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波動の龍者  作者: ケイマ
第1章
22/81

冒険者登録

あーやっぱり…

波動の龍者 22話 冒険者登録



「先ほどはすみません。喧嘩を売られたもので買ってしまいました。」

「い、いえいえ。よくあることですし…今日は

なにしに?」

零断の言葉に少し慌てながら言葉を返す。

ちなみに受付の人は可愛いわけでもなく、ブサイクなわけでもない。よくよくいそうな人である。しかし、誰にでも明るく接するので評判は良い。

「冒険者登録です。少し経ったら旅に出るので先に作っておこうかと。」

「そういうことでしたか。わかりました。冒険者について知っています?」

「すみません。実はあまりわかってないんです。あっちで対応してる2人に軽く説明されたくらいで。」

そう。グレンとウィリアムは今零断が吹っ飛ばした物を片付けている。

「なら説明いたしますね…………」

受付の人の話をまとめると、まず、冒険者には

SSS.SS.S.A+.A.A-.B.C.D.E.Fとある。

SSSとSSは国に認められ、直属になったものだけがなれる。SSSはさらに大きな功績を残さなければならないので、1つの国に1人いるかいないかだ。

Sランクは数多くの功績を残したものに与えられ、国に属することが認められる。

それより下のランクは日に日に冒険者ポイントを貯めてランクを上げる。

最初はもちろんFランク。

だからと言ってFランクの依頼しか受けられないというわけではない。Sランクの依頼を受けることもできる。そんなことするのは零断のような個人職持ちだろう。しかし、個人職持ちは行きているだけで存在価値があり、重宝にされる。だから、わざわざ難しい依頼をこなさなくてもいいのだ。

話を戻すが、Fランクの状態でEランクの依頼を成功させると、受け取ることができるポイントが2倍となる。もし、Dランクだったら3倍。Cランクだと4倍だ。

しかし、ランクが上がった1ヶ月はランクを上げることはできない。

これは強き者が早くランクを上げることができると同時に自信過剰で上のランクに挑み亡くなるケースを限りなく少なくした設定だった。

ちなみにDランクの状態でEランクの依頼を成功させるとポイントは4分の1。つまり、一個下なら4分の1で、それより下はポイントをゲットできないというわけだ。

それに、2つ以上下のランクのクエストをやったとしても報酬が少なくなる。よって、下のランククエストをやる意味はほとんどないのだ。もしポイントが溜まっていたとしても上がらないという選択肢はあり、自分にあったランクを選ぶことができる。

また、ランクを1つあげるとポイントは1からになる。溜めを作ることはできないのだ。

そして、Bランク以上は国の首都で試験を受けなければならない。

ちなみにウィリアムはSランクで、グレンはAランクである。

ウィリアムは国に所属することを拒否し、なぜかテニラ村へやって来た。そこからグレンを立派に育て上げ傭兵団を作った。

ウィリアムは未だにテニラ村に来た理由を誰にも話していない。

話が逸れたが…というか、もう2回目だが、戻そう。

ランクを上げればあげるほど冒険者ギルドと連携している宿舎や素材屋で安く泊めてくれたり、高く買い取ってくれる。

零断は別に高速でランク上げをしたいわけではなく、いざとなったら稼ぐ方法が欲しかっただけなので、ルールとかは興味がなかった。まぁ、ランクを上げれば良いことがあるということはわかった。

「まぁ俺は気長にやりますよ。最短でもSランクには一年くらいかかるんですよね?」

「Sランクになるのが当然のような言い方ですが、まぁそうですね。」

受け付け係のひとは少し呆れながら。しかし、そうなる確率もあると考えながらそう話す。

「さて、本題の冒険者カードを作りますか。」

と言って長方形の板を取り出す。木ではなさそうだ。鉄でもなく、あえていうならばプラスチックに似ているものだった。

「これは?」

零断は当然の反応を示す。

それに丁寧に対応する。

「これが冒険者カードです。これに血を一滴流すことで自分だけの冒険者カードを作ることができます。ちなみに破損した場合、500コパ。つまり、5銀貨ですね。最初の方は相当大きな金額なので気をつけてくださいね。」

ちなみにコパとは、この世界の金の呼び方である。日本ならば円、アメリカならドルという感じである。

そして、1コパは銅貨1枚。100コパで銀貨1枚。1000コパで金貨1枚。1万コパで白金貨1枚である。

零断が適当に日本円に変えてみると、1コパ100円ほどだ。つまり、1銀貨は1万円。1金貨は10万円だ。白金貨は100万円である。

平民は基本銀貨までしか使わない。また、Sランク以来だと時々金貨が報酬のことがあるくらいだ。白金貨なんてほとんど使わない。貴族専用と思っていいだろう。

【そんなに白金貨が有名ならその材料を他のに使えばいいのに】

と、零断はやはりずれた考えをする。

怒りは収まったようだ。

と、金銭の話から零断の冒険者カードの話に戻る。

「わかりました。血を一滴ですね。」

そういって、波動を一点に固め、軽く肌に触れる。すると肌は一点だけ溶けたようになる。

そこから血が流れてくるのでそれを見冒険者カードに垂らす。

血はすぐにとまった。

冒険者カードは様々な文字が浮き出ては消えてを繰り返している。

その文字はなぜか零断は読むことができた。

【そういえば今まで気にしてなかったけど、俺は今日本語を喋っていない…漢字やひらがなとはちがう文字を読むことができている。これはなぜなんだ?】

今まで当然だと思っていたことが突然不自然に感じられ、戸惑う。しかし、その戸惑いの表情は顔に出さない。出しても仕方がないからだ。この町にもテニラ村にも地球を知っている人はいないのだから。

【ま、予想はつく。異世界転移したんだから言語理解くらいはつくだろ。日本語もひらがな漢字も思い出せるしね。】

零断はこのことを頭から追いやった。わからないことを考えても意味がないからだ。

そうしているうちに冒険者カードはマジを整えていった。

それからすぐに冒険者カードは完成した。

見た目はこうである。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:零断


神職:波動者


クラス:F


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



なんと簡素なのだろう。しかし、零断から名字が消えている。それはこの世界が貴族以外名字を持っていないからだろう。よってこれからは零断は名前で名乗らなくてはいけなくなった。

【ほう。名字がなくなるか。まぁ予想はしてたしね。問題ないな】

あまり驚きもせず、こんなもんかと見る。

冒険者カードには飾りなどは何も付いておらず、ただただ名前と神職とクラスが書いてあるだけだ。ちなみに名前は最初の一文字と最後の一文字だけを出すことができる。零断の場合『れ#ん』ような形となる。

神職は隠蔽可能だ。個人職だってバレたらどうなるかわからないのでホッとする。

そして、その冒険者カードが零断に渡される。

「はい。どうぞ。これからあなたも冒険者です。早速何かクエストへ行きますか?」

早速受け付け係がクエストを促してくる。グレン達は意外とやることがありそうなので今日中に討伐できるクエストへ行くことにした。もちろん無断だ。

「なら、やらせてもらおうかな。どんなのがあるか教えてください。」

「わかりました。まずはランクFのを「いや、それじゃ低い」え?」

ランク的にまずはFのオススメクエストを出そうとしたらそれを止められ、固まる。

その間に零断は自分の要望のために質問をする。

「とりあえず、ここの冒険者で達で一番強い人はランクどのくらいだ?」

零断の質問に戸惑いながら受け付け係は答える。

「えぇと。Cランクですかね。」

「なら、Bランク以上のクエストで今日中に目的地につけるクエストはあるか?ないならもっと上でもいい。」

零断が常人から見ると無茶苦茶なことを言うので混乱する受け付け係。それでもリクエストされたクエストがないか見る。さすがプロだ。

「一応ありますね。けれど、このクエストは多くの被害が出ているのでオススメは…」

「いや、逆に上等だ。どういうのかを教えてくれ。」

オススメはしないといったのに逆にやる気になって聞いてくる。

「そ、それなら少し待ってください!このクエストはギルドマスターに許可をもらわなければいけないので少しお待ちを!」

と言って奥へ入ってしまった。

受け付け係が帰ってくるまで零断はクエストの内容をまとめることにした。

近くの森で人狼が暴れまわっているらしい。テニラ村近くと同じ森だ。といってもこの森は大きいので森は森でも場所は全く違う。

そして、ここからは馬車で約半日で着くらしい。一応目的地までは今日中に行ける。しかし、こういうクエストは基本朝早くに出て、夜遅くに帰ってくるものだ。さすがに行かないだろうと思ったが、そのクエストをオススメしたのが零断だったなら違う。なぜなら零断はエレキトルムーブという超高速移動手段があるからだ。

馬車で半日なら零断は1時間もかからない。30分で着く可能性もある。

いいクエストを見つけたとニヤケていると奥から体がよく引き締まり、見るからに強いとわかるおっさんが出てきた。

おっさんはギロッと零断を見ると…

「あなたが新しい冒険者でこのクエストをやろうとしている方ですね?」

「ア、ハイ。」

凄い威圧を放ち、どんな言葉をかけてくるかと思ったらすごく柔らかい言い方をしてきた。もちろん渋い声で。

【…すまんな。きもいと心の中では言わせてもらおう。】

「このクエストは予想以上に被害が出ています。しかし、あなたなら大丈夫かもしれません。グレンさんとウィリアムさんの教え子ですからね。しかも、波動者という個人職持ち。このクエストを依頼してもよろしいでしょうか?零断さん。」

「………もちろんだ。どんと任せてくれ!」

まさかの人にさんをつけるタイプだ。零断はさらに驚く。しかし、任されたのなら受け持つのが男というものだ。さらに、このクエストはいい力試しになると思うからだろう。

ちなみにグレン達は零断が説明を受けている間にどこかへいってしまった。

なので零断は自分が自由行動だと思い、自由に行動する。

元々この町に1日泊まる予定なのだ。狩りへ行っても問題ないだろう。

受け付け係の人は相当焦りながら零断を止めようとするが、ギルドマスターは渋い顔で笑い…いや、あれは馴染みやすい顔と言ってあげたほうがいいのだろう。

ギルドマスターはその馴染みやすい顔で零断を応援する。

その応援を背中で受け、零断はクエストへ出発するのであった。


すいません。最後が説明会でした…

というわけでこれを最後はさすがにダメなので明日も投稿します!

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