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波動の龍者  作者: ケイマ
第1章
6/81

波動者

名前を変更しました。

すべてが努力の異世界冒険 から、 波動の龍者


零断が魔法の訓練をしているとき、村の酒場には村に住んでいるほとんどと言えるほどの人があつまっていた。

グレンが集めたのである。集められた者はなぜ集められたのかと、ざわざわしていたが、グレンがたったため静かになった。


「今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!今日みんなを集めたのは、少し前からセリアの家に住んでいるという『長谷 零断』についてである。この村から追い出すか、歓迎しともに暮らすか。みんなはどっちがいい?」


このことを、聞いて、先程より大きく周りがどよめいた。近くの人と話し合っているようだ。殆どの人は昨日零断をみている。その隣で最近見られなかったセリアの笑顔と一緒に。

セリアの両親は魔物に襲われ命を絶たれた。それからセリアはあまり笑わなくなり、暗くなってしまった。そのセリアが零断と隣にいるときは笑顔なのだ。みんな戸惑うのも無理はない。そこで、グレンが自分の意見を教える。


「俺は昨日零断と一緒に酒を飲んだ。10%のを15杯だ。確実に酔っていた。それで、あいつに本心を聞いたんだ。そしたらこう答えられた。」



『俺は古郷に帰りたい。けど、それが叶わないのなら、この村に住んでもいいかもしれない。まぁ、帰るまでの努力は最大限するけどな。今まで晴れたあとどうしようと悩んでいた。いきなり女の子の家に住みはじめた変人だからな。信用してもらえなくてもしょうがない。というか当たり前だ。けど、この村の人は俺と仲良くしてくれた。だから、な。』



これを聞いて、村の人々は温かい目をしていた。零断が今後どうなるかはもう決まったようなものだろう。


「というわけで、もう一度聞きたい。零断をどうする?」


ーーーーーーーーーーーーー


零断はその垂れ幕を見たら、目が熱くなってくるのを感じた。そして、何も心配なんていらなかった、と。

零断は心の中で恐れていた。村から追い出されるのを。追い出されたとしたらもう宛はない。殆どの確率で飢え死にだ。

そこにグレンが近付いていった。


「俺達テニラ村は長谷 零断、君を歓迎する。これは村全体で決めたことだ。反対意見はなかった。村を代表して言う。これからよろしくな!」


いつの間に相談していたんだろう、と思いながら零断は頷きながらこう応える。


「ありがとうございます。改めて、これからよろしくお願いします!」


「ああ!さぁ零断の歓迎をするぞ!全員グラスを持て。」


村の人々と零断、セリアはグラスを持つ。ちなみにセリアはジュースだ。


「それじゃあ、乾杯!」


「「「カンパーイ!」」」


ーーーーーーーーーーーーー


結果的に零断は昼から飲んだせいで酒を飲みすぎてしまい、本当に酔ってしまった。真っ直ぐにすら歩けない。セリアに肩を貸してもらってなんとか帰った。飲んだ量はなんと20%を20杯だ。

ちなみにグレンも同じくらいで酔い、ウィリアムはもっと濃いのをガブガブ飲んでいた。上には上がいる。まぁ、零断とグレンも相当飲んだほうだが。

酒を飲みながらグレンと明日の予定について話し合っていた。零断は情報を手に入れるために旅ができるようになりたいと思っており、最低限のことを教えてほしいとグレンにお願いをした。もちろんOKされた。しかし、冒険者登録するには少し遠いところにある『キズト町』に行かなくてはならない。毎回町や村の名前に突っ込んでいる気がするが、 傷と町 というわけではない。『キズト町』だ。

あと、某二刀流剣士の名前の上一文字下二文字をとった名前だがそれも関係ない。

そして、訓練は神職にあったものをやる。というわけで、まずはグレンの訓練の前に零断の神職を決めに行くことになった。

そして次の日、零断は村はずれにある儀式場にいる。ここで神職を決める儀式が行われるからだ。儀式場と言っても、謎の石碑と幾何学魔法陣が書いてある石があるだけだ。小屋も何も建てられていない。理由を聞いたらグレンに


「やればわかる」


と流されてしまった。

それが終わったらグレンに剣技や初歩の魔法を習うことになっている。剣技は零断も多少は出来るが、それもゲーム内だけの話でいま出来るかどうかはわからないからだ。

教えてくれるグレンは剣の達人レベルの人だ。魔法も相当できるらしい。この村の傭兵もグレンが育てたらしい。30ちょいなのによく働いている。

話を戻すが、今零断はグレンが来るのを待っている。朝のイベントは今日は無しだ。零断が飲みすぎたのが原因である。


【アーなら毎日酔おうかなぁいや、流石に体が持たないな。】


地味に迷惑と感じていてそうな言い方である。けど、案外嫌がってなさそうにも見える。

ちなみにセリアは農業を再開している。まぁまず畑を作るところからになってしまっているが。

そんなことを考えているうちにグレンが到着した。後ろに何人か連れている。多分それが儀式を担当する魔法使いだろう。


「おーっす零断。朝はやいな。」


「いや、毎日早起きしてたからな。あと、ドキドキしてるし。」


「初の神職の儀式だもんな。興奮するのも無理はない。まぁ、俺も儀式は一回しかしたことないけどな。ユニーク持ちだから。」


「俺はどんな才能を持っているのだろうか…結構緊張するものだな。」


「そりゃぁな。よし。早速始めるぞ。お前ら位置につけ。」


「「「はっ!」」」


「よろしくお願いします。皆さん。」


「それじゃあ行くぞ。零断、力を抜いて何も考えるな」


零断は言われた通り、脱力し心を無心にする。そこにグレンたちの詠唱が聞こえる。


『神よ。この世を見る神よ。このモノに力を与え。世を生き抜かせよ。』


すると次の瞬間、零断は別世界、いや、異空間のような場所にいた。そして、頭の中に様々な情報が入ってくる。兵士について。狩人について。魔術師について。他にも多大な量の情報が頭に入り込んでくる。その中に1つ不思議なものを見つける。頭の中で虹色に輝いている感覚がするのだ。


【ああぁ。これが俺が1番適性のある神職か。】


その名前は。



"個人職" 『波動者』



と、次の瞬間には元の場所に戻っていた。グレンたちは詠唱を終え、零断がどう反応するのかを待っている。それを無視して零断は頭の中を整理する。

まず、頭に入り込んできた情報はほとんど全てなくなっている。しかし『波動者』についてだけ、ほんの少しだけ残されていた。この神職は、『波動』という魔力ではない不思議な力を操ることができる。操るのに魔力は必要だが。

波動は実体化させ、攻撃することもできるし、波紋のような感じに広げ様々な情報を得ることもできる。まさにサーチも戦闘も出来る凄い力だ。


「零断。終わったか?」


遂に待ち切れなくなったのかグレンが聞いてきた。とりあえず無視する。


【ちょっと今大事なところ。もう少し待って。】


そして、波動者についてなどを頭の中でまとめていると、グレンがついに切れた。


「おい!もう神職わかってるんだろ?早く答えろよ!こっちは一時間以上待ってるんだ!」


【だから少し…は?一時間以上?どういうことだ?ま、いいや。とぼけよう。】


そして、零断は目を開けた。やたら周りが眩しく感じる。


「ああ。今終わった。というか、聞こえたんだが、一時間ってどういうことだ?数分じゃないのか?」


「あー、そうだった。こいつには教えてねーんだった。神職の儀式をすると、対象の者は変な空間に飛ばされるんだ。その空間は時間が早く進む。現実世界できっぱり1時間分あっちの世界にいるんだ。それ以上もそれ以下もその空間にいれない。制限時間内に決められなかったら適性の神職となるんだよ。」


「ってことは一時間俺はずっとたってたわけか。」


【というか、現実世界って………俺の故郷は現実じゃないのかな…】


と、ちょっとずれたことを考えてしまう零断。通常運転だ。


「それで、なんていう神職になったんだ?」 


「あーえっと、"波動者"ってやつだよ。『個人職』だ。」


そういうと、グレンを含めた全員が凄く驚いている。


「ちょっ、おまっ、マジで個人職なのか?何万人に一人の確率なんだぞ?まじか………」


「まぁ、異世界の人間なんだしそんなもんなんじゃないかな?」


「そうとはいっても………この村に個人職が2人いるとなると王都からの勧誘とかが激しすなるんだよな。一月に一回くらい来るから。町人以外にはこのことを伝えないほうがいいな。」


「確かに。まぁいいや、あれから一時間というと今は8時過ぎか。直ぐに訓練やるか?」


「俺はどちらでも構わない。これから一ヶ月はお前の育成に使うつもりだしな。」


「おお!まじか。サンキューな!んじゃ、このまま訓練に移ってもらっていいか?」


「ああ。じゃあ近くの広場に行こうか。」


と言って、グレンと零断は広場に向かって歩きはじめた。


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