助け。
オイル切れで最後の足掻きのように名前も知らない彼女と足で逃げ続ける俺達。
車になんか敵わないのはよく分かってるのにそれでも走ってる。
絶望的だとも思った彼女の言う助け。
それがやっと来てくれた!!
俺の想像とは全く違う形で。
俺は今現在の状況に目を疑った。助けなんて間に合わない。そうとさえ思い始めてた。来ても車かなんかだろうと。なのにどうだろうか、今、俺の前にはさ。
「サイトウさん!!遅かったじゃないですかぁ!!」
隣にいる・・・何さんだ?まぁいいかは、助けがこんなので来るのに分かってたらしい。
『ごめんごめん、許してくれよな』
上からは一人のオッサン。何で上かって?だって・・・。今俺らの頭上にゃぁ2機のヘリがホバリングしてるんだから。
しかも一機はただのヘリじゃない。機銃とミサイルの付いたいわゆる「戦闘ヘリ」なんだもんな・・・。もう一機は普通のヘリ、輸送ヘリだ。オッサンの声はこっちから聞こえた。
『二人とも早く乗れ。仲間呼ばれちゃ厄介だ。』
「君、来て。」
「おっおう。」
ここは彼女と名前分からんオッサンの話をいさぎよくきいておく。上からはオッサンが
『ロープ下ろせ』
って言った後に
『あいつらに当てなくていいからミサイル撃て』なんて言ってやがった。
なんなんだこいつ等・・・。とりあえずロープが降りてきたんで上る。レディーファーストってことで俺が後。
なんだけど、上ってたときに俺の横1mないとこにミサイルが飛んでいってそれが憲兵団の横抜いてその少し先に着弾してドカァーンとなった。真横でミサイルが通り過ぎるなんて普通は慣れてるわけがない。俺はそのまましばらく唖然としてしまった。
「今から俺たちの基地へ行くからな。」
オッサンがそう一言言うと
ヘリの中では俺も彼女もオッサンも何も話さずにただただ彼女とオッサンの基地へとヘリが進んで行った。
次回予告
ヘリが進んで行った所にあったのは一つの廃墟。つまり空爆で壊され、今は使われなくなった町だった。
そんなとこに何の用が?
俺はそんなことを考えてた。でも、この後、サイトウと呼ばれたオッサンをオッサンといっていた自分が馬鹿みたいに思えてくることが起こった。