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波動の龍者  作者: ケイマ
第3章
81/81

全て終わった後

今回少し短いです

6時更新に遅れてすみません

「話の前にマサ2がどこで何をしていたかだよな。俺の波動で察知は一応出来るけど、波動の察知は凹凸しかわからないからそれが本当にマサ2のアジトなのかという確証が持てない。」


「創也ならそういうのわかるよ!今気失ってるけど。」


「そうだね…脅威は去ったことだし急ぐこともないんじゃない?少し馬車で休んで行こうよ。フワンちゃんとか零断さんも疲れてるだろうし。」


ユニが一度休まないかと提案をする。

しかし、


「いや、俺は特に力使ってないから大丈夫だ。」


「私はご主人様に従います。」


「……」


ユニはジト目で零断を見る。

その目に対して零断はいいことを思いついたかのようにいたずらな笑みを浮かべる。


「あーそういうことかー。ユニが疲れたから休みたいのか。それならそう言ってくれればいいのに〜。」


フワンも零断の顔を見てその話にのる。


「そういうことですか。ユニさん。しっかりと思ったことは言ったほうがいいですよ。」


「んもー!!2人ともひどいよ!ただの善意で言ったのにどうして私が休みたいってことにするのさ!」


ユニが頬を膨らませて怒ると全員に笑いが広がる。


「ごめんごめん。ユニが可愛かったからついいじっちゃった。さて、とりあえずユニが休みたいみたいだから馬車に戻ろうか。」


「だから私は別に休まなくても大丈夫だって!もう!」


「ユニさんのいじり方。勉強になります。ご主人様。」


「いやフワンちゃん?!?!そんなこと勉強しなくていいからね?」


「いえ、そこはやはり学ばなければいけないところですよ。ユニさんがご主人様に弄られるとみんなが笑顔になりますから。」


「う…そ、そうなの?」


ユニは周りを見渡す。

そこには全員の笑顔があった。


「うぅー!なんか納得いかない!」


「はぁ、ユニは疲れて怒りっぽく…」


「なってない!」


「そんなに声出したら創也様が起きて休まなくなりますよ。」


「いや、別に休まなくてもいいんだからね!」


そしてここについに紫苑も参加する。


「え、ユニちゃん。そうちゃんが起きたらすぐに働かせるの?」


「もうー!紫苑ちゃんまで!」


もう一度零断たちから笑いが漏れる。

マサ2という事件の元凶がいなくなったことで気が緩んでいるのだろう。

一つの事件を解決したので気が緩んで仕方のないことだろう。また、緩みすぎるとこうなる。


今まで笑っていたフワンが突然倒れる。

寸前で零断がフワンを抱きとめる。

他の人は何も予兆がなくフワンが倒れるので反応できなかった。


「やっぱり無理してたか。ったく、迷惑かけないようにするのはいいけど、こっちの方が心配するんだよな。少しくらい素直になってほしいものだ。ユニ、馬車呼んでくれるか?歩くつもりだったけど、2人も背負うのは創也を一方的に雑にしちゃうからやめとく。」


「え、あ、うん。…って、フワンちゃん大丈夫!?!?」


零断が自然に受け止め、自然に話を振ってくるのでつい素っ気なく返すユニ。しかし、起こった状況を頭で理解すると大きな声を出して心配する。


「しーっ!疲れてるんだから休ませてあげろよ。とりあえずユニよろしく。」


零断に釘を刺されてしゅんとなりながらユニは片耳に手を当てる。

ユニ曰く念話するときは片耳に手を置くことでその言葉より聞こえるらしい。それを聞いた以降、できるときは全員念話するときは片手を耳に当たるようになった。

ちなみに今やってる念話は自分の使い魔に送れる念話である。決して誰にでも送れる零断のようなものではない。


「もともとこっちに向かってたみたい。もともと近いから本当にすぐに…きたね。」


ユニの話途中に村の方面から馬車を引いたクラウドとそれを守っている風雅がきた。


「うぉん!」


『お待たせしました。乗ってください。」


零断は馬車に創也をフワンを寝かせながらクラウドと会話をする。

次いでユニたちが馬車に上がって2人のしっかりとした寝床を作って寝かせる。


「ああ。サンキュなクラウド」


『いえいえ。フワンさんも創也さんもただ気を失っているだけのようですね。皆無事で何よりです。』


「ああ。そっちは何もなかったか?」


『はい。フワンさんが創也さんを連れて、ユニさんが紫苑さんを連れて、零断さんがマサ2さんを連れて出て行って後、何もありませんでした。』


「そうか。それなら良かった。風雅もありがとな。」


「あぅーん!」


零断は2人をユニと紫苑に任せた後、会話をしながら風雅の頭を撫でる。

それを風雅は気持ちよさそうに目を細めて堪能する。


「うちのメンバーは頭撫でられるの好きだよな。」


『頭が撫でられるのが好きなのではなく好きになったのでは?貴方がいつも褒めながら頭を撫でるので好きになったのでは?』


「あはは、それはあるかもな。俺の頭撫でる癖が原因か。この癖は涼音が頭撫でられるのが好きだからついた癖なんだけどな。他の奴にも移っちゃったか。まぁいいか。取り敢えず俺はこの辺の木を切って少しの間過ごせるようにするよ。あと、魔物が意外と多いな。というか一つの場所に集まってる。もしかしたらそこがマサ2のアジトの可能性もあるな。よし。風雅行くか。」


「うぉん!」


『ほどほどにしてくださいね。』


どんどん話を進める零断に少し呆れながらクラウドは見ているのであった。


ーーーーーーーーーーー


「それで、こんなに帰ってくるのが遅くなったの?」


「ああ。」


「当たり前だよ!零断さんだって戦ってるのにそんな無茶しちゃダメだって!」


森の散策から帰ってきた零断と風雅は現在ユニに叱られている。

ユニもクラウドから聞いてすぐ帰ってくると思ってたら5.6時間帰ってこなかったのでものすごく心配したのだ。

零断と風雅が馬車へ帰るとユニがすごく心配した様子で出てきたのだ。


「…そうか。流石に長すぎたか。ごめんな。」


零断はユニを抱き寄せながら謝る。

それでもユニは珍しく怒っている。


「許しません。ここまで心配するのは久しぶりだよ。簡単には許さないよ。」


ぷんぷんしてるユニに苦笑いしながら零断は言う。


「どうすれば許してくれる?」


零断は風雅に馬車の中へ入ってもらいながらいうと、ユニは少し恥ずかしがりながら答える。


「今、紫苑ちゃんは創也さんと一緒に寝てるんだ。だから外でならイチャイチャできるから…零断さんがいるって安心させて。」


顔を少しそらして言うユニの頰を片手で挟んで自分の方を向かせる。


「ったく。こんな可愛いことして。」


零断は未だ目をそらしているユニの口を口で塞ぐ。

ユニは待ってましたかというようにその口を堪能する。


「ん…はぁ…んちゅ……」


ユニは体全体を零断にくっつけて絶対に話さないというかのように抱きしめる。

零断もユニの頬を挟んでいた手で頭を撫で始める。

やがて2人とも同時に口を離す。


「…これで満足か?」


「うん。ありがと…」


ユニは零断に抱きつき、次は怒っているからではなく恥ずかしいから顔をそらす。


「ユニ。実はキスしたかっただけだろ?」


「そ、そんなことないよ!だけではないよ!すごく心配したのも事実だよ!」


ユニは講義するように零断の目を見ながら言う。

零断は向けられたユニの目をじっと見つめる。

ユニも負けじと見つめ合う。


すると零断が言葉を放つ。


「こういう流れになったからチャンスだと見て俺とくっつきたいだけかと思ったけど、マジで心配かけたみたいだな。本当にごめんな。」


「うん。わかればよろしい。多分紫苑ちゃんも他の2人も朝まで起きてこないよ?」


「俺に野外の興味はないからな。まずまず野外でやる人は見られると興奮する人達だけど、俺は俺以外の男に見られるなんて持っても他だからな?」


「な、なんの話をしてるのかな?普通に2人で一緒にいよって言っただけだよ…?」


「…ユニってもしかして…やりたいの?野外」


「やりたくないよ!私は零断さん以外に見られても興奮しないし、私は一途だよ!!!!」


「そうか…ユニはやりたいのか…絶対にやらないけど。」


「違う!違うってばもう!零断さんのバカァー!」


ユニは零断の胸をポンポン叩きながら反抗する。

そんなユニを無理やり抱きしめながら零断はユニに囁く。


「…やりたい?」


ユニは顔を真っ赤にして頷く。


2人の夜は長い。




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