銃声
なんだ!?
何故か俺は隣にくるみをくっつけて帰りの帰路を急いでいた・・・。
本当なら喜ぶべきシチュエーショんなんだろうが何時ぼろが出るかと思うととてもじゃないが緊張する。隣の方も分かってるのか下に向きながら学校を出てずっと黙っていた。
「・・・。」
「・・・。」
ただひたすら意味も無い沈黙が続く。そして曲がり道。ここからは治安が悪い代わりに人通りの少ない道だ。つまりナンバーズでは俺たち日本人にとって少しでもマシなとこなのだ。どっかで日本人が住んでるって噂も学校で耳にすることがある。もちろんそれは中華連邦のお偉い親父がいるやつらだが。
「なぁ、ここからは喋っても少しましだし…。」
「・・・。」
「お~い」
バァァァン!!
なんだ!?いきなり銃声が…。くるみも顔を上げる。まぁさすがに当たり前だよな。
「行って来る、待っててくれ!!」
まただ。何故か俺はこういう時どうしても動きたくなる。くるみの時だってそうだった。あいつがこっちに来た時俺は俺で隠れられたのに自分のバイク捨ててまで助けたし。偽善者かもしれんが。
さっき銃声が聞こえたのが向うの廃ビルか。上に見える前の戦争の残骸のビル一つ見て俺は走る。ここからは大体100m位。鞄を持ってるとはいえ20秒あれば行ける距離だ。胸には拳銃もあるにはある。
「はぁはぁはぁ―」
廃ビルの前に着いた。息は荒くなっていた。
「俊ちゃんまって。」
「まっとけって、いっただろ?」
後ろからくるみが追いかけていた。
「はぁはぁだって…一人で…。しかも戦闘なんてしたこと無いあなただけで。」
「そうかよ。まぁ良い、余計だろうが見に行くぞ。」
「うん。」
そう言うと俺は胸のデリンジャーを持ち、くるみはポケットから携帯を出した。
危険なのは百も承知。それを分かって二人は中に入った。
息を潜めて。