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大学デビューに失敗したぼっち、魔境に生息す。  作者: 睦月
一章 異世界人がやってきた
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人外魔境

 さてさて、小鬼族の子供達もすくすく育ち、今は5、6歳の子供サイズで緑小人達と周辺を駆け回っている。生まれてまだ一ヶ月ちょいしかたっていないのだが、成長スピードが早いようだ。


 ランバードも無事卵を産み、今は3つの卵を温め中とのこと。

 見よう見まねで作った鞍と轡、鐙もつけ、格段に乗り心地と安全性が向上していた。街中で走り屋と化している小鬼族を最近はよく見かける。


 次に生まれた卵3つは、俺とガンジーとロッコの分としてすでに予約済みだ。風になっている俺逹の姿が目に浮かぶぜ。



 あとなぜか、吾郎ちゃんも卵を2つ産んでいた。


 一体どこで誰と……というか君は女の子だったのかい? そう困惑していると、物知りガンジーさんいわく魔力や魂力の余剰分が卵になったのではとのこと。


 うーん、いつの間にか吾郎ちゃんはグリーンイグアナを辞めてしまっていたらしい。

 確かにここ最近は、全長が2メートルは確実に超えているし、体つきもやたらゴテゴテしくなっている。


 正直言って、何も知らずに街中で吾郎ちゃんを見かけたら、なりふりかまわず全力で逃げると思う。

 この前なんか、目の前を呑気に通りかかった鶏に躊躇なくかぶりついていた。今年入って一番の衝撃的なシーンだった。


 近藤くんとサスケさんに関しては、今や町全体が森と化してきているこの場所で、一体どこにいるやら検討もつかない。


 たまーに、ボーリング玉サイズの角が3本ある黒い何かが、力強く飛んでいる気がするけど、正直怖くて追求していない。変に絡んで、あの鋭い角で突っ込んでこられたらたまらないもんね。


 さらにごくごくたまーに、木の枝になにかスケルトンカラーの生き物がいる気がする……某戦闘狂エイリアンのように。それもまた深くは追求しないようにしている。

 あれ、なぜか魔力まで隠蔽してるんだよね……どうやってんだろう?



 あと相変わらず、庭の隅に置いておいた生活ゴミや生ごみなんかは次の日には消えている。庭の片隅を走り去っていく石ダンゴくん達を見る限り、一応元気にやっているようだ。

 このまえ元神社のトレントの森に行った時、通常サイズの4〜5倍はありそうな石ダンゴさんを発見し、リアルに悲鳴をあげてしまったのは内緒だ。




 不可抗力、ほんとーにわざとではないんだけど……この町が魔境と化してきている。





==============================






『ご覧いただけますでしょうか? こちらが突如現れた樹海です。一年前までは田畑の広がる長閑な田舎町だったのですが、今では広範囲を巨大な木々に覆われ、建物の屋根がその隙間からわずかに確認できる程度です。』

『以前、近隣の町に住んでいた人の情報では、こちらの樹海が広まり始めてから、今まで見たこともないような強大な虫に不気味な鳥や獣を目にするようになったようです。中には木が動いていたという目撃証言もあります。』

『2ヶ月前、この樹海を危険視した地方の自警団が武装をして調査に向かったようですが、樹海にいくまでの間にゴブリンやコボルトの集落をいくつも発見、5名の犠牲者、4名の行方不明者をだし樹海行きを断念しています。

今も樹海は急速に拡大しており、さらに魔物達を引き寄せ、その集落すらも飲み込むのは時間の問題でしょう。』

『一体、政府はこの人外魔境と化した樹海にどのような対策をとるのでしょうか? 都心部の人口過密を緩和する安全圏拡大計画も依然として進んでいない中、人材不足を解消するための一般人の冒険者雇用制度及び教育制度の早期決定が求められています。』




 テレビ画面の中で、ダサいヘルメットを被った美人アナウンサーが、ヘリの中で声を張り上げてレポートしていた。

 

 そして、ちょうど家の上空ではヘリの音が鳴り響いている。


 

 「これ………家じゃん」



 マイホームに向かって人外魔境とは失礼な! ちゃんと人間住んどるわっ……1人だけ。


 モンテを膝に乗せ、ガンジー、ロッコの4人でちゃぶ台を囲んでテレビを見ている。

 確かにやや魔境化してきてるなーという自覚はあったが、まさかここまで問題視されていようとは。


 料金はしっかり払っていたのに、突然電気と水道止められたのは何でかなーとも思ってはいた。よくはわからんが、なんかその辺に理由があったんだろう。


 今は他所から持ってきた自家発電機とソーラーパネルに蓄電池を使って電力を賄っている。

 水道に関しては井戸が使えるし水魔法もあるので全く問題はない。ネット環境も光は使えなくなったが、以前契約していたWiFiでなんとかなっている。結論、



 ーーまあ、いっか




「さ、今日は畑仕事でもすんべかな」




 とりあえず非常にキリがいいのでここで完結とさせていただきます。

 計2日間のみの連続投稿でしたが、それでもブクマと評価ポイントを入れてくれた方々には大感謝です。

 ここまで読んで頂けただけでも嬉しく思います。ありがとうございました。


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