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大学デビューに失敗したぼっち、魔境に生息す。  作者: 睦月
二章 樹海の町の住人たち
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統計調査

二章開始です。

半分ほどまで書き終わりましたので、投稿していきます。

「「ヒャッフーーーー!」」




 今、樹海で最もブームになっているナウいアトラクション【ランバードグラインダー】、町役場3階建ての屋上からランバードに跳躍してもらって滑空する遊びだ。


 大きな羽根に風を受け、ゆったりと樹海の上空を旋回し、巨木の間を縫いながら原っぱへと着地していく。たまにトレントたちが気を使って避けてくれてる。 ーー はーい、ソコごめんねぇ 通るよー


 

 この前、小鬼族たちが町の巡回中に、周囲を見渡すためにも建物の屋根から滑空しているのを見つけた。

 

 ふと閃き、非番の小鬼族をここに連れてきたのが始まりだ。


 それ以来、小鬼族は空いた時間を見つけては遊びに来ている。今は先々月に生まれた小鬼族の子供(もう少しで成人扱い)とロッコを連れてはっちゃげている。ちなみに「ヒャッフー」は流行らせようと思っているのだが、クールなロッコは真似てくれない。



 ひとしきりアクティブした後は、家に戻り縁側でガンジーと一緒に茶をしばいている。


 視界に広がる庭では、今日も緑小人たちは思い思いに楽しんでいる。

 土いじりを満喫しているもいれば、木の枝でチャンバラみたいな事をしていたり、追いかけっこしていたりと相変わらず賑やかだ。

 イチョウのトレント爺さんも目を細めて緑小人たちをあやしていた。

 

 それらを眺めながら、膝の上にいるモンテを指でこちょばかし、また茶をすすった。




  マイホームを全国公開で人外魔境呼ばわりされてから1年がたった。

  とりあえず、現在の樹海の町統計調査を発表しよう。



 ・人間 1人

 ・岩人 2人

 ・小鬼族 39人

 ・ランバード 24匹

 ・緑小人 そこら中

 ・トレント そこそこ

 ・石ダンゴ 数えたくない

 ・ホワイトディア 不明


 ・グリーンイグアナだったはず 4匹

 ・ボーリング玉サイズのカブトムシ? 数匹いる模様

 ・スケルトンカラーの謎  少なくとも2匹はいる  


 ・その他もろもろ なんか外から来て住み着いてる動物もいっぱいいる

 



 小鬼族もランバードも順調に愛を育み、家族を増やしていってくれている。


 人数が増えるごとに使う家を増やし、今では最初の農家を衛兵隊詰所として使用し、その他の家を家族毎に使っている。


 俺の眷属だからなのか、水魔法に適性のあるものが多く、飲み水には困っていない。そうでなくても、古民家ばかりなので井戸付きの家も多い。


 ランバードも基本は詰所の敷地内にある大きな納屋を寝床としているが、俺や岩人2人のランバードはウチの納屋で寝ているし、ウチの子以外のランバードもちょくちょく紛れていたりする。

 自由恋愛というか、のびのびと生活してくれていて何よりだ。


 樹海の町も少しづつ賑やかになり、子供達の遊ぶ声が日に日に多くなっているのは純粋に嬉しく感じる。

 外から聞こえて来る、母親達の子供を叱る声なんかにはつい笑顔がこぼれてしまう。



 緑小人達に関して言えば、順調?に勢力を拡大して行っている。いたるところに緑小人がいるため、今や自然風景と同化してしまっているが。

 

 吾郎ちゃんの背中やその子供達を定期便代わりにして、樹海の各地に出かけて行っている姿をよくみかけるね。


 ちなみに吾郎ちゃんは3メートルオーバーに達している。その子供達は1メートル弱とかなり可愛いサイズだが、この前火を吹いて遊んでいたので、しっかりと叱っておいた。

 森の中でのファイアーは厳禁です。

 もうグリーンイグアナに関する常識が崩壊してしまっているのは気にしていない。



 あと、吾郎ちゃんに続いて近藤くんもいつの間にか増えていた。

 ボーリング玉サイズの3本角のカブトムシ(ヘラクレスとは上下逆の生え方)は、ちょっと恐ろしい勢いで木々の間を飛び交っている。


 あの羽音が聞こえてきたら要注意、周囲をしっかりと確認する必要がある。

 あんなのがコメカミに刺さったりしたら事件にしかならない。

 たまに木の幹に刺さってジタバタしているが、それを笑顔で抜いてあげるのが住人達の優しさとなっている。


 スケルトンカラーの彼はもう謎でしかないので割愛しよう。



 町の掃除人石ダンゴさん達も健在だ。


 ゴミどころか動物の死骸や糞なども翌日までには処理してくれているできた存在だ。

 人知れず終わらせているその仕事っぷりにはグッとくるものがある。


 たまに何かに群がっている姿を目撃すると、悲鳴を上げてしまうが……。




 まあ……なんというか、今日も樹海の町は元気です。



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