住処をさがします。
「さて、とりあえず宿を決めてなかったね。ユキメここら辺で5人泊まれそうなところはあるかな?」
「ユウキここの街は迷宮都市ですが五階層の魔物が強い為家が結構余っている筈です。借家を探しましょう。」
奴隷商会を出た後とりあえず泊まるところを探す事にしました。メリーは目が見えないので1人では歩けないためユキメが手を引いています。
「借家って幾らぐらいで借りれるものなの?後金貨50枚ぐらいしかないよ?」
まあそこまで高くないとは思うが一応確認しなきゃね。5人の装備買わないといけないし。
「それは問題無いと思います。まあとりあえず家を探しに行きましょう。」
「了解。どこに行けばいいのかな?」
「案内しますね」
歩き出したユキメを追っていくことにします。
〜〜〜
「ここです。」
ユキメが案内したのは先程の奴隷商会から500m離れた場所にありました。
「本当にここでいいの?」
「はい、大丈夫です。」
一応ユキメに確認しました。外見は他の家と変わらないように見えます。こんなの地元の人以外わからないんじゃないでしょうか。
まあ、文句を言っても何も変わりません。とりあえず入って見ましょう。
「すみませーん。いらっしゃいますかー。」
ドアをノックしながら確認の声をかけます。しばらくすると中から扉を引き開けて白髪のおじいちゃんが出てきました。
「なんじゃい?家に何か用かい?」
訝しむ様におじいちゃんはこちらを見回します。
「突然の訪問すいません。僕はこの度この都市の迷宮に潜ろうと思っているのですがこちらで空き家を紹介して頂けると聞きましてお伺いしました。」
「おやなんじゃい、ボウズそんなに若いのに探検者なのかい?ここの迷宮は他のより手強いぞ。大丈夫なのかい?」
おじいちゃんは訝しんでいた顔を今度は心配そうな顔にして訪ねてくる。
優しそうなおじいちゃんだなーと思った。
「はい、まだ初心者ですが幸いスキルに恵まれましたのでなんとかやって行けるとおもいます。」
「ほうそれは凄いのでは案内しよう少し待っていてくれ」
「はい」
僕の返事を確認しておじいちゃんは家の中に戻って行った。
「とりあえず5人で住める大きさの家を借りてお金が貯まったら広い家に引っ越ししようか?」
僕の質問にユキメがすぐ答えを返してくれた。
「はい、とりあえずで決めていいと思います。後は迷宮に入って見て決めましょう。」
とりあえず眠る場所の確保だけでもいいから借りることにしよう。
「待たせたの」
おじいちゃんが出てきたようだ。
「いえ大丈夫です。それではお願いします。」
「分かった。それでどういうところを探しているのじゃ?」
「はいこの5人でとりあえず眠る広さがあればと思っているのですが」
「ほうボウズも隅に置けんのほほほ」
ユキメがああいってた手前否定は出来ないなとりあえず日本人得意の愛想笑いで流しましょう。
「ちなみに金貨5枚位だとどれくらいの家を借りれます。」
「金貨5枚もあったら二階建ての家を半年は借りれるぞ」
「二階建てですか?どれくらいの広さでしょうか?」
「ここから近いからとりあえず見てみるといい」
「分かりました」
おじいちゃんについて歩いてくこと五分位の所に立っているそれはかなり立派です。
「これですか?」
「そうじゃ」
「入って見ても?」
「ああ。今開ける。ほれ好きなだけ見て行くといい。」
おじいちゃんは鍵を開けると端に寄ったので中に入る。中は木製だがしっかりした作りのようです。一階にはトイレに台所。広い水浴び場所にリビングという感じでした。二階はでっかい部屋十二畳位が一つに六畳位がふた部屋でした。これが半年25万、金貨5枚かここにしよう。
「ここにしたいと思います。契約してもらえますか?」
「分かった。じゃあ私の家に戻って契約書を作ろうかの」
「はい、お願いします」
〜〜〜
契約書を作ると言っていたがこの世界では契約書とは紙に書いたものを保管するわけではなく神に誓いスキルにより契約することでした。金貨5枚で半年家を貸し与えると言う内容をおじいちゃんが僕に確認して僕が「はい」と答えると僕の前に光ってる紙にそのようなことが書かれたものが現れそれに僕の指の腹を切り血を垂らすことによって契約が完了し神のもとに保管されるらしい。
これにより契約期間が過ぎると僕とおじいちゃんの前に光ってる紙が現れ燃えることで契約の終了とするらしい。
スキルってやっぱり万能なんじゃないかなと思った。
借りた家は定期的に手入れされていたらしく少し掃除すればすぐにでも使えそうな感じです。
とりあえず道具屋さんに行って寝袋みたいなものを探して5人分買おうと思い家の掃除を4人に任せて家を後にした。
道具屋さんをユキメが案内すると言ったが先程おじいちゃんに案内されていた時にそれらしものがあったので確認するとやはりそうだったので家の掃除を優先してもらった。
道具屋さんに行くと異世界に来たんだと改めて感じさせられました。
入り口の前に置いてあった服全て大きいので統一されていたので小さいサイズのはないか聞いたところ裁縫スキル持ちの高レベルになると着ることによりそのものの体にあったサイズになる服が作れるようになると言われ買うので試して良いか聞き上着を1着購入した。僕が購入したTシャツは僕が着ることにより肌にピッタリフィットした。苦しくなく動きにくいということもない素晴らしい着心地だった。これは素晴らしいとみんなの分も買うことにする。みんなの服装はボロの貫頭衣で目のやり場に困るのだ。とりあえずユキメは水色、メリーは白、ベニコは赤、シオンは紫と僕的に分かりやすい色のワンピースを購入した。
そこでここに来た目的を思い出し寝袋を探し購入する。グロウと言う鳥の魔物の羽毛で作られたふわふわの寝袋だ。
服代と寝袋で金貨3枚も使ってしまった。だが必要経費だと自分を納得させて道具屋さんを後にした。これ以上いるといくら使うか分からないからね。
家に帰ろうかと思い歩き出すと近くの屋台からとてもいい匂いがしてくる。僕のお腹はグーとなりその屋台で晩御飯を買うことにした。
屋台で売っていたメタウルスと言う魔物の肉を焼いたものが一つ銀貨5枚で売っていたので5人分と柔らかそうな白いパン一つ銅貨5枚を10個買って家に帰ることにした。パーティー結成のお祝いと思い奮発することにした。食事は大事だからしょうがないのだ。
掃除終わっているかなと思いながら暗くなり始めた道を帰路についた。