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波動の龍者  作者: ケイマ
第3章
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警戒

2週間ぶりくらいの更新です!

お待たせして申し訳ございません。

これから少しずつ忙しくなるので基本週一で更新しますが、時々開けることがあると思いますので心優しく見守ってくれると助かります!

零断一行はギルドを出た後、すぐに宿舎をチェックアウトをして近くの村へ向かう。


「とりあえず外から埋めて行くか。ここから始まっただろうと予測される村までにあるすべての村に行くぞ。」


「了解だよ。あ、けど、謎の病気が出て来たのってどこなの?」


ユニはふと気になって零断に質問する。


「ギルドとかの噂だとここから東に進んだところにあるらしい。名前はウラヌ村。地図もしっかりとあるぞ。」


「さすが。準備万端だね。一番近くにある村はあとどのくらいで着く?」


『結構離れているようです。2時間以上かかるでしょう。』


「まぁ大都市の近くに村を作るなら都市に入っちゃった方が楽だもんな。」


「クラウドの速さで2時間なら、歩くと1日かかるくらいだよね。うーん…やっぱり王国にいた時と感覚が狂うなぁ。」


王国は一つ一つの村が歩いて3日以上かかる距離だった。なので村と村の協力はほとんどなかったのだ。

王国は帝国に比べて人口が少ない。帝国は村が多くあるのにその村の人口密度も高い。それに比べて王国は村も少ないのにその村に住む人口も少ないのだ。

ここまで人口の差が大きくなる違いは帝国が村々へ配給を行なっていることだろう。

王国はそれぞれの村を基本放置だ。そして、良い人材を引き抜いて行く。

当然、発展するはずだった村が発展しなくなり、王都だけ少しずつ発展して行く。

これが帝国と王国の明らかな差だ。


「さてと。フェンゲルに2週間近く滞在してたからな。久しぶりの馬車旅だな。途中までは特に問題ないだろうが、気楽に行くか。」


こうして零断一行は謎の病気について調べ始めた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん〜この村もかかった人はいなくて、こっちもいないかぁ…もう10個くらい村に寄ってるけど、まだ罹患者は10人しかいないね。」


ユニは色々調べたことを整理している時にそう呟く。


「10人も出ているんだ。その10人はもう亡くなっていて話を聞くこともできないしな。ウラヌ村まであと半分だが、10人も出ているのは結構ひどいぞ。もしかしたらウラヌ村近くは全滅かもしれないな。」


「んーここまでで10人だったらそうでもなさそうだけどなぁ。」


「数値だけで見るとな。だが、場所を見てみるとそうでもない。普通近くなれば患者の数が増えるはずだが、この病気の場合は近さも遠さも関係ない。つまり、何かの物質、または空気によって感染していると考えられる。となると、その物質などが感染元のところに多くあったとしたら、全住民が病気にかかることになる。」


「あ、そっか…けど、亡くなった人たちの職業や神職、年齢性別もバラバラだよ?そんないろんな人が使うものなんてある?」


「あえて言うならば水の可能性が高いんじゃないかなって思うが、水だったとしたら他の住民もかかっていて良いはず。…ここまで死体が全部処理してあったから詳しく調べることができていない。人に死んでほしくはないが、どういう状況で亡くなってしまったのかとかを知るのが一番のヒントになると考えてる。」


「確かにそうだね。人が死ぬのは辛いけど、その病気を拡大させないようにするために患者が必要なのも事実。すごく難しいくて、辛いな…」


「まぁ、だからこそ、亡くなった方々のためになるべく早く解明させないといけないんだ。」


「そういうことだね。もう直ぐ次の街だし、頑張らなくちゃね。」


フェンゲルでダラダラしてた人とは思えない発言が零断から出るが、そう言うところにはあまり突っ込まず話を進めるユニ。

実のところユニも零断もあまり心配してなかったのだ。まさか帝国の中でも上位を争うほど発展している街の近くなのにこんなに流行っているとは思っていなかったのだ。

しかも、かかってから死ぬまでの時間がおよそ2週間と予想以上に早いのだ。さらに、10日間ほどで意識を失ってしまうと言う。

つまり、余裕があると思っていたことが相当深刻だったから考え方を変えたのだ。


そしてその10分ほど経った頃に零断達が次に目指していた村が見えてくる。


『皆さん。見えてきましたよ。あれがつぎの村のルック村です。』


「ん?」


「どうしたの?零断さん。」


次に行く村であるルック村が見えて来たところで零断が首を傾げたのでユニはどうしたのかと質問をする。

零断はそれにちょっと待っててと答えると目を閉じた。


【なんとなくだけど、この世界に人とは違う感覚…おそらく転移者だな。帝国2人目の転移者がまさかいるとは。】


零断は1分くらいかけて索敵して目を開ける。


「次のルック村には転移者がいるみたいだ。」


「…こんなところにいるんだ。」


ユニからして見ると転移者は王都や帝都などの発展している街にいるイメージが大きいのだろう。


「まぁ俺も辺境の地にいたからな。意外と多いかもしれないぞ。」


「あーそういえば零断さんも小さな村にいたんだもんね。そりゃいるか。どんな人かとかはわかるの?」


「全くわからないな。仲のよかったやつならわかる可能性もなくはないが、そんな仲よかったやつも多くないし、今回はあまり関わりがない人だろうな。」


「仲良くできたらいいね。」


「ほんとだよ…もう2人に殺されかけてんだからな。」


零断は冗談抜きで祈りながらそう呟く。同郷の人たちと殺しあいたいなんて思う人はいないだろう。

零断にも意外と精神的に来ているものがあるようでこれ以上は勘弁願いたいようだ。


「あれ?なんか騒がしくない?」


そんな話をしている間にもう村を近くなって来ていた。すると、ルック村が何やら騒がしいことに気づくユニ。

今までの村は特に遮るものもなく歓迎もなく普通に入ることができた。しかし、今回は臨時の塀や鎧を着た兵士のような人も出て来たのだ。

流石に馬車でそこに行くのはまずいので零断達は少し遠いところで馬車を降りて兵士のところまで歩いて行く。


「何ようだ!」


相手の声が聞こえるくらいまで近くに来るとそう叫ばれる。


「俺たちは冒険者だ。謎の病気について調べるために村々を訪ねている。できれば協力してほしい。」


「ならば零断という男を先に通すが良い。」


「わかった。零断は俺だ。」


なぜか零断の使命が入ったのでそれに応じて零断は進んで行く。


「何かされないようにね。」


「ま、そんな気にしなくていいでしょ。」


後ろで待っているユニたちに手を振りながら門番に冒険者カードを見せて納得させる。


「ではここからまっすぐいけ。」


「わかった。」


冒険者カードで確認すると、そのまま真っ直ぐに進めと言われるのでそれに従う。

住民は家の中に全員入っているのか、誰も見当たらない。

門番に言われた通りまっすぐ歩いているとちょっとした噴水に差し掛かった。

そして、その噴水の後ろ側に人の気配がする。


「…キャラネームは?」


零断は噴水の前に立ち、最初に質問すべきことを考え、それを問いかける。


「…エクスパージだ。」


「俺はゼロ。『深夜の暗殺者』のゼロだ。」


「……ゼロがここに何しにきた。」


「別にお前に興味があるわけじゃないから安心しろ。俺は謎の病気を調べに着たんだ。」


そこまで話すと少しの沈黙が流れる。

零断はエクスパージが反応するのを待つ。

ここで零断が行動することは何もない。相手の反応に合わせるだけだ。


少しすると、噴水を回ってエクスパージが姿をあらわす。


「色々疑って悪かった。俺は創也。立川創也だ。こっちでは創也で通している。」


「いや、疑われるのも仕方がないさ。俺は長谷 零断だ。まぁ、名字は捨てたから、零断って呼んでくれ。」


創也と零断は握手してから会話に入る。


「それで、謎の病気についてだったか?俺が分かることなら教えるぜ。」


「それは相当助かる。が、その前に仲間を中に入れてもらえるか?あ、けど住民が俺らを警戒しているなら俺だけが会話したほうがいいのか?」


「いや、その必要はない。俺が転移者がいるって住民に伝えたらこうなっただけだ。なにせ転移者を連れて行くために村を燃やすっていう噂が出てるからな。流石に警戒するだろ。」


その言葉を聞いた零断は苦い顔をする。


【ここで伝えて色々誤解を解くか、苦笑いで突き通すか。まぁ、どうせこの関わりもすぐになくなるだろうから教えてもいいか。】


零断はそう考えると創也の誤解を解く。


「それは帝国じゃなくて王国での出来事だ。」


「何故そう言い切れる?もしかしたら帝国とかもしれないぞ?」


「俺は帝国を旅して着たから言い切れるさ。それに、王国で村を燃やされた張本人としてはあんなことを帝国がするわけがないと思えるさ。」


「な?!?!張本人ってお前…すまん。聞かなかったことにする。」


「誤解が解けたならいいさ。まぁ誰にも言わないでくれると助かる。」


「流石にな。んと、とりあえず零断の仲間を受け入れようか。」


「ああ頼む。」


すると創也は門番たちの方に話に行った。

零断はそれを見送ってから周りを索敵する。


【この中で体調の悪そうな人は見当たらないな。基本全員が普通に生活してるな。いい村だな。】


零断が門番の方を見ると、門番方々に色々説明している創也の姿が見える。


【あいつは俺が村に来る前に転移者って気づいていたな。もしかしたら索敵系の能力…いや、それなら人が来ることしかわからないはずだ。この世界で黒目黒髪は珍しくないし、近づいただけで転移者だってバレるのは相当すごい能力のはず…おそらく情報系か、索敵系なんだろうな。】


零断がそんな風に考えているうちに零断達が使っている馬車が走って来る。


「零断さーん!何もされなかった?」


「いや、それは俺が聞きたいところ…まぁこの村の人たちなら何かやるとは思えないからいいんだけど。」


馬車から俺にジャンピングしてきたユニをだき受けて会話を交わす。


「とりあえず話は聞けることになったからとりあえず聞きに行こう。」


「転移者と話をつけたの?」


「そういうこと。相手はおそらく情報系か索敵系の能力なんだろうな。」


「零断さんの能力は話したの?」


「いや、まだそこまで信用できてないし、されてないさ。もしかしたら創也の能力が相手の能力を見ることができるのならばバレてるかもしれないけどな。」


「創也って転移者の人のこと?」


「ああ。とりあえずこちらに来てるし、話を聞こう。」


「了解。」


零断一行はそのまま創也の家で話を聞くことになった。







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