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波動の龍者  作者: ケイマ
第1章
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王都の使者と『TETUYA』


波動を練習、研究し、うまく使いこなそうと思い訓練を始めた日から数日。零断は大きな壁にぶち当たっていた。波動は確かにサーチなどの支援、偵察等の事もできるし、具体化して攻撃にも使える。しかし、そのイメージができるなら、だ。一度も使ったことがないし、グレンのように個人職が属性を持っているわけでもない。想像のしようがないのだ。

午前中はグレンとノーバフでの剣の稽古。波動の練習は午後からだが、数日間のそのすべての時間を波動について考えていても一つもアイデアが浮かばないのだ。某モンスターを赤と白のボールに入れるアニメの

【波動の力を見よ!ハァぉぁ!!!!】

を真似してもできる気配がない。地味に

【結構あのキャラ好きだったから嬉しかったのに………】

と落ち込んでいる。

そしてこの日もいつも通り、午前は剣の稽古、午後は波動についてを考えるつもりだったが、外に出ようとしたらセリアに止められた。そして、セリアは

「少し待っていてください。嫌な予感がします」

と言って家を出て行ってしまった。

【嫌な予感がするのに待ってないといけないのかよ】

と、少し思いながら、家で魔法の訓練を開始した。


ーーーーーーーーーーーーーー


一時間汗をかいたあと、リビングに戻る。すると、同時にグレンを連れたセリアが帰ってきた。

「おかえり、セリア。あと、なぜグレン?」

「それは今から説明します。少し厄介なことになりました。」

【うわぁ〜やっぱり異世界転移というものは転移した側は休む時間があんま無いんだなぁ…】

と、内心思いながらも続きを促す。

「今、王都の役人がこの街に止まりに来ています。遠くへの遠征と言っていますが、本当の目的は勧誘だと思います。そして、勧誘とは優秀な人材を連れて帰るということ。つまり、今まで目をつけていた人以外にも新しく才能を持った人を見つけるというものでもあるのです。そして、零断がその役人に見つかったら、」

「グレンと同じように熱心に勧誘されるってわけか。」

「その通りだ。というわけで、零断はあの役人が帰るまで外出厳禁な。」

上からセリア、零断、グレンである。

「まぁしょうがないか。というか、思ったんだが、王都の仕事を見にいくという名目で王都に行くこともできるのか?」

「出来るだろうな。あいつらは[見にくるだけでもいいですから!]って言ってるし。」

「ふーん。ならさ、俺は旅の拠点をここにするつもりなんだけど、情報収集のために王都に行くっていう手もあるのか。」

「確かにそう考えたらそうだな。まぁ、お前が行くなら心配だから俺も行くぜ。」

「心配性だな。そんなにガキじゃねーっつーの。まぁ、といっても、まだ実力が足りない。せめて少しは波動を使えるようになってからだな。」

「たしかにな。個人職を持ってるのにその技を使えないのは流石にな。」

と言って、伝えたいことが終わったからかグレンが家を出ていくために席を立つ。そこに零断がストップをかける。

「あ、あと、暇だから後でウィリアムを呼んでほしい。自分用の剣を作りたいんだ。」

「確かにそれも重要だな。了解した。後でよんでおこう。」

「頼んだ。はぁ。俺は今日から数日ニート化するのか…波動をひとつで良いから完成させないとな。」

数日のニートが確定してため息を付く零断。地球にいた頃は学校以外では家から出るということを知らないこれこそTHEニートだったのに異世界にきてからすっかりアウトドアになったようだ。


ーーーーーーーーーーー


お昼になり、ウィリアムが家に訪ねてきた。グレンから説明は受けているようで相談に来たようだ。しかし、ここで相談だけじゃやはり専用武器は作れないようだ。使用者の魔力を武器に込めないといけないらしい。というわけで、木箱の中に零断が入って、グレンに運んでもらうことになった。

【転ばなければバレることはない。完璧な作戦だ。】

というフラグを零断は建てたが、幸いバレることなく無事にウィリアムの家についた。ちなみにここには訓練帰りに何回かきている。その頃からこの話は出ていたのだ。しかし、ウィリアムはこう見えて結構忙しいので後回しになっていた。しかし、この外出厳禁の期間、流石に零断が可愛そうだとウィリアムの良心からすぐに作ることになった。

ウィリアムの家で剣の微妙な重さや、持ち手の素材など、様々なことを測ってからウィリアムは剣づくりに没頭した。それと付け足しで

「この数日間で魔法で本当に行き詰まったならまたここに来るといい。わしがいろいろと手伝ってやる」

と言ってくれた。

【良く考えたらあの時助けたあとに魔法を教えてやるとかなんとか言ってたな。】

と、今となってはあまり関係のないことを思い出していた。


ーーーーーーーーーーー


【俺は、この日、久しぶりの『TETUYA』をしている。異世界転移前は毎日していた『TETUYA』だ。だが、だがしかぁーし!なぜだ!なぜこんなにも早く眠くなるのだ!ご飯食べた直後だぞ!俺の頭よ!なぜ退化したのだ!元に戻れぇーー!!!】

と、心の中で叫んでいる零断。今の時間、セリアはもう寝ている。しかし、なんとなく魔法を使いたい気分になってしまい、『TETUYA』をすることにしたのだが、『TETUYA』をしようと思うと直後、壮絶な眠気が襲ってくる。頭が

『もう体は疲れているんだ!休ませて上げろ!』

と、叫んでいるみたいだ。しかし、ここで引いたら『OTAKU』ではない!と、謎のプライドを全開に使い、零断は徹夜に挑むのであった。あと、セリアには徹夜禁止令が出されている。バレたらすご〜く怒られる。しかし、そこも『OTAKU』の意地だ。

現在、零断は雷魔法を少ししか使えない。使える魔法は

[雷核、身体強化 雷、雷線、雷光]

である。雷核、身体強化 雷は前に説明したのと同じで、雷核は、雷の核を作り、自由に操る魔法で、身体強化 雷 は、体に適量の電気を流し、筋肉を活発化させ、体を強化する魔法だ。雷線はレーザートラップのようなものだ。雷で糸のようなものを作り、壁にくっつける。ちなみに、その線は基本どこにでもくっつく。あと、触れたら痺れる。1分は体を動かせない。更に強化をしていけば切れるようになるだろう。次は雷光である。雷光は雷を飛ばす魔法である。簡単に言えば、某学園都市の超電磁砲レールガンさんが苛ついている時に頭からビリビリ出てるアレである。

これらを更に強化していき、満足が行くほど上達したらまた新しい魔法を考える。そして、またそれを強化する。それを繰り返していけば相当な量の魔法が使えるようになるだろう。ちなみに、この『TETUYA』は波動のことを考えていると寝てしまう可能性があるのでイメージができるまでは、日が出ているうちにやろうと思っている。

そのあと、何回も何回も魔法を発動し、イメージし、発動し…と繰り返していたら、気づいたらもう朝だった。ドアの方でガタッと音がなったので重い頭を向かせてみると、そこには怒り気味のセリアがいた。

「どぉぉーーもっ!すみませんでしたぁぁあーー!!!!」

という言葉が今日の目覚ましとなった。

次からは長くなる!!はず!!と言うか、早く物語を進めたいー

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