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波動の龍者  作者: ケイマ
第1章
33/81

親しき友

少し遅れました!!

投稿していると思い込んでいた…

桐乃慎慈きりのしんじとは、零断の1番の親友である。

出会いは小学校3年生の時。慎慈が零断が住んでいるところに引っ越して来た時だ。

この頃にはもう零断はGFOにはまっており、小学校低学年特有の公園遊びなど全くせずにゲームにのめり込んでいた。ちなみに零断は運動していなかったわけではなく、サッカー、水泳、ボルタニングと、ちゃんと運動系の習い事に通っている。

だから決して太っていたわけではなく、逆に筋肉がしっかりと引き締まっていて、いつも大人と一緒にプレイしているからか人をまとめたり意見を取り入れることができていて人気者だったりする。

この時も零断がクラス委員長に強制的になってしまったので慎慈に学校紹介することになったのだ。

「ねぇ長谷君。ゲームってやってる?」

今まで適当なことしか喋っていなかった2人だが、慎慈が突然ゲームの話をふる。もちろんゲームの話なら速攻で態度が変わる零断。

「ああ。やってるぜ。桐乃もやってるのか?」

今まで優しく話すような口調からいきなり中学生くらいの口調に変わったので少しびっくりするが、これが零断なりの気配りなのだろうと思って前の学校で使っていた口調に戻す慎慈。

「ああ。やってるぜ。ちなみにやってるのはGFOだぜ!ま、この歳でGFOやってるやつなんて……」

「ああ。桐乃もなのか。」

やってるやつなんていないだろ?と言おうとしたのに自分もやっているのと言った零断に驚く。

「え、長谷もやってるのか?」

「ああ。まぁ、この学校でやってるのは俺だけだろうけど。あ、桐乃が転校したから2人になったのか。」

そこから2人は学校紹介そっちのけでGFOの話をした。今俺は何レベで武器は何かとか、効率のいい狩場はここだとか。そういう会話をしているだけで2人の仲が良くなった。自然に零断、慎慈と呼び合うようになり、ゲーム内で会う約束もした。

ゲーム内であった時に零断のレベルが慎慈とかけ離れていたので当分慎慈のレベル上げに付き合うことになった零断だが、そこは置いておこう。

ここからずっと零断と慎慈は常に一緒に行動することになった。

しかし、小学6年生の時に零断の両親が零断の個性をさらに伸ばすために中高大と一貫の一流学校に入れさせるという方針に決まったため、ゲームする時間が大幅に削られ、遊ぶ時間も減った。

慎慈は受験はしなかったのでひたすらGFOにのめり込んだ。結果、試験が終わる2月の時には零断のレベルを少し抜いていた。

中学になり、部活を始めるが零断はゲーム研究部を作ろうとして失敗。

そのことを聞いたGFOをやり込んでいる先輩(零断の方が圧倒的にレベルが高い)がその集中力を見込んで弓道部に引き入れ、地味に中学で全国ベスト8という結果を残した。だが、零断は

『新イベントに意識が行き過ぎて集中できなかった…』

と部活内で愚痴をこぼした。

ちなみに慎慈は零断に誘われて(道ずれ)入ったサッカークラブでサッカーセンスを見抜かれ、全国レベルのクラブチームに誘われたがこれを拒否。理由は言わずもがなである。ちなみに小学生の頃に県でトレーニング選抜に選ばれていた。

中学では通常のサッカー部に入って初県大会出場という見事な結果を残している。2年生の時からキャプテンで学校の内申点や、零断と同じ学校に行くために勉強したため、成績もいいので試験を受けずに無事零断と同じ学校の推薦を入手。地味にスポーツ推薦気味でもあるが。

2人は中学でもずっと親友であり、暇があったらリアルでもあっていたりする。

そして高校。高校に上がるのと一緒に慎慈が引っ越したので、一緒に行くこともなく、学校で集合することにした。

慎慈が学校で零断に会ってみると早速ゲーマー(涼音)と仲良くなっており、なんとなく尊敬する慎慈。

結果零断繋がりで慎慈と涼音も仲良くなり、高校で一緒に行動するメンバーがもう固まっていた。

6月くらいに涼音から零断とどうやって付き合うかを相談されたことがあり、それを成功に導かせたのである意味零断と涼音がくっついたのは慎慈がいたからということがある。

零断、涼音は2人とも弓道部で零断が行く時に涼音が行くという形であり、家も2人はすごく近いので本当の意味で一緒にいる2人だが、慎慈は家が少し方面が違い、そこそこ強いサッカー部に監禁されるため、あまりゲームができていない。と言ってもこの時期には3人とも廃人に並ぶほどの戦闘力を持っていた。

そして3人はGSOのテスト参加者に抜擢された。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「慎慈…やっぱりお前もここにいるのか…」

零断は1人でつぶやく。今零断がいるのは自分の部屋だ。

あの後、少し考えたいということで話を終わらせ、訓練そっちのけで帰ってきたのだ。セリアはまだ農作業中で帰ってきていない。多分グレンも多分察してくれてこないだろう。多分予定について話し合っているだろう。

「有名な大剣使いか…まぁ、生きてるっていう確信は取れた。なら、多分涼音は王都にいない…くそっ!何処にいるんだ…」

感情を荒ぶらせたが、すぐに収める。

「なるべく早く隣の帝国にもいかないと…他にも海を渡れば国がある。絶対に見つけ出すからな…!」

静かに決意を決める零断。その決意が終わったのと同じくらいに家のドアが開いたことに気づく零断。入ってきたのは3人。おそらくグレン、ウィリアム、ダラスだろう。とりあえず気づかないふりをして細かく索敵をして話の内容を感じる。

「そうなのですか…零断殿はスズネ殿を探すための手を探していたのですか。それにしても、あそこまで強いのに今まで無名だったのは不思議ですね。」

「あーそれは…」

聞かれたくないことを聞かれ、グレンが口ごもる。そこにウィリアムがうまくフォローを入れる。

「強くなって有名になるために山脈で武者修行をやっていたらしいのぅ。」

【ナイスフォロー!!助かった!】

零断が内心ホッとする。2人が異世界から来たとか言ったら何されるかわからないと思っていたのだ。

そこまで話したらちょうど零断の部屋の前に着く。

コンコン

と扉をノックする音が聞こえる。

「入っていいぞ。」

「んじゃ、お邪魔するな。」

「家はセリアから許可もらってるから大丈夫じゃよ。」

「お邪魔させていただいています。」

「おう。適当に座ってくれ。」

気持ちを切り替え、まず目の前に迫っている王都訪問についてだ。涼音がいなかったとしても慎慈と会えるのならば行く価値がある。

「さて、お二人には先に話しましたが、もう一度確認しますがよろしいですか?」

3人が頷く。ダラスは話を続ける。

「ありがとうございます。では、説明します……」

ダラスが30分ほど説明をする。

まとめると、こんなものだ。

まず、王都に着くのには早くて2ヶ月かかるが、そこまでの宿泊などは全て王都が払ってくれるらしい。帰りも同様らしい。

また、王都へついたらまず国王と挨拶となるらしい。

零断は東の英雄と言われてるらしい。S級を単独撃破したのだから当然だろう。そして、東の地域の被害を無しで収めた功績は相当なもので国王から直接お礼を言ってもらえるらしい。

また、グレンも同じような功績であり、ウィリアムは優秀な人材として直接スカウトするらしい。

これは零断が部屋に戻って来てから使い捨ての少し高価な連絡用の魔法具を使って立てた予定である。

要するに2ヶ月ちょっとひたすら馬車でダラダラしていればいいらしい。

疑問に感じることがあるとすればなぜ往復4ヶ月かかる場所に同じ人が1ヶ月に一回来るのかということだ。それは簡単に説明された。

ダラスはここから馬車で4日ほどにある大規模な町に住んでいるらしい。ちなみにキズト町は馬車で1日かからない。

あと、この世界の馬はピンキリある。非常に走るのが早く、体力がある馬もいれば、キズト町まで2日ほどかかる馬もいる。早く、体力がある馬は基本貴族が独占しているのであまり出回っていない。ダラスが住んでいる町に平均くらいの速さの馬が行くならば10日はかかるだろう。

そして、ダラスは相当いい地位にいるらしく、自分の仕事を司書に任せて自分は有力な候補者達の元を回っているらしい。その候補者が受け入れてくれたら王都へ行って報酬をもらうのだとか。零断にとってあまり興味がないことだったのでほとんど聞き流していた。グレンとウィリアムはちゃんと聞いていたようだが。

この日はもう少し話し合った後にお開きとなった。タイミングはセリアが帰って来たときである。

その日からグレンは毎日零断とセリアの家に来て夕飯を食べるようになった。当分会えなくなる妹的存在と一緒にいたいのだろう。セリアも苦笑いである。零断的には

【早く嫁を見つけろよ…】

と思っている。

その日からは何ヶ月も会えなくなるということで2人は毎日愛し合っていた。

また、傭兵団との訓練もほぼ毎日やってもし魔物に襲われた時に確実に対処できるようにと2人でしばいた。

そして、ついに出発する日が来た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここは静かな森の奥。そこには他の魔物とは圧倒的に雰囲気が違う魔物がいた。

その魔物はある者を探すかのようにこの森全体をありえないと思うほどの速さで走り回る。

途中熊のような普通の魔物だったらすぐに逃げ出すような魔物が道を阻むが、それを不思議な青深く光る魔法で瞬殺する。

そしてその魔物はまたある者を探すような動きを始める。

何日経っただろうか。ふとその魔物の動きが止まった。いつも間にか山脈に入り上の方まで来てしまっていた。

魔物は山脈をゆっくりと降りて行く。見逃さず、確実に見つけるために。

魔物がついた先には巨大な魔物の死体があった。全身が黒く、生きているときは相当強かったことがうかがえる。

しかし、魔物はその死体には見向きもせずに周りを観察し、また違う方向へ森を抜けるために行動する。そして森を抜けた。魔物は道もない野原を歩く。時々人とすれ違うが見向きもされない。いや、気付かれない。それは魔物が不思議な魔法を使っているからか。

そして、その先には村があった。そこでついに魔物は探していた者を見つけた。



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