなー。」
そう言ってアロニスは本棚をガサゴソやる。
あーあー、散らかして。片付けるの誰だと思ってんだよ。多分アシュリーさんだろうなぁ。頑張れ。
「よし、これだね。」
そういってアロニスは連結紙片を投げてよこした。当然取ったら消えた。
「ボクからのスキルは秘密にしておくね。あっちに転生してからのお楽しみってことで。」
なんだと。わけわからんスキルだと。こえーよ。
アロニスからのって絶対ろくなもんじゃないだろ。
「スキルの使い方はあっちに産まれたら自然とわかる。楽しみにしていたまえ。」
全然お前のスキルは楽しみじゃねーよ。
「スキルも無事渡せたことだし、じゃあそろそろ転生しようか。アシュリー、準備出来てる?」
「滞りなく。」
「え?もう転生するの?早くない?」
「いや、これスキルの譲渡とか普通ないから遅いほうだよ。黒の庭行きが可哀想だから渡してるだけだし。」
そう言えばそうだし。その点はアロニスに感謝をしよう。精一杯の感謝を述べてやろう。
「今度キミが来る時は黒の庭で死んだ時だ。その時は多分記憶ないだろうけどね。出来れば早くここには来ないでくれよ。」
「ああ、わかったよアロニス。少しばかりの付き合いだったがありがt」
「転生スタート!!!」
ガコンッ!!!
そんな音とともに下の床が無くなった。
ここに重力があるのか知らんが落ちてる感覚はあった。つまり、自由落下だ。
「テメー、アロニス!!!今度あったら覚えていやがれぶん殴ってやるー!!!!!」
アイツの笑い声が聞こえた。ほんとにぶっ飛ばしてやる。俺のさっきまでの感謝を返せ。
そうして落ちて落ちて落ちてどこまでも落ちて、
バァン!!
底にぶつかった。底あんのかよぉ・・・。そうして俺は意識を手放した。
あれ、転生したんじゃないのか。
真っ白なとこだぞ。またか。
おいおいアロニスのやろー転生させるつもりが勢い余って殺したんじゃないだろうな。そうなら歯を引っこ抜いてやる。
そんな考えをしていると、ぼんやりとした人影が出現した。
おわっ!なんだ何だ?
ビックリして後ずさった。つもりが体が動かない。あれー?
『驚かせたようですね。私は黒の庭の・・・あー・・・うーん・・・そう!天使!天使です!』
自称天使の人影が話しかけてきた。脳内に。
こいつ、直接脳内に・・・!
『はい、あなたの脳内に直接話しかけています。
そのような些事は置いといて、時間が無いのです。』
ん、状況が掴めない。どうなってる?
『ああもうじか・・・が。単刀直入にいい・・・す。
アロ・・・の・・・・・・をかき・・・えました。
そのせいであな・・・の転生が・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・だけは信用しないで・・・おねが・・・。』
ブツン
その言葉と共に人影は消えた。
最後の意味深なセリフはなんだ?
アロ?アロニスか?奴がどうした。
誰を信用してはいけないんだ・・・?
考え込んでいると真っ白い世界が闇に覆われ黒となっていき俺の意識は闇に飲まれた。
この時の話が重要なことにつながるなどと、当時の俺には分からなかった。
「局長・・・、アロニス。なぜ彼を黒の庭に送ったの?」
「何のことかなアシュリー?」
「とぼけないで。あの装置にいかさまかけたのは知ってるわ。必ず黒の庭に転生するように細工したわね。」
「あらら、バレてたのかー。アシュリーはよく見てるねぇ。」
「茶化さないで。何でなの。」
「それはあの子に与えたスキルが関係してるかな。彼に与えたスキルは死者行軍。死者を蘇らせ使役するスキル。このスキルを転生したての赤ん坊が制御できると思う?暴発して死者の群れが生まれた国を破壊し尽くすよ!」
「悪趣味ね。それでどの国を滅ぼすつもりなの?」
「どこでもいいのさ。あの世界に刺激をもたらしてくれるならさ。あの世界はつまらなさ過ぎる。なんでもありだろうと不変はつまらない。だからボク自ら刺激を与えて活性化させようとね。」
「あなたの暇つぶしに付き合わされたあの子は不憫ね。それに黒の庭も。」
「まぁ何だっていいでしょ。運が悪かったってだけだし。
それに、
ボクの作った世界なんだからボクがどうしようと自由だろ?」
目が覚めた。
今度は転生したらしい。
どこの家だろうか。多分人に転生してるだろ。そんな口ぶりだったしアロニスは。
そう思ってあたりを見渡す。
一面青。
いや、家じゃねーなこれ。
ん?家じゃない?
じゃあここは?一面青・・・そういえば冷たい・・・体も少し重い・・・。
・・・水中?!
息できねぇ!!
急いで上へ上がろうとする。
でも全然上がれない。
何故だ!?
ふと気づいた。
息できてるわ。
ん?なんで息できてるんだ?
ふとイヤーな予感がして自分の手を見る。
マンガの触手みたいなのが視界に入った。
うーん?ナァニコォレ?
しかも俺の意思で動く。
・・・これってもしかして俺の腕?
サーっと血の気が引く、感じがする。
そんな俺を感じ取ったのかスキル【図書館】が発動する。
それは俺の種族とも呼べるものだった。
プランクトン RANK F
はぁ?
プランクトン・・・?
俺が・・・?
あ、俺の転生詰んだわ。生きてけねえよ。
いや、マジで無理ゲーだよ!?
6月7日 Lv.1→RANK F に変更しました