死後の世界転生局異世界課
死後の世界 転生局 異世界課
そう書かれた看板の前に俺は立った。
いや、なんだよこれ。ラノベみたいな展開じゃねーか。とりあえず俺が死んでるのはわかってる。だって死後の世界って書いてあるし。
ここは死後の世界なんだろう。
でも何で意識と記憶があるんだ?
訳分からん。でもまぁ動いてみないことには始まらないか。
とりあえず看板の先へ進むとしよう。
看板の先には真っ白な建物があった。俺が部屋だと思っていたこの場所は全然部屋じゃなかったらしい。距離感つかみづらいなここ。
というか真っ白な世界に真っ白な建物て。分かりにくいわ。何じゃここは。
そんなことを内心で愚痴りつつ門をぬけて建物の中へ。
そこで思わず声が出た。
「は?」
建物の中に入り目に飛び込んできたのは、役所だった。うん、市役所やん。でもそんなことじゃ驚かない。いや、嘘、びっくりした。でもそれ以上に驚くことがあった。
そう、明らかに人間じゃない者が役所の中にいっぱいいた。いっぱい。たくさん。
頭に角生えた人や羽生えた人、人型だけど関節が人間の5倍はあるようなヤツ、真っ黒で怖そうなオーラ撒き散らしてるヤツ、なんか魔王みたいな外見のヤツ……。
えー。なにここお。明らか場違いじゃん俺。角も羽もないよー。というかここどこだよー。帰りたいよー。まぁ多分帰れなさそうだよね。
そんなこんなで唖然としていると白い制服を着たきれいな職員さんが俺になにか貼ってった。
見てみると貼られたのはどうやら番号のようだ。
11489
数字は一緒なのか。11489、多分整理番号だと思う。
お役所だよこれ。整理番号て、オイ。
今何番だろ……11064か。あと415人いるのかー。長いなー。いや、何年かかるんだよ。自分の番回ってくるまでに1日以上かかりそうじゃん。
そんなこんなしているうちに職員さんは後ろの人達にも整理番号をペタペタ貼っていく。
…ちょっと職員さんにここ何なのか聞こうかな。
いや、まて、まず言葉通じるのか?どう考えてもさっき黒オーラさんとか言語喋ってる気しないんだけど!大丈夫?日本語おーけー?イケル?いけるよね?!
そんなこんなでウダウダしてました。
結局職員さんを見失いそうになったので慌てて駆け寄って声をかけることにした。えーい、いちかばちかじゃー!!
投げやりになりながらもおずおずと声をかけてみる。
「あのー、すみません。ここはどこなんでしょうか?」
おし、バッチリ聞けたな。これで美人職員さんも不快には思うまい。ふはははは。……日本語通じればね☆
そんなアホな事考えていて、美人職員さんみてみると、美人職員さんめっちゃビックリしてんだけど。
え?日本語ダメだったのか?なんかアレだったのか、日本語は禁忌の言語だったりとか?んなアホな。
あー、彼女青ざめちゃってる。どーしよ。
そんな風に混乱してると彼女はハッとして、
「少々こちらでお待ちを!!」
そう言ってぱたぱたと走ってった。
うーん、聞こえたの日本語だったな。ということは日本語禁忌の言語説はなさそうだ。まぁ、あっても困るんだけど。日本語を聞いてちょっとは落ち着いたけどそれでもこの状況は変わらない。
ピンチだな!
逃げるかー?あー、でもこちらでお待ちをって言われてんだよなぁ。美人さんのいうことは聞きたい。よし、待とう。騙されたとしても美人さんなら許せる。ま、あんな青ざめてたら騙す余裕なさそうだけど。
そんなこんなで待つこと15分くらい。さっきの美人職員さんが帰ってきた。
「お待たせしました。こちらへ付いてきてください。」
と、言われた。
まぁ美人さんのお誘いにはのりますか。これから行く場所は多分イイトコじゃ無さそうだけどね。
そう考えながら美人職員さんについてった。
そして着いたのはある部屋の前だった。
プレートにはこう書いてある。
局長室
…………何でこうなった。