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波動の龍者  作者: ケイマ
第2章
54/81

番外編 その名を轟かせた者

「ふぅ。今日はこんなもんかな。」


「そうだね〜」


俺は火憐と会話しながら一息つく。

今、俺らはあるイベントをやっている。

そのイベントとは、魔物の野望を手助けするというイベントだ。

このイベントは1番最後にパーティVSパーティの対人戦がある。

この日はその一歩手前までイベントを進めていた。


「と言っても火憐は全く仕事してないけどな。」


「ぎくっ、な、なんのことかなぁ〜」


「リザードマンの討伐数、100体中79体俺が倒してるからな?」


「ちゃんと21体倒してるよっ!」


「お前ならもっと倒せるだろ。ま、いっか。はいはい。中学2年生はもう寝る時間ですよー。」


「むぅ。まだ3時だよ。」


「もう3時だ。良い子は寝る時間だ。」


「ブーメランッ!」


「…強制的にログアウトさせようか?」


「うぐっ、もうっ!お休みっ!」


「おう。お休みー」


ふぅ。とりあえずひと段落かな。

火憐をログアウトさせたのには理由がある。このイベント、俺は1人でクリアするつもりなのだ。当然、火憐のクリアも手伝うつもりだけど、1人でPvP。しかも相手は6人なんてことはほとんどない。自分の実力を確かめたいのだ。


「さてと。場所は…インスタントマップに行くのか。関ヶ原って…どこの徳川○康だよ。」


と思いながらもテレポートアイテムを使ってその場所に転移する。

そして、インスタントマップに入ると、そこには城があった。


「うおう。コボルド対リザードマンって関ヶ原の戦いなのか…他のゴブリンとかについた場合はどうなるんだろ…」


コボルド対リザードマンの戦いがまだ行われてない理由は、まずまずコボルドに味方する人が少ないからだ。さらに、リザードマンはHP高いし、斬撃と打撃に耐性があるため、嫌われている。最初にモンスターの中でどれかを助けろと言われても嫌われているリザードマンを助ける人はいないのだ。

他の戦いは少しネットで調べると出てきた。GFOはそこら辺厳しくて、イベント情報はある程度立たないと出てこない。最前線を目指す人は自力で攻略法を見つけなければいけないのだ。

ただし、今回は歴史に関するっていう事前情報があったので、場所だけは許可しているのだろう。

ちなみに、他の戦いでは、桶狭間の戦いや、長篠の戦い、川中島の戦いなどなど有名な戦いの場所が選ばれていた。


「ちょっと違うけど、信○の野望と似てるところあるよな。今回のイベント。」


領地戦などもあったので随分昔に流行ったゲームを基にしたのかと零断は考える。

そんなことを考えながら零断は城に入った。

そして、この時点で零断が有名になることはやむ負えなくなったのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「よくぞ参られたコボルドの勇者よ。もうすぐ戦いが………」


長い…

いつも5時くらいまで起きてるとはいえ、流石にこの時間になると眠くはなって来る。

コボルドの長の話が校長先生みたいだなぁ。

とりあえず、適当に流して対戦場所へ移動する。

ゲーム内で関ヶ原と呼ばれる場所はまさに草原だった。これ本当はどうなんだろ?

そして、コボルドの城の真反対にリザードマンの城がある。


「っと、相手はどこだ?」


少し見渡すと6人の人影が城から出てきたのがわかった。


「お、あれは…!」


これは流石に驚いた。

まさかの最前線組じゃないか。あいつらはやらなくても良いクエストをやるからいつも少し遅いけど、全てをクリアするほどの実力を持っているんだ。

時々レベルがおかしいと思うサブボスが来るからみんなスルーするのにあいつらだけはそれすらも倒してるからな。

ただ早くクリアするだけの偽物とは違う本物の実力者だ。

ちなみに、サブボスとかは俺も全部倒してるけど。

あと、このイベントも全てクリアしてました。最前線と同じスピードでクリアしてる俺と火憐はなぜ有名にならないかって?そりゃクリアした後に情報提供もほとんどやって無いからさ。友達には教えるけど、わざわざネットにアップさせたり、それでゴールドを稼ごうとは思わないからな。

さらに、いつもは銀河の死道でレベリングしてるから人なんて全く合わないからね。


「やぁ。君がパーティリーダーかい?」


そんなことを考えていると近づいてきた最前線メンバーに話しかけられた。

確かこの話しかけてきたメイジがリーダーのスラーだったはず。

後ろの青い鎧を着たタンクがエンニ、赤い鎧を着たタンクがオーリー。

賢者っぽいのがヒーラーのナカハ二ローザで、明らかに剣士っぽいのがナイビン。そして、黒い服を着た男がスカルプだ。


「パーティじゃないからリーダーとか無いよ。俺はソロだ。」


「…そうか。すまない。たとえ君が1人でも僕たちは全力で戦わせてもらうよ。」


「それは当然。今回ソロでやったのは自分の実力を対人戦で使えるのかを試すためだからな。最前線にどこまでやれるかを試せて良い機会だ。」


「そうか。そう言ってもらえると助かる。それと、このインスタントマップを公開して良いかい?」


「ああ。お前らはいつもやってるからな。いいよ。」


「ありがとう。最後に、名前を教えてくれ。」


「俺はゼロだ。よろしくな。」


「ゼロ…どこかで聞いたような…」


「そりゃ、一応攻略組だからランキングイベントで時々名前はあがるさ。」


「それもそうか。それじゃあ、健闘を祈るよ。」


「そちらこそ。」


わざわざ挨拶に来るなんていいリーダーだな。

けど、名前を覚えていないのは減点かな。ランキングイベントは毎回上位20位には入ってるから調べ不足かな。

いや、リーダーが調べてるんじゃなくてあのメンバーのうち1人が調べてるのかもな。あの6人パーティだけじゃなくて一応ギルドも6人で作ってるし。

試合は後30分後。もう何人か観客がきてる。正直あまり手の内を見られたくは無いけど、前から考えてきた対人パーティ戦の動きをやるか。


ーーーーーーーー涼音視点ーーーーーーーー


今日は1週間に一度のGFO徹夜の日。一応受験生だからそこらへんはしっかりとしないとね。

それで、今やってるイベントをもうクリアしてるネッ友に助けてもらいながら高速で進めてる。

クリア報酬とその事実が欲しいだけだから全部のクエストをやるわけではない。そこはクリアしたネッ友に聞けば全て教えてくれるからOK。

そして、日曜日の今日1日を使ってイベントをラスト一個まで持ってきた。月曜日実装で、最速クリアが金曜日だったから結構頑張ったと思う。

何個もあるクエストの中からあたりの1つを当てなければいけないので最速クリアに時間がかかったが、そのクエストがわかってしまえばそこまで時間はかからない。

そして、そのクエストをやろうとしたら最前線パーティがインスタントマップを公開していた。面白そうということで先にこっちに顔を出すことにしたのだ。


「え、相手は1人なの?勝てるわけないでしょ。」


「そうね〜まぁ、あのパーティに1人で挑んだ人なんていないからいい見本になるんじゃないかな?最前線の手の内を見るためにも見とくべきだと思う。」


私が呟いた言葉にパーティリーダーが答えてくれる。

たしかに。後5分で始まるし、見て行ってもいいかな。


「んーと、対戦相手は…ゼロ?単純なネーミングだな。リン、何か知ってるか?」


「え、ゼロ?」


つい呟いてしまった。


「何か知ってるのか?」


パーティのタンクの人が聞いてくる。私は上位ランカーのほとんどを覚えているので、それを参考にするのだろう。


「ゼロといえば、毎回上位20位には入ってる猛者だよ。カレンっていう女性プレイヤーとコンビを組んでるんだよね。あまり知られてないけど、超古参勢なのに実力を悟られてない不思議な人なんだ。いつもどこでレベル上げしてるのかも謎だから、みんな知らないんだと思う。もしかしたら勝っちゃうかも…」


「り、リンにそこまで言われる人なのか…けど、流石に勝てないだろう。相手は完璧な実力を持ってる最前線だぞ?」


「そ、そうよね。流石に難しいわよね。」


けど、やっぱり私はゼロが勝つと思った。理由はあまりないが、直感がそう感じたのだ。


「そろそろ始まるね。」


そう促され、みんなが一斉に会場を見る。周りを見渡すと、200人は超える相当な量のプレイヤーがあつまっていた。

時期にまずは最前線組が入ってきた。

青い鎧と赤い鎧を着たタンク2人、迷彩色っぽい服を着た斥候、銀色の服を纏った剣士、THE賢者の格好の賢者にリーダーの金色の服を着たメイジ。装備を見るだけで実力がわかる。


「いい人材が揃ってるよな。羨ましいぜ。」


それをいうなら、今いるこのパーティも十分だと思うけど。

足りないのはアタッカーだけ。今、私はアタッカーとして雇われているのだ。プラスデバフを与えるので臨時に入りたいときに、色々なパーティから勧誘を受ける。このパーティもそんな風に出会って仲良くなり、誘ってくれることが多くなったのだ。


「お、ゼロの方もきたぞ。」


ソロのゼロは深夜の暗殺者には見えない漆黒のコートを着て登場した。中は青い服。黒と青が彼のトレードマークだ。

私は昔からやってるおかげでゼロのことは度々見ている。けど、その中で黒青以外に服を着ているのはほとんど見ていない。見るとしても戦闘服ではないのだ。

戦闘の時は黒青を着るというのが彼のポテンシャルなのだろうと思う。


「さぁ、やろうか。」


最前線パーティのリーダーの声が聞こえる。10秒のカウントダウンが始まった。

あのリーダーはいつもこんな感じでスタートする。あ、後5秒だ。

4

3

2

1


戦いが始まった。しかし、誰も動かない。

最前線パーティは戦闘態勢を取っているのに対してゼロは身動きすら取らない。ポケットに手を突っ込んで相手を見ているだけだ。

すると、最前線パーティのリーダーがついに動く。魔法の詠唱を始めた。そして、放たれる。

すると…


最前線パーティの赤と青のタンクのHPゲージが全損していた。

ほとんどの人には訳がわからなかっただろう。魔法が放たれて、ゼロの当たった瞬間タンクが破片になって飛び散っているのだ。

ちなみに、破片になって飛び散るのはHPがなくなった時のGFOの演出である。

そのネタを見破られたのは何人いただろうか。

その中で私は信じられないが、見破っていた。


ゼロはそのユニスキルで一瞬でタンクの後ろに回ったのだ。

それは誰でもわかるだろう。ゼロのHPゲージがもともとタンクがいた位置にあるのだから。

しかし、最前線のタンクをワンパンするのはどんなスキルでも無理だ。

…と、思う人が多いと思う。しかし、一個だけある。それは“ガードブレイク”というスキルだ。

このスキルは当たった相手の防御力が高ければ高いほどダメージ量がアップするギャラクシースキルだ。確かにこれならワンパンできるだろう。しかし、このスキルは鎧を通じて攻撃してもダメージがあまり入らない。

ワンパンできる場所といえば首のみだ。

そう。ゼロはこの首にピンポイントでスキルを当てたのだ。しかも、一振りで2人とも。

まさに絶技と言っても過言ではないレベルの技だ。わかったとしても信じられないだろう。


しかし、まだ戦いは続いている。さすがは最前線パーティなのか、すぐに体制を戻してタンクの代わりに剣士が攻撃を与えるために前に出る。

ゼロは素早くサイドステップする。しかし、剣士はもともといた場所に剣を振ろうとしている。

それはつまり…


「やめろっ!それは…!」


リーダーの声は少し遅かった。タンクが一撃で2人もやられたことで冷静さを失っていた剣士は幻影を攻撃してしまった。

幻影にはHPゲージがない。だから、少し見ればどうなのかなんてすぐにわかるのだ。主に対モンスター戦に使われる技を対人戦でうまく使うゼロの評価は私の中でどんどん上がって行った。

攻撃された幻影は大爆発を起こし、剣士は思いっきり吹っ飛ばされる。

さらに、その爆発に紛れてゼロは隠蔽を使ったのか姿を消す。

そして、賢者が剣士を癒しに行こうとした瞬間、後ろから何もかもを葬る剣が振るわれた。


「これは…!深夜の暗殺者の最大火力の技…!“夜の破滅”(ナイトディクラクション)…!」


私は一度だけ見たことがあるその技の名前を呟いた。

あの、共闘でボスを倒すときに見たラストアタック。1ゲージの5分の1を吹き飛ばした超絶必殺技。

そんなものを食らった賢者が生きているはずもなく破片になって飛び散った。

地面に落ちた剣士を見ると麻痺になっていて当分動けなさそうだ。ゲージも残り20%を切っている。賢者がいない今、戦うことは難しいだろう。

リーダーのメイジはゼロと距離をとって魔法を使うために詠唱していた。斥候はいつの間にか姿を消している。

ゼロは素早い動きでメイジとの距離を詰める。しかし、メイジは焦らずに的確な魔法を紡ぎながら放ってくる。詠唱しながら魔法の発動。相当な技術が必要だ。

だけど、それを上回る絶技も私は見ることになる。

メイジが放った中級レベルの魔法をゼロは切ったのだ。

流石に会場が唖然した。魔法切りは時々成功させる運要素を含む技だ。これは極めないと成功などできない。しかも、こんな土壇場で成功させるほどPSが上手い人など見たことないのだ。

しかし、ゼロは一度もミスらずに魔法を断ち切りながら前に進む。時折投げナイフなどが飛んでくるが、全て躱している。

そしてゼロが勝負に出た。体制を低くして一気にスピードを上げる。メイジはバックステップしながら移動阻害の風魔法をかけた。そして、ゼロの後ろから斥候が姿をあらわす。


「ああ。ここまで…え?」


流石に快進撃もここまでかと思ったが、そんなことはなかった。斥候のギャラクシースキルを流したのだ。新たに持っていた左手の短剣で。

そして、斥候のギャラクシースキルの勢いを利用して移動阻害を破りそのままの勢いでメイジの前に躍り出る。

これにはメイジも対応できずに攻撃を食らって倒れた。スタンだ。

斥候はメイジが放った移動阻害の風のせいでゼロに近づくことはできない。剣士も麻痺が続いている。

ゼロは尻餅をついているメイジにタメが多い大技を使ってメイジのHPゲージを吹き飛ばした。破片となって消える。残り2人だ。いや、実質1人だ。

放った本人がいなくなったことで移動阻害から抜けた斥候は近距離戦闘に持ち込む。


ああ。馬鹿だなぁ。ゼロに近距離戦なんて勝てるわけないじゃない。


昔ですら凄かったのだ。さらに今は左手で短剣が使えるようなのだ。剣士ならまだありえるが、斥候には役不足だ。

私が思った通り、斥候はどんどん押されていく。

すると、ゼロにもう一つ剣が迫る。麻痺から解除された剣士だ。斥候は後ろに下がって攻撃の隙を伺う。剣士は残り少ないHPを使って特攻するのだ。

徐々にゼロが押されていく。剣士が入ったことで2対1の近接戦闘は不利なのだ。

それでもゼロはノーダメージで守り通す。

そして、これも想定していたかのようにゼロは仕掛けを用意していた。

ある程度まで下がるとゼロは多少の体勢を崩してまで大きくバックステップをとった。

剣士はそれをチャンスと見て一歩踏み出す。そして、暗黒の壁が現れた。

この壁は相手の視界を奪うのと多少のダメージを与える能力だろう。そして、バックステップと同時に放った短剣が剣士に刺さり、ついに剣士が破片となって飛び散る…かと思いきや、銀色の光に包まれた。


「っ、!“最後の闘志”か!あと1分間あの剣士はやられることはないぞ!」


隣のリーダーがそう呟く。最後の闘志とは、HPが0になったときに時々発動する能力で1分間攻撃力と素早さを大幅に上げる。さらに、もうHPは0なのでダメージを受けても問題ない。しかし、1分後に光の破片となって消える。

まさに最後の闘志だ。そして、今の場合この能力は相当強い。

しかし、ゼロの動きはまさに単純そのものだった。素早さも攻撃力も上がるが1分で終わるなら1分間やられなければいい。

暗黒の壁はいまだ健在で剣士はそれに囲まれている。

ならばとゼロは逃げるだろう。

予想通り、暗幕を使って視界を制限した。

斥候とゼロはほぼ同時に隠蔽を使って視界から消える。

残ったのは剣士の薄く見える銀色の光だけだった。


けど、こういう戦いこそ、終わりは単純で唐突なんだよね。


普通に見れば、この状態は1分間ゼロが耐えるか耐えないかで決着がつくように見える。しかし、そのほかにも終わらせる方法はある。

最後の闘志はHPが0になっている。つまり、やられているのと同じということ。強くなって帰ってきた幽霊のようなものだ。

ならば、ゼロが斥候を倒せば終わりである。そして、ゼロの索敵は斥候の隠蔽より強い。すると必然的に答えがわかる。


「これで終わりね。」


パーティメンバーから訝しそうな目を向けられる。

面白いのはこれからだろう?

という目だ。


「まぁ見てれば分かると思うわよ。ほら。」


すると、剣士の能力によってか、暗幕が吹き飛ばされた。そこにいるのは銀の光を纏った剣士のみ。剣士は目を閉じてどこにいるのかを見破ろうとしていた。

そして、剣士に刺さっていた短剣はいつの間にか無くなっていた。


そして、唐突に何もないところで斬撃が繰り広げられた。


いや、繰り広げられたんじゃなくて、あれは一方的に連撃を放っているのでしょうね。

斬撃が見えた次の瞬間にはゼロが斥候に向かって連撃を放っているのが見えた。斥候は驚いたように対応しようとするが、全く間に合わずにやられるがままである。剣士も駆けつけようとしたが、間に合わなかった。


「ギャラクシースキル二刀流奥義“スターゲイザー”」


ゼロの小さいが、響く声でその技名を告げられる。

ああ。納得した。確かにスターゲイザーなら全ヒットさせれば斥候くらいなら倒せるだろう。


私の予想通りに斥候は破片となって飛び散り、同時に剣士も破片となって飛び散った。


そして、観客が湧いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


あの戦いから1週間が経った。俺にパーティの誘いや生中継サイトへの出演依頼などが来るようになった。しかし、全部俺は拒否っている。

俺はただ自分の実力を確かめたかっただけであり、有名になってなりたくないのだ。

しかし、この戦いの動画はGFO全体に広まった。

なにしろ最前線で最強だろうと言われていたパーティをノーダメージで正々堂々叩き潰したのだ。

未だにMMO TVにて感想が述べられてるくらいだ。

最前線パーティの評価は相当落ちた。実際に戦いを見た人はゼロ…俺の強さが異質だと思っているが、その話を他から聞いた人は


『じつは最前線パーティって弱いんじゃね?』


という発想になってしまった。

そして、パーティ内で喧嘩が起こったようで戦いから4日で解散された。


「はぁ…まさかこんなんになるとはなぁ…」


「お兄ちゃんの自業自得だね。私を置いていくからこうなる。」


火憐が俺が考えたこととは違うことをいう。まぁ、事実そっも問題だから勘違いして当然だけどね。ネットで突然パーティ解散なんて珍しくない。今回はわかりやすい例があっただけだ。

だから、今回の件、俺がパーティを解散させたわけではない。するもしないもそのパーティの勝手なのだ。ただ負けただけで解散するのなら、その程度の絆だったのだろう。


「お前を置いていったところで有名になるのはやむ負えなかったよ。火憐があんまり有名になってないからよくね?」


「いやいやいや、時々組むパーティメンバーにお兄ちゃんのこと聞かれちゃったよ。いい情報源になっちゃってるかな。まぁ、何も言わないけどね。」


「それが助かる。ありがとな。」


「へへ。どーいたしまして!じゃあ、これからの苦労のために何かアイテム買ってねー!」


「しょうがないな。ゴールデンチケットらへんでいいか?友達とレベル上げでもしてこい。」


「え?いいの?やったー!!お兄ちゃん大好きっ!」


「おう。というか、火憐、学校遅刻じゃないのか?」


「あっ!忘れてたっ!いってきまーす!」


「いってらっしゃい。さてと、俺も準備するか。」


中3になったことで朝時間の免除があり火憐より朝が遅い。

今日もダラダラいきましょうかね。


あ、あれー?

なんで番外編なのにこんなに長いんだろ…?

ぱぱっと零断のGFOでの有名度をわかるようにしようとしたのに、なんでこうなった…?

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