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波動の龍者  作者: ケイマ
第2章
41/81

番外編3人の出会い後半

「ふぅ朝から疲れたなぁ〜。早く帰ってゲームしてぇ」


「お疲れ様長谷君」


あのあと、俺はホールへすぐに向かった。

当然何事もなくホールへ着き、クラスごとに縦二列に並んでいたので俺たちは3組の後ろに並んだ。

一応30分前につくつもりだったが、あの騒動に巻き込まれたせいで5分前にホールに着いた。ちなみに露草は1時間前につく予定だったらしい。が、ホールへの道がわからなくて30分くらい彷徨ってたとか。

そして、入学式が始まった。

…つまんねぇ。校長の話長すぎだろ。ああ〜眠くなる。朝からあんなに運動したらそりゃ疲れるのは当たり前だよなぁ…

そして、ついつい呟いてしまったら露草がその言葉に答えてくれたというわけだ。


「ああ。ほんとだよ…」


俺はもう元気のげの字もありませんという雰囲気だ。

実際元気のかけらもないけど。

とりあえず目を瞑り、姿勢を正して顔を上げる。姿勢を正すのは弓道で慣れてるから大丈夫だ。顔を上げるのもこういう時にいつもやってるので慣れている。

ということで俺は入学式が終わるまで夢の旅へ飛び立った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ええ!長谷君寝てたの?」


「あれ?気づいてなかった?」


「全然気づかなかったわ…ただ目を瞑ってるだけかと…」


俺すげぇ!隣にいた人にすら気づかれない寝方。多分弓道のおかげ。感謝だなぁ

今俺達はホームルームへ向かっている。この後は担任との挨拶と自己紹介だけだ。


「1年4組。ここかぁ。よし。覚えたわ。もう、多分、本当に多分迷わない。」


「そこは断言しようぜ。」


そんな雑談をしながら教室に入り、自分の席を探す。

えーと。長谷零断…あった。お、露草と隣じゃん。


「あ!長谷君隣だね。よろしく。」


「おう。」


なんか視線を感じるがまぁいいか。というかこの状況で女子と一緒に入ってくるってリア充とか思われたりするのかな?

ま、いっか。


「そういえば長谷君。確か650レベくらいだよね?」


「ん?GFO?」


「うん。」


お、これはGFOの話が来るかな?同レベルの人と話せるのは楽しいからそっちから話し出すのを待ってたぞ。

なぜ待ってたかって?俺なんかが話しかけられるわけないだろ?まともに女子と3年間話してないんだし。


「ああ。そうだよ。」


「ならもうユニークスキル持ってるよね?」


「そりゃもちろん。さらに俺のユニスキルは無属性だし。」


「現状態で600レベ行ってる人は基本無属性だと思うよ。それで、長谷君のユニスキルって何?」


「…多分聞いたことあると思うよ。前に騒動に巻き込まれた時に暴れちゃったから。」


「そんな騒動しなくても基本600レベ以上の人は調べてるからわかると思うけどね。」


「まぁそりゃそうか。俺のユニスキルは『深夜の暗殺者』(ナイトアサシン)で、プレイヤーネームはゼロだよ。」


「え!な、長谷君あのゼロ?」


「うん。」


まぁそりゃ有名だよな。前のイベントの最後の方でランダムで別パーティとpvpで勝利するっていうクエストが出てきて、俺は高レベルパーティと戦うことになった。さらに俺はソロだし勝てるわけねぇ〜と思ってたんだけど結果は圧勝。深夜の暗殺者の一定確率で攻撃を避けるスキルや普通の回避でどうにかなった。一人一人確実に倒して行ったら結果は超絶有名人というわけだ。まぁそりゃ露草だって驚くよな。


「すごい人と友達になったかも…」


露草はそう呟いていた。

…なんかやたら視線を感じるぞ?…なんで中学上がりのやつまで俺のこと見てるんだよ…


「な、なぁお前。GFOでゼロなのか?」


「そうだけど?」


「…なんでこんなところに…超高レベルプレイヤーが…俺のレベルが自慢できない…」


あ〜確かに俺がいるとレベル自慢が全くもってできないな。みんなすまん。


「えっと、ちなみにあなたは何レベなの?」


「350だよ…高校生では高レベルと自負してたのに…しかもここ偏差値そこそこだからあんまゲームがちってる奴いないと思ってたのに…」


「あ、一応言っておくがこっちの露草も600レベ超えてるらしいよ。」


「あ!長谷君私を道連れにしないで!」


「高レベルプレイヤーの一度は通る道だ。諦めろ。」


「先に釘を刺しておくんだった…」


「え、お前も600レベ越え…だと…この学校はゲーマーが集まってるのか?」


「他に400レベ以上の人ー?」


これを聞いとけば大体はわかるだろ。

すると1人が手を挙げた。あいつ超スポーツ顔してるぞ?ゲームやってる顔じゃないだろ。サッカー馬鹿っぽい。


「400レベは超えてるな。いやまぁゼロさんには勝てないわな。ゲームやってること隠しておこうと思ってたけどゼロとプレイできるかもしれないと言われれば言わないわけにはいかないか。」


「ちなみに今のレベルは?」


「634だ。プレイヤーネームはリシンだ。まぁ由来は俺の名前からだな。」


「ちなみにお名前は?」


「桐乃慎慈だ。普通に慎慈でいいぜ。」


「了解。俺のことは零断で頼む。どこでもゼロは恥ずい。あ、他の人も零断でいいからね?」


「んじゃよろしくな零断。えっと、隣の女子は?」


「私?あ、私も600レベ以上って言っちゃったからか。」


「そうそう。露草のプレイヤーネームってなに?」


「私はリンよ。由来は名前を割って涼と音に分けて、漢字を変えれば鈴の音でしょ?その音はリンだからリン。」


「ウワァ〜凝ってんなぁ。俺なんて名前の漢字一文字とっただけだぞ?」


「零断が普通だと思うわよ?私はその頃凝ったプレイヤーネームにしたいっていう気持ちがあったから結構考えただけだし。」


「ん?呼び方変えた?」


「ダメだった?さっき他の人も零断でいいって言ってたから呼んでみたんだけど。その代わり私のことも涼音でいいから。」


「さっき名前呼びはあんましないって言ってた気がするが…ま、いっか。んじゃよろしくな涼音。」


「ええ。」


「ん?お前ら知り合いだったんじゃないのか?」


「全くそんなことはないが?」


「仲が良さそうだったから知り合いかと思ってたぜ。」


「そんなに仲よさそうだった?」


「ああ。」


う〜ん…わからんな。みんなも頷いてるしそうなのかもしれないけどな。ま、正直あんまり関係ないからいっか。

とりあえず600レベ以上の2人との友好関係は持っておいたほうがいいだろうな。


「それじゃあさ、後でフレンドなろうぜ。スマホは持ってるよな?」


「ええ。もちろん。」


「そりゃ持ってるだろ。」


そりゃそうか。


「んじゃ後で。多分もうそろそろ先生来るだろうし。」


「はーい。全員席についてー!」


あれ?あの人ってあの時助けてくれた先生だな。まさか担任とは。


「私の名前は志垣しがき 沙耶さやです。みなさんよろしくお願いします。」


「「「「お願いします!」」」」


志垣先生か。優しい人だったな。今年は当たりだろうな。

すると隣の席の涼音がこそこそと顔を近づけてきた。


「あれ、あの時の先生だよね?」


「そうだと思う。今年は当たりだな。」


「話しやすかったし結構いい先生っぽいね。」


そう言って体を席に戻した。

そのあとは色々な注意事項を話して今日は終了だった。

…というか、この注意事項は中学とほとんど一緒だからほとんど聞き流したけど。


「では、また明日会いましょう!さようなら!」


「「「「さようなら!」」」」


「それじゃあ零断。一緒に帰ろ?」


「それは道案内しろと言っているってことだよな?」


「あ、バレた?」


「まぁそうだろうとおもってたよ。家はどこなの?」


「知らないと思うけど〇〇センター前だよ。」


「おお。それは遠いな。俺その帰り道にあるわ。」


「え?どこに住んでるの?」


「〇〇ヶ丘だよ。」


「私の通学路ね。それじゃあ…」


「毎日道案内してあげるよ。」


「そこは一緒に行こ?って言おうよ。」


「いちゃいちゃしてるとこ悪いが早く行こうぜ。もうお前らしかいねぇよ。」


「これはいちゃいちゃというのか?ま、とりあえず教室は出ようか。」


「そ、そうね。行きましょうか。」


ん〜いちゃいちゃの定義がわからん。というか今日あったばっかりの人といちゃいちゃしてたらどんな女ったらしだよ。


「そういや慎慈の家はどこなんだ?」


「俺か?俺は〇〇前だ。」


「うわっ真逆だしお前家近いな。」


「慎君近くて羨ましいなぁ」


「慎君って…まぁいいか。俺は近いからここ選んだし、サッカーがそこそこ強いからな。そして大学一直線が大きい。」


「確かに。大学一直線って言うのが理由で私もきたんだし。」


「中学からここの俺は言うまでもなくそう言うことだ。」


「校門出たしフレンドなろうぜ。」


「おうよ。」


「そうね。」


ちなみにヘッドギアとスマホは共有状態しているのでGFOでフレンドになれば勝手にメアドとかも交換することができる。

まぁ承認制だけどね。


「それじゃあ駅までの道で集合時間とか場所とかどこ行くかは決めておきましょう。」


「とりあえず涼音はどこに向かっているの?」


「え?あ…」


相変わらずの方向音痴だなぁ〜なんかもう何年間もそんな感じでやってるみたい。


「ま、涼音は俺らより前に行かないようにしよう。」


「そうね…何回か行き慣れれば大丈夫なのに…」


「まぁそれまではでいいじゃねぇか。誰にも得意不得意はあるんだし。」


「そうね…そう考えるわ…」


こんなに方向音痴でゲームの待ち合わせ場所に来れるのかよ…


「ゲームの中は大丈夫なの?」


「ゲームはマップがあれば絶対に迷わないわ。というか地図があれば基本大丈夫。」


「…不思議な人だなぁ〜」


「自分でも不思議なのよ…」


っと、もう駅か。涼音とは同じ方面だけど慎慈とは違うからな。


「結果的にどこに行くとか決まってないから集合場所、時間は決めとこうか。」


「そうだな。“銀河の祭壇”はどうだ?あそこなら人も少ないだろうし。」


銀河の祭壇はレベル600以上にならないと入れない超高レベルエリアでそこからいけるフィールドは基本700レベ以上で戦える人は数少ない。俺はソロ攻略し中だけどね。3人になれば効率も良くなるだろうし慎慈ナイスアイデア!


「時間はどうする?」


「今11時過ぎだからご飯の時間合わせて2時くらいがちょうどいいかな?」


「んじゃ2時に銀河の祭壇集合な。」


「おう!」


「ええ!それじゃあ慎君また後でね。」


「慎慈また後でな。」


「おう!涼音と零断遅れんなよ?」


慎慈が改札を通って行った。この後は涼音となんちゃらコンちゃらと話しながら家に帰った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ただいま〜。」


「あら零断。はやかったね。」


「なんでお前も帰ってるんだよ。」


「私はいじめられっ子のお兄ちゃんがかわいそうだから癒してあげるために早く帰ってきてあげたんだよ?感謝しなさい。」


「大きなお世話だ。さらに俺は火憐に癒されるほど弱くねーよ。」


「えぇ〜。そんなこと言うお兄ちゃんには昼飯あげな…ってそうやって取るのはずるいと思うんだ。」


「チビなのが悪い。」


「あー!チビって言った!撤回しろー!中3で153あればチビではない!」


「あーあーそうかそうか。」


「むぅぅ〜」


こいつは俺の妹の長谷火憐かれん。中3なのだが、反抗期と呼ばれるものがないらしい。あと、小学生の頃に俺がシスコンだったせいでお兄ちゃんっ子に育てられたらしい。(火憐の自称)

ちなみにGFOは俺と同じで古参勢でレベルは641だ。ギリギリ勝ってるぜ!

と言うことで俺は今、火憐から取った昼飯を食っている。正面には火憐もいる。今日の昼飯はスパゲッティだ。おそらく火憐が作ってくれてたのだろう。出来の良い妹を持ったものだ。


「ああ。そういえば学校に600レベ代のプレイヤーが2人いたぞ?」


「えっ!うそっ!2人も⁉︎1人ならあるかもしれないと思ってたけどまさか2人もなんて…友達にはなったの?」


「もちろん。2時から一緒に銀河の祭壇で狩りするつもりだけど…」


「私も行くね!これ強制!」


「り、了解です。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「というわけだ。俺の妹の火憐。プレイヤーネームもカレンだ。」


「涼音ちゃん、慎慈君よろしく!」


「火憐ちゃんよろしくね。私火憐ちゃんよりレベル低いから。」


「俺って女子に舐められる人なのか?歳下に君付けって…」


「慎慈。火憐は誰にでもこうだから気にすんな。けど、涼音のせいで学校で慎君って呼ばれるようになるかもしれないからそこは諦めろ。」


「クラス全員に慎君かよ…まぁ呼び方なんてどうでもいいか。火憐…でいいか?」


「いいよ〜!ふっふっふ。2人とも私よりレベル下だね!ここは私がリーダーを!って痛い!お兄ちゃんチョップ禁止!」


「お前より俺の方がレベル上だろ?さらにお前がリーダーだったらそのパーティは崩壊するだろ?」


「えっ!お兄ちゃんひどい!そんなに私重症じゃないよ!」


「そうかそうか。って、2人ともどうした?」


「「零断って…シスコン?」」


「おお!よく気づいてくれました!お兄ちゃんはね。私のことだーい好きなの!この前ね!起きたら私のベットの隣にお兄ちゃんが…ちょっと待った!お兄ちゃん!ここでそれはやばい!私メイジっ!防御力お兄ちゃんよりない!」


「…デスペナを惜しめ…」


「やばい…この人本気だぁ。クゥやるしかない!“ウィンドフィールド”!“エアスパイラル”!“サモンウィンドエレメント”!これなら…アグッ!」


「…ログアウトさせてこようかな。」


「ひやぁ!お兄ちゃん麻痺毒ずるい!というか抱えないで!どこいくのぉ〜!」


「ちょっと待っててくれ。リアルでこいつをしばいてくる。」


「ま、まって!ちゃんとやる!ちゃんとやるから!涼音ちゃん!慎慈君助けて!」


「…火憐ちゃん。いってらっしゃい。」


「潔くするんだぞ。」


「そんな!2人ともひどい!」


ーー数分後ーー


まぁとりあえずいつも通りコショコショ地獄をやり、さすがに反省したという時にやめる。そして帰ってきた。


「ただいま。」


「……零断。何やったの?」


「兄妹のたしなみ」


「お兄ちゃん!普通あんなこと妹にやらないよ!」


「え…零断って…」


「さすがに…」


何引いてんだ?って


「あっ!そういう意味じゃないからな!こいつにコショコショしまくってただけだ!」


「ああ。お兄ちゃん。すごく気持ちよかったよ…また、やろ?それとも今やる?2人の前で?」


こいつっ!


「ああ。やってやろうじゃねぇか。さっきより時間は倍な。」


「え、いや。じょ、冗談だからぁぁぁぁー!!!!ちょっ!だめっ!あはははは!!!ほんと!ダメだって!やめてぇー!!!」


「これさ。火憐ちゃんにいいご褒美なんじゃ…」


「俺思った。火憐はブラコンだ。零断は多分元シスコンだ。かなり重度の。」


「それは事実だから否定しない。このブラコン妹。」


「や、やめっ!ぶ、ブラコンのっ!定義を!って足の裏はだめ!さらにゃぁああああ!!!」


「ブラコンの定義は周りからブラコンだと思われればブラコンだよ。」


「なら俺はシスコンではないんだな。卒業できてて良かった。」


「ニァァァァァ!!もうムリィー!」


「零断…流石にやりすぎなんじゃ…」


「いつもならやめるんだがな。こいつ2連続だったから少し懲らしめないと。」


「お兄ちゃん!大好き!だからやめて!キスしてもいいから!」


「そういうことを乙女が言っていいのか…」


「私はお兄ちゃん一筋!お兄ちゃんなら処女あげるよ?」


「お前に誘惑されても何もおこらねぇよ。」


「むぅ…意地悪。私たち血繋がってないのに。」


「えっ!?!?」


「ああ。これは事実。こいつ孤児だから。」


「孤児って…つまりお父さんとお母さんは…」


「なら、お父さんとお母さんの定義は何?血が繋がってること?それとも育ててくれたこと?私は育ててくれた人を両親だと思う。だからお父さんはお父さん。お母さんはお母さんなの。お兄ちゃんはね将来私の夫だ…や、やめっ!ひやぁぁぁぁー!!」


「誰がお前の夫になるかボケ!お前が容姿が良くてスタイル抜群文武両道っていうことは知ってるが、俺にそういう属性はない!」


「なら、私のことを妹と思わなければいいんだ!ね?零断。」


「呼び方変えればなんとでもなると思うな!」


「むぅ〜!お兄ちゃんに好かれるためにこんなに頑張ってるのに…お父さんからの許可は得てるのに。」


「何許可出してんだあのクソオヤジぃ!!!」


「『大丈夫!お前みたいな完璧な女に惹かれない男は俺くらいしかいない!』って言ってたよ?」


「勝手な妄想だ!お前はどこを目指してる!?!?」


「もちろんお兄ちゃんの嫁を!」


「そこ目指すなぁー!!!!」


なんなんだこいつ…今日おかしい…今まで風呂に突撃されたり、起きたら全裸で抱きつかれたりされてきたがここまで言葉で言われるのは初めてだぞ?というか2人をすごく置いてけぼりにしてるし!話題変換を!


「ま、火憐は置いておいて今日はもちろん狩場は銀河の死道でいいんだよな?」


「お兄ちゃん…そこ初見プレイには鬼畜だと思うよ。というかおいておかないで!真剣に考えて!1人の女の子の運命だよ!最初で最後の恋をそんな簡単に流さないで!」


「はいはい。こういう話は2人がいないところでやるぞ。んで、どうだ?」


あれ?2人固まってる。どうしたんだろ?


「う、嘘だろ?銀河の死道に行くとか言ったよな?こいつ。」


「…嘘じゃないと思うわよ。けど流石に耳を疑ってるわ。」


「あれ?2人行ったことない?」


「「あるわけないでしょ!(だろ!)」」


「…お兄ちゃん。ここをソロで楽々クリアして経験値稼ぎにしてる人なんてゲーム内見てもお兄ちゃんだけだと思う。」


「ん〜やっぱりそうなのかなぁ〜こんな攻撃が単純で柔らかい敵いないと思うんだけどなぁ」


「その代わり一発一発が重いでしょ?確定スタンも入るからほとんどのプレイヤーは諦めてる場所だよ?」


「ま、とりあえず行こっか?安心しろ。俺がすべて倒すから。」


「零断のその自信はどこから湧いてくるのかしら。」


「本当に同感だ。ま、タンクは任せろ。確か雑魚敵なら結構耐えられる。」


「あ、俺一発食らったら赤ゲージまで行くから。もし食らったら超辛いタンクよろしく!」


「お、おう…これはレイド並みに覚悟が必要だな…」


「任せて。スタン対策とか、デバフは私がやるから。」


「そういえば鈴音ちゃんと慎慈君のユニスキルって何?」


「そういえば聞いてなかったな。慎慈はタンクなんだろ?」


「ああ。正確にいうとタンク兼アタッカー兼バッファーだな。名前は“天界の守護騎士”(ヘブンズガーディアン)だ。基本聖魔法を使う。まぁつまりバフをかける役割があるっていうことだな。武器は両手剣だ。」


「うお!一人三役かぁ〜。スッゲェ。俺は超絶アタッカーでしかないからなぁ〜」


「お兄ちゃんってそういうのマジで言ってる?その攻撃力がきちがいなんだよ?」


「まぁその他できないのは事実だろ?」


「まぁ、そうだけど…えっと、鈴音ちゃんは?」


「私は“刀姫の氷帝”(フローゼムクイーン)よ。まぁわかると思うけど武器は刀ね。この名前では考えられないけど、回復スキルと刀スキル、あとデバフかな。自分より50レベ高いボスまでなら全員にデバフが当たる少し強めなユニスキルだよ。」


「それクッソ強くね?それにプラス俺の超絶物理アタックに火憐の超絶魔法アタックとかどんな的にも勝てるだろ。」


「火憐ちゃんのユニスキルってなに?魔法系なのはわかるんだけど。」


「私は“風神の杖”(ウィンドゴルスタッフ)だよ。属性スキルかと思われることが多いんだけど、『神』って付くのは無属性らしいよ。」


「へぇ〜つまり風魔法の天才ってわけね。」


「そゆこと〜!ねっ!これからこの4人でずっとパーティ組まない?」


「ああ。そうだな。けど、少し間違えるぞ?3人だろ?火憐は無しな。」


「えっ!ひどっ!そんなこと言うと毎日やってる朝の奉仕をしなくしちゃうぞ?」


「それはお前がやりたいからやってるんだろ?逆に全裸で毎日抱きつかれてたら疲れるっての。」


「ひどい!それなら逆に毎日夜襲ってやる!」


「それは俺の大事なものが奪われる気がするからやめろ!」


「ふっ!お兄ちゃんの童貞はもらった!そして既成事実で結婚まで…」


「お前知らなかったか?お前のデータを預かってるの俺だからな?」


「ひえっ!まさかデータ消すのはやめて!GFOのデータと私の個人フォルダだけは残しておいて!大事なの!」


「ふむ。個人フォルダは俺が見ておこう。」


「だめっ!絶対!そんなことしたら本当に既成事実作ってやる!」


く、それを駆け引きに出されるときつい…火憐が本当にやりそうなのがさらに。


「俺にそんなことができると思ってるのか?」


「私のパーフェクトボディに勝てるものはいない!」


「その体毎日見てるからもう飽きたわ!」


「さわればわかるさ。」


「いつも触らさせられるだろうが!」


「零断…変態?」


「俺を変態扱いしないでくれません?むしろ変態なのは火憐だから。って、この話題やめよ?俺が圧倒的に不利だから。もう行こうよ、銀河の死道に。」


「そうだな。ブラコンの妹がいて羨ましいぞ。」


「お前にこのバカ妹をあげたいよ…」


「私とお兄ちゃんは運命の赤い糸で結ばれてるから絶対に結びつくのだ!」


「よし。他の人と結びついてやる。」


「意識の壁はどれだけ高いんだ…!絶対に超えてやるぅ!」


「がんばれー」


火憐の暴走はどうやって止めようかな…

まぁ、色々とあったが(基本火憐のせい)やっと銀河の死道に行ける。

2人の実力を見させてもらおうかな。さっき火憐が言ってたパーティ組むのも腕がよければありだと思うし。

よし。やるか!


番外編終了






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