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5話目 奴隷商会

今僕は、異世界で生きるために人手が必要だと言われたので奴隷商会なるところに来ています。ここでぼ「どうしましたユウキ?こんなところに立って居たら他の人に迷惑がかかりますよ?」


…ユキメは現実逃避の隙も与えてくれません。


「そうだね。じゃあいこうか」


僕は覚悟を決めて商会の中に入ることにしました。


商会の入り口は扉ではなく公衆トイレみたいに真ん中に板が立っていてそれを廻り込む形で中に入るものです。来れは店の中に入った人が見えない様にするのと扉だと開けるのに覚悟が必要だけどこれなら素早く入れて初めて来た人でも入りやすいです。


そんなことを考えながら中に入るとまるでドラマや映画で見るような貴族の館みたいです。左右に2階へ上がる為の階段。すごく大きいシャンデリアがこれでもかと僕の上で輝いています。


僕が建物の中の様子に感嘆しているといつの間にか目の前には執事と呼ばれるであろう初老の男性が立っていました。


「初めましてお客様。本日は奴隷をお探しでお間違えありませんでしょうか?」


その男性は僕が見たことに気付き頭下げてそう訪ねてきた。


「はい。奴隷を買いに来ました。」


とりあえず返事を返す。


「…では私の後について来ていただけますか?」


彼は僕の方を一瞥するとそう言って確認するので僕はハイと答えた。そうすると彼は階段を登って行ったので僕もそれに続く。階段を登り玄関の正面にある通路を彼は歩いて行く。暫くすると正面に豪華な扉が見えて来た。彼はそこで止まったので僕も彼の少し後ろに止まった。彼はコンコンと扉をノックする。


「旦那様お客様がお見えになってます。」


中から入って下さいと声がかかる。彼は一歩下がり僕たちに扉の前を譲る。


「失礼します。」


僕は中に声をかけて扉を開ける。


扉のなかはかなり広い部屋だ。正面にはこの商会の主人であろう男がいる。彼の前には木製の大きな机がある。更にその前に2人がけのソファー二脚が左右に向き合う様に置かれその間にこれまた立派な木製の机がある。

入って来た扉とは別に左右に一つずつ扉がある。うん、社長の部屋って感じだ。


僕が部屋を見回して居ると商人さんはソファーに座っていた。


「先ずはおかけください。」


そう促され僕は彼の前のソファーに腰かける。


「ふぁ」


びっくりして声が漏れてしまった。


「ふふ、初めてこのソファーに座ったものは皆同じような反応をします。お気に召しましたか?」


「ええ。こんなソファーに座ったのは初めてです。素晴らしいものですね。」


そういえばユキメはと思い部屋を見回すと僕の後ろに立っていた。奴隷は主人と一緒に座ってはいけないとかあるのかな確認しておけばよかった。


視線を前に戻すと商人さんは微笑んで僕を見ている。


「気に入ってもらえたようで何よりです。では改めまして私はこの商会の長でクロウと申します。以後お見知りおきを」


「はい、初めまして。僕はユウキと言います。よろしくお願いします。」


「はい。ユウキ様。本日は奴隷の購入でよろしかったですか?」


「はい。子飼い奴隷の女性を買いたいと思っています。」


「子飼い奴隷をお求めですね。子飼い奴隷をここまでお連れしましょうか?それとも牢屋の方に直接行きますか?」


奴隷は牢屋に入れられてるのか、待っているのも暇だし見に行こうかな


「直接見に行きたいと思います。」


「それではご案内しましょう」


彼は立ち上がると彼の後ろ。入って来た扉から見て右側の扉にてをかける。扉を開けると下に降りる階段があった。僕は立ち上がるとユキメを連れて彼の後ろについて行く。


階段を照らすように等間隔で明かりがある。よく見ると石のように見える。あれはなんだろうか?後でユキメに確認しよう。


結構な長さの階段を降りた。どうやらついたらしい扉の前にクロウさんが居る。


「お待たせしました。これより中に案内します。ただ手前には犯罪奴隷が居ますのであまり牢屋に近づかないようにしてください。彼女達は何をするか分かりませんので」


「分かりました。でも何をするか分からないものを奴隷として扱えるのですか?」


僕は疑問に思ったので聞くことにした。何をするか分からないものを買いたいと思うものがいるのだろうか?


「それは大丈夫です。奴隷は主人に対して攻撃を行う事は出来ません。念のためです。」


そういうものなのか。分かりました。と答えるとクロウさんは扉を開けて中に入って行った。僕も続いて中に入る。


入ってすぐ眉をしかめてしまう。酷い匂いです。中は薄暗くて奥がみえません。とても広い部屋です。


「この階には女の奴隷しかいません。子飼い奴隷は奥になります。」


そう言うとクロウさんは奥に向かい歩いて行く。


周りを見ながら歩くが牢屋は二畳ぐらいの2段ベッドみたいなものだ。よく見ると下の方に上から繋がる土管らしきものが右奥にあり左側に穴が空いてる。あれがトイレだろうか?この匂いは汗や糞尿の匂いだ。こんなところに長い間居ると病気になるのではないだろうか?


そんなことを考えてクロウさんの後について歩く。犯罪奴隷は危ないと言っていたが何かしてくるような元気があるものはいないように見える。


暫く歩くとクロウさんが立ち止まりこちらを見た。


「ここから先が子飼い奴隷になります。手前は金貨5枚から奥にいるものは金貨100枚までになります。それ以上は他の部屋にいます。希望するなら先程の部屋でお見せしますが?」


「いえ大丈夫です。とりあえず見てもいいですか?」


「はい。ごゆっくりどうぞ」


クロウさんはそう言うと僕たちに道を譲る。とりあえず奥まで一通り見ることにしよう。


〜〜〜



とりあえず一通り見て気になった事をクロウさんに聞いた。まず金貨5枚の娘達はマイナススキルと呼ばれる障害持ちみたいなものだった。盲目の子と虚弱の子だ。


盲目:目が見えなくなる。


虚弱:身体が弱く病気になりやすい。


うん。そのまんまだ。だがこれだと買う人はいるんじゃないかと思うんだが?顔に出ていたのかユキメが小声で説明してくれた。


「この2人が買われない理由は多分ですが需要がないからです。金貨5枚だと安いと思われるでしょうが犯罪奴隷だと金貨1枚で買えます。盲目と虚弱ではまず戦闘ではつかえません。性的な目的で買うにしてもマイナススキル持ちを買うなら犯罪奴隷を買ったほうが最悪ダンジョンにも連れて行けます。奴隷は年末まで所持していると奴隷税が発生するのでマイナススキル持ちを持っていてもダンジョン攻略には使えず税がかかるだけなのでのこっているのです。」


ふむ、つまりできることが少ないから売れないのか。僕にとってはお買い得何じゃないだろうか?とりあえず保留にして次の質問をすることにした。


金貨10枚の娘達だ。これは簡単で親元から買って来てまだ日が浅かったり教育ができてなかったりするものらしい。これは今の僕には駄目な感じだな。


後は25枚から100枚だがこれは見た目や種族の貴重性の問題だと言われたがこの世界の女の子は不細工な子がいないのでは?というくらい可愛いので見た目はそこまで気にならない。まあ、僕が美雪以外興味がない可能性が無い事もない。


ふむとりあえずマイナススキル持ちは気になるな。ユキメに相談してみるか。


「ユキメ。ちょっといいかな?」


「はい。」


ユキメが近くに来たので小声で確認する。


「僕はマイナススキルの娘達2人と金貨30枚辺りの娘1人買おうと思うんだけどどうかな?」


「いいと思います。」


うん。ユキメならそう言うと思ってた。うんじゃあクロウさんに早速その旨を伝える。


〜〜〜


「はい。これで契約完了です。」


あの後もう1人を選びクロウさんに買いますと言ったら最初に通された社長室みたいな所で契約書にサインをさせられました。


内容は

1、奴隷は主人の命令には逆らえない。

2、奴隷は主人に対しての攻撃は出来ない。

3、奴隷は主人が死亡した時には一緒に死亡してしまう。

この内容は同じ主人のもとで2年立たないと変更出来ない。こんな感じです。


契約書にサインした後その契約書に主人になるものが左手で触れながら右手で握手しながら名前を付けると奴隷契約が成される。


まずは盲目の娘。歳は15歳で羊族です。ボンキュッボンです。頭にある巻き角が可愛らしいです。全体的に真っ白で目だけは金色です。髪は肩までのウェーブです。彼女はメリーにしました。


次は虚弱の娘。歳は16歳で龍族らしいです。紅い髪を腰まで伸ばしています。瞳も灼眼でカッコイイです。肘から先と膝から下は紅い鱗に覆われています。腰の辺りにコウモリのような羽根と紅くて太い尻尾が生えています。スタイルはなかなかです。龍族は耐久性に優れている種族ですがこの娘は虚弱のスキルのせいで全くいいとこなしだから金貨5枚らしいです。彼女はベニコにしました。


最後に金貨35枚でしたが本来の目的通り遠距離に強い種族を選びました。ダークエルフです。ダークエルフはエルフとその他の種族の親から生まれてくることがあるらしくこの世界ではあまり褐色の肌の人は好かれないらしいので安いらしいですがエルフの特性である視力と聴覚が鋭く器用な為弓使いとしては優秀だとか。歳は15ですが一番スタイルが良くて褐色の肌に紫色の髪を腰まで伸ばし。瞳も紫色で凄く妖艶な雰囲気がします。ですがこの世界で好かれない容姿の為か自信なさげに縮こまる姿は可愛らしいです。彼女はシオンにしました。


「ユウキ様今回はありがとうございました。また奴隷が必要になりましたらとう商会まで是非いらしてください。」


どうやら不良在庫を片っ端から買って行くので気に入られたらしくクロウさんは凄くニコニコしてる。まあ僕にとってはお買い得以外の何物でもなかったので何の損もしていないのだが。


「はい、お金に余裕が出来ましたらまた来ますのでその時はよろしくお願いします。」


そう残して僕は奴隷商会を後にした。







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