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大学デビューに失敗したぼっち、魔境に生息す。  作者: 睦月
一章 異世界人がやってきた
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小鬼と岩人

すいません、めちゃ短いです。


 翌日、庭先で緑小人と一緒に遊んでいる小鬼達がいた。

 

 トレントに登っているもの、吾郎ちゃんにかまっているもの、畑作業を手伝っているもの。

 身長は個体差があったが150センチ前後ほどで、肌は皆褐色で黒髪、夏休み明けの中学生のようだった。違うのは、額に生えている一本の角、枝から枝へ飛び移っている高い身体能力など。


 そして、俺の姿を見るや駆け寄ってきて膝を付いて頭を下げていた。彼らからは純粋な敬意と忠誠心が伝わってくる。比率は男3女3、町の衛兵隊である小鬼族と呼ぶことにした。



 小鬼族たちには、それぞれ空き家から拝借してきた鉈や鉄パイプ、金属バットなどを装備させ、農作業用のツナギと工事ヘルメットの格好で3人一組のローテーションで巡回させている。

 今はまだ人数が少ないが、繁殖力に定評のあるゴブリンの素材を使っていることもあり、そのうち徐々に増えていくだろう。

 それに魔物が現れた時に時間稼ぎさえしてくれれば、うちの超人ガンジーさんが駆けつけてワンパン、瞬コロしてくれる。



 そんな無敵のガンジーさんだが、ある時俺に青く美しい鉱石を渡してきた。



「お、すげえ綺麗な鉱石だね。何これどうしたの?」

「やっと、出来た……。」



 ガンジーには暇を見つけては言葉を教えてはいるのだが、いかんせん元々が無口な性格らしく、中々会話は捗らない。だが、言葉以上に伝わって来るイメージ像が鮮明だった。この辺は魂力や魔力量の違いなのかもしれないな。



「へー、ガンジーが作ったんだ」

「うん」

「コレ、くれるの?」

「……うん、埋める」

「………え!?、これ埋めたらガンジーの仲間が生まれんの?」

「うん」

「そうなんだ! 良かったな、ガンジー家族増えるじゃん」



 頭を撫でてあげると、普段はあまり表情が変わらないガンジーがちょっとだけ照れたように笑っていた。やっぱり同種の仲間が欲しかったんだなあ。



 それから詳しく話を聞いていくと、岩人は蓄えた魔力と体に取り込んだ石の密度が一定以上になると今回のような、魔力と魂力の詰まった鉱石を生み出すようだ。

 それを魔力が浸透した土に埋める。すると、しばらくして中で魔力に満ちた岩が生成され、新たな岩人が生まれるという。

 どれ位で生まれるのかと聞くと、たぶん一月とかそれくらいだろうとのこと。土に含まれている魔力にもよるらしい。


 とりあえず、緑小人が丹精込めて世話をしている畑の一角にスペースをもらい産めておく。緑小人はこまめに土や水に魔力を込めているため十分だろうが、できるだけ俺も魔力を込めるようにしよう。新しい岩人が生まれるのが楽しみだ。

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