魔法使い(おっちゃん)との出会い
溜めがあるからもうちょい早い投稿でいいかなぁ
3日4日前から降り続いてる雨は零断が目覚めた日から更に数日に渡り、激しい勢いのまま振り続いた。セリアはあまりの豪雨の長さについには膝をついて
「わ、私の畑が………やめてぇ…やめてくださいぃ…」
と、ぼやくほどまでだった。
そんな中、零断はいつまでも何もせずに家にいるだけはただの迷惑な居候になるだけなので、次の日から家事や畑の様子を見に行ったりと手伝っていた。
時には雨に打たれながら、作物をできるだけ手入れをするなどのことをしていた。この作業を見ていたセリアは
「この作業を軽々と出来てしまうなんて…すごい体だなぁ。私は10分やるので精一杯なのに。頼りになるなぁ」
をつぶやいていた。
そんな目覚めてから4日ほど立った頃、昨日と同じように作物の手入れ(と言ってもほとんどすべてがボロボロであまりできないが)をしていたら、なんとちっちゃいドワーフのようなおっさんがカカシに掴まって飛ばされないように踏ん張っていた。
【何だあれ?ちっちゃいおっさんがおっきいカカシに助けを求めてるのか?なんかとてもシュールだな。】
と思いながら助けるために近付いていった。
「おっちゃん、大丈夫か?」
「見ればわかるじゃろおぉぉぉぉウゥゥ!たたたたた助けてくれぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!」
「おう。了解した。ういしょっと。ん?あんま重くないな。ちっちゃいからか?」
「な、ワシの体が重くないじゃと?そんな馬鹿な。ワシは150キロ以上重さがあり、村一番の重さじゃぞ。」
「誰が一番重いとか聞いてネーヨ。っていうかマジで?おっちゃん150キロもあるの?なんで俺担げているんだよ………異世界転移(仮)で筋力パラメータがバグったか?」
異世界転移と言いながら筋力パラメータなどとゲームの話を入れる零断。実際まだ動揺しているようだ。
「きんりょくぱらめーた?何だそれは。」
「いや、こっちの話だ。忘れてくれ。」
【あ、ヤベ。口に出てたわ。今はどのくらい話していいか分からないからな。注意しないと。】
と、心の中で考えながらこのおっちゃんに色々提案する。
「ところでおっちゃん、今は前が見えないから取り敢えず俺が居候している家に連れて行くな。」
「おぬし、居候だったのか。その居候先の名前を教えてくれんかのぉ?」
「ああ。セリアだよ。」
「おお、セリアか。あの子は、優しいだろう?」
「本当にな。倒れていた俺を家に連れて帰ってくれて、更に、今も居候させてもらってるからな。感謝してるよ。」
と、このおっちゃんに零断が目覚めてからのことを話した。現在、信用できる人は少ないし、いろんな情報がほしいからだ。
「ほぅ。結構いろいろあったようじゃな。面白い話を聞けたわい。それにしても、なぜセリアの家につかないのじゃ?」
「………(汗)」
「まさか………」
【ああああーーー!!!道に迷ったァァァァどうするどうするどうする。おっちゃんとの話が面白くて前を見てなかった!前見えないけど!来た道を戻るか?それともこのあたりを散策するか?】
零断がいろいろ思想をフル回転させていたら、おっちゃんから話しかけられた。
「おぬし、魔法を使えないのか?」
「魔法…使えるなら使いたいよ。けど、使い方がわからないからな。さっき話した通りまだここにきてセリア以外の誰にもあってないし、セリアは魔法が、苦手のようだし。」
「ならわしが簡単な魔法を教えてやろう。わしはもう使わないが、頑張ればおぬしも使えるようになるだろう。」
「おっちゃんは魔法使えたのか?」
「そうじゃ。昔はこれでも村一番の魔法使いと呼ばれていたんじゃぞ。」
実はそうなのである。このおっちゃんは、村一番の魔法使い、そして、あるものを作る職人である。しかも、その腕は王都でも通用するほどの。
「んじゃ、教えてもらおうかな。どうすればいいんだ?」
「呪文を唱えるのじゃよ。」
まず、魔法を出すのには呪文が必要だ。その呪文は一つ一つ違う違う言葉で出来ている。
また、同じ魔法でも使用者によって呪文をアレンジされ、違う言葉になることもある。
つぎに、魔法に関してだ。魔法には5つの属性がある。
炎 水 風 雷 地
すべて言葉通りで、炎属性は、火を出す魔法。そして、魔法の威力やスピード、呪文行使時間などがすべての魔法を通して平均なものが多い。
まぁ例外もあるが。
次に水。水は基本的に回復として使うことが多い。この5属性の中で水にだけ、回復呪文がある。代わりに攻撃の呪文は少ない。
次に風。風は威力があまり高くないが、呪文行使時間がすごく早く、速度も早い。
次に雷だが、これは最近5属性に入ったばっかりのすごく新しい魔法だ。しかし、この雷の能力についてはほとんどがまだ謎。基本的には自己強化などの魔法が発見されている。だが、使える人は少ない。
最後に地だが、これは風の逆、威力は他の属性と比べ物にならないが、速度が遅く、呪文行使時間が長い。また、鍛冶や家造りなどにも使える。
基本的にはこの5種類だが、稀にどの属性にも属さない魔法がある。
その代表的なのが精霊魔法や、真意魔法だ。精霊魔法は、精霊を刺激し、いろいろな属性のいろいろな技を出すことができる強力な魔法が多い。しかし、使えるものは、精霊を見ること、また、感じることができる人でないといけないので、使える人はほとんどいない。
真意魔法は、やる気などの目に見えないもの、または、実際にはないものを扱う魔法だ。この魔法によって戦争でおける士気を上げたり、撤退のときに指示が回りやすくなる。
これを使える人は精霊魔法や、雷魔法を使える人よりも更に少ない。使える人は、王国などが集めているため、そこら辺の人は絶対に覚えていない魔法だ。
この中でおっちゃんが得意なのは地魔法である。今から零断が使おうと思っている魔法は、特定の石の場所を示してくれる魔法だ。家には、一つ一つ能力の違う石が埋められていて、迷子になったり、手紙を届けるときはその石を探すのである。
零断は1、2時間の間、おっちゃんを飛ばされないように庇いながら教えてもらい、練習をして、それから呪文を唱えた。
「示されしものよ、その力を示し導け。“導光"」
すると、右手から後ろにむけて光の線が出てきた。それと同時に零断は体が少し重くなるのを感じた。
【これが魔力消費による疲労か。セリアが言っていた通りダルくなるな。まぁ、あまり問題ないかな。】
魔法を唱えると魔力が消費される。魔力の最大量は人によって違い、魔力を限界まで使えば使うほど、最大量は増えていく。魔力をすべて使い切ると、体に力が入らなくなり、意識はあるが、動けない状態になってしまう。
「ほう?おぬしあまり疲れてないようだな。この様子を見ると少し遠いはずなのじゃが。」
「少しは体が重くなってるぜ。距離はわからないが、あと30分もかからないだろうから全然大丈夫だな。」
「おぬし………魔法の才能があるかもしれん。しかも、わしを超えるかもしれないくらい。これは面白い奴を見つけたのぉ。」
おっちゃんは自分を担いでる零断にも聞こえないような声でそんなことをつぶやくのであった。
それから約20分後、やっとセリア(零断)の家が見えてきて、ホッとした零断であった。
いや、やっぱり一定のペースで行こう。本当に余裕があるとき、また、作り終わってない時は変えると思います。