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波動の龍者  作者: ケイマ
第1章
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魔法の発動の仕方


「んん〜?」


目が覚めると右腕に何やら柔らかいものが触れていた。

気持よくてニギニギしてみると


「んっ、」


【え?ちょっと待って、】


近くで聞こえた女の喘ぎ声が聞こえ、零断は意識を覚醒させた。すると目に写ったものは


【おいおいおいおいおい。なぜセリアが、同じベッドで寝ている!しかもネグリジェ1枚で!】


零断が激しく動揺。これはもう。異世界転移してから一番動揺しているかもしれない。

と、そんなことなんて知らず、さっきまぐっすりだったセリアが薄く目を開けた。


「んん〜零断〜?なんで一緒に寝てるのぉ〜?ああ~これが夢だからかぁ〜夢なら、自分勝手にしていいよねぇ〜」


「うわっ!ちょっと待てイィ!セリア!!夢じゃないよ!起きて!ゲットアップ!」


セリアは寝ぼけたまま零断の上に乗っかり、顔を零断の顔に近づけてくる。

流石に零断の頭もオーバーヒート。もう、何をすればいいのかわからず、まず、起こす為にセリアの頬を往復ビンタ。しかし弱い。そこでようやくセリアの目が開いた。


「ふぇ?どうして私は零断の上に………そして、抱きしめらっっ、!」


そして今頃自分が零断の上に乗り、零断が横にどかすために抱きしめていることに気付いた。

速攻で顔を真っ赤にし、零断の横に体を落とし、零断の胸に顔を埋める。顔を見られたくないらしい。


「あのぉ〜セリア…さん?これ、俺悪くないよね?意図的に抱きしめたりしてないからね?」


「………っ、!」


セリアは声が出ないようだ。怒ってるのか、恥ずかしがっているのかすらわからん。

取り敢えず、零断はため息を吐くのであった。


ーーーーーーーーーーーーー


その後、何があったのかをセリアにしっかりと説明し、セリアがつぶやいた言葉を一語一句真似して聞かせたらまたセリアが零断の胸に顔を埋めて動かなくなるアクシデントがあったが、二人ともちゃんと起きた。

リビングについたところでウィリアムも起きてきたので、昨日のことをしっかりと話すことになった。


「つまり、零断は雷魔法の習得のために昨日セリアをほったらかして部屋にこもってたわけじゃな?心配していた女をほったらかして趣味に没頭するとは。一度しばかなくてはいけないかもな。」


「い、いや、遠慮しておくぜ。そのことに関しては、今日の添寝でパーになった………はずだから。」


「なに?添寝じゃと?」


「ワぁーーー!!何でも無いです!ウィリアムじぃは聞かなくていいことです!」


「ああ。添寝だ!起きたらセリアが俺のう…」


「あっ、!零断!それ以上言わないでください!恥ずかしいです!わかりましたっ!昨日のことはパーで良いので言わないでください!」


「ふむ。よろしい。」


「ほうほう。零断とセリアの添寝か。気になるのぉ。ほれ、零断。後でこっそりと………」


「ウィリアムじぃ!ぜぇッっったいにダメですからね!零断も言わないでくださいよ!」


「あ、ああ。理解した。絶対に言いません。」


【うわぁー。怒ったセリア可愛いなぁ〜。けど、やり過ぎないようにはしよう。】


そう心に誓う零断であった。


ーーーーーーーーーーーーー


謎の騒動を終え、本当に、話し合いを始めることにした。

まず、ウィリアムについてだが、今家に届けるのは危険ということで、嵐が止むまでセリアの家に住むことになった。

また、零断がまた帰らないのは嫌ということで田畑も見にいかない事になった。その時セリアが


「ああ~…私の田畑ぁ〜(泣)けど、零断も心配だし…さようなら………」

とつぶやいていたが、二人は全力でスルーした。

そして、ウィリアムが何か零断にお礼をしたいという話になった。


「そういえば、零断は剣士なんじゃろ?」


【今の俺は剣士なのか?剣も使ってないし、この世界で俺は剣を使えるのか?まぁ元剣士だったし、とりあえず、そういうことにしておこう。】


「ああ。といってもここに来る前のことだからここにきても剣士でいられるかはわからないけどな。」


【というか、ギャラクシースキルがないからしっかりとした技は出せないなぁ。どうするかね】


ギャラクシースキルとは、ある一定のアクションを起こすと発動する剣技、魔法で、詠唱や、モーションだったりする。

そう思った時に零断の頭に『ピコン!』と、ある考えが出てきた。しかし、それが何かがわかっていないので、取り敢えず、後回しだ。


「それなら、ワシがお主の剣を作ってやろう。」


「は?おっちゃん剣作れるの?鍛冶師?」


「あーそういえば、零断はまだ知りませんでしたね。ウィリアムじぃは村一番の魔法使い、また、鍛冶師なんですよ。」


「魔法使いってことは知っていたが、まさか鍛冶師とは…つまり、もう自分は鍛冶の魔法しか使わないと決めたからあの時魔法を使わなかったのか。」


「よくわかったのぉ。まぁそういうことじゃ。すまんのう。けども、決意したからには変えることはできん。それがワシの生き方じゃ。」


このおじさんは、昔頑固で、凄腕の冒険者だったらしい。癖はあるが、腕はいいので、意外と活躍していたようだ。


「別にいいよ。帰れたし。それに、剣も作ってもらえるなら、助けたかいがあったし。楽しみにさせてもらうぜ。おっちゃん。」


「おお。任せておくのじゃ。立派なもんを作ってやろう。」


その後、丁度昼の時間になったので、ご飯にすることにした。

ちなみに、食べているのは白米であり、去年は豊作だったらしく、大量にためてあるので問題ない。

名前は『スーホ』というらしいが、零断は無視して白米と読んでいる。


ーーーーーーーーーーーーー


ご飯を食べ終わったあと、ウィリアムは寝ると言って自室(今日決めた嵐が止むまでの部屋)に行って寝ている。セリアは、食器洗いや、洗濯などの家事。

そして零断は先ほど『ピコン!』ときたときの考えを思い出すために自室に潜っている。


【さっき、『ピコン!』ときたのはギャラクシースキルのことを考えていた時だ。俺はギャラクシースキルと何を掛け合わせていたんだ?ギャラクシースキルと何かを合わせれば簡単にあれを………アレだよあれ!なんかイメージはできてるのに!】


あと一歩のところで出てこないことにだんだ苛ついてくる。そして、


「あーー!『もう!』」


と、魔法を発動させた。発動させた魔法は"放電"自分の周りに電気を出す魔法だ。と、その時


【ん?魔法?あ!そうだ!魔法だ!魔法と、ギャラクシースキルを合わせるんだ。】


あれ=魔法だったようだ。そして、わかったことで零断の気分がどんどん向上していく。


【魔法は詠唱することで出る。ギャラクシースキルも詠唱することで出すこともできる。なら、ギャラクシースキルみたいに、モーションで出すこともできるのではないか?】


今まで頭の中に渦巻いていた考えをまとめられ、新たな発見ができる予感がして、更に気分が向上していき、こうなった。


「そうだよ!魔法だよ!モーションだよ!あっはっはっはっはぁーー!!」


大声を出して笑いはじめた零断。イライラしてたのが一気に消え、いろいろと壊れたみたいだ。

その声に驚いてドアを開けて来たセリアに抱きついて、笑い続けたせいで、セリアを怒らせてしまい、今日も添寝をするってことで許してもらうことになった。


「はぁ………やっちまった………気分が上がり過ぎた………このまま毎日添寝する事にならないようにしないといろいろとまずいな…」


と、後悔しながら、先ほど思いついた考えを、いろいろまとめていく。

まず、考えたのが、手を引いて、出す。このモーションで、拳型の電気が飛んでいく。

つまるところ、飛翔型のカミナリパンチだ。しかし、やればできるだろうと思っていた零断だが、そんなに甘くなかった。

手を引くときに、イメージして手に電気が帯びるのだが、手を前に出した時には電気がなくなっている。まず、そういう状況になった。

そして、何回か試行錯誤し、魔力が切れ、また復活して試行錯誤をし、魔力が切れ………というのを3回ほど繰り返したあと、ついに成功した。まず、最初に何故失敗したかというと、手を引くときに電気を帯びる。そして手を出せば電気が飛ぶ。そう思ってたからだ。

そうではなく、手を引くことで、手に電気が帯びる。そして、手を前に出すときに、さらに電気を帯びさせなければいけない。そうでないと、一時的に電気を帯びたからと言って永遠に電気を帯びているわけではないからだ。

どんどん強くなるイメージをしなければいけない。強くなるイメージをしなければ弱くなるだけなのだ。強くなることをイメージすることで、現状維持するのだ。

もっと強くイメージすれば、もっと威力を強くすることもできるが、それは使い慣れてから、結果をイメージできるようになってからでないと辛そうだ。そして、電気を飛ばす時だが、これが非常にイメージがしにくいことがわかった。空気中から電気が拳型電気に集まるイメージをしなければいけないからだ。しなかった場合、1mちょっとで消えてしまう。

しかも、実践で行うなら、このイメージをしながら他の行動もしなければいけない。イメージすることを癖付けなければ実践は、難しいと判断した。

言葉なら、その言葉で今回行ったような最小限のイメージを無意識に実行しているが、この方法だと言葉を出さないため、言葉で詠唱するより、難易度が格段に違うことを実感した。このモーション型魔法を多数使いこなせるようになるには、何日、いや、何ヶ月もの時間が必要ということを理解させられた。

ちなみに、零断は飛翔型カミナリパンチを成功させたが、威力は限りなく小さく、遅く、飛翔距離も5mほどで、全く上手くないのが現状であった。

丁度そこで、セリアから夕飯で呼ばれ、研究を中断した。その後、飯を食い、ウィリアムと一緒に風呂に入り、セリアに部屋へ連行された。


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